2009年7月31日金曜日

2009.07.10 メンデルスゾーン生誕200年記念コンサート

那須野が原ハーモニーホール 小ホール


● 大田原市にある那須野が原ハーモニーホールに行ってきた。この施設は平成5年に大田原市と西那須野町(現在の那須塩原市)が共同で設立。開館は平成6年12月。
 ここの小ホールで「メンデルスゾーン生誕200年記念コンサート」があった。チケットは全席指定で2千円。小ホールの座席数は399なのだが,事前に売り切れることは通常ないんでしょうかね。当日,後ろの方の席だったけど,無事にチケットを購入できた。

● ハーモニーホールというくらいだから,音響効果に配慮して設計・建築され,「音響家が選ぶ優良ホール百選」に選ばれているそうだ。
 平成6年というとバブルがはじけ始めた頃ですかね。建物は前衛的な建築で,バブルの残り香をそこここに残している。設置者にとっては最も悪い時期に建ててしまったのかもしれないが,利用者にとってはラッキーこのうえないといっていいかも。

● ロビーも天井が高くて気持ちがいい。休憩用の椅子とテーブルもたくさん置かれている。床から高い天井まで壁はガラスになっている。人工の川が設えられていて,所々に氷の模造品が置かれている。
 正直,この模造品には疑問を持った。それから感じるものは涼しさより鬱陶しさだ。どうしてこんなものを置いているのかと思ったんだけど,夜は印象が一変する。氷がライトアップされて,今度は間違いなく涼しさを演出するのだった。
 ぼくは3時間も前に着いたので,この椅子に座ってコーヒーをすすりながら本を読んで過ごした。他に誰もいない。いい時間を過ごすことができた。
 ロビーも音響効果抜群で,クシャミをするとエコーがかかる。隣でお喋りされると辛いかもね。

● 18時半からホールの館長を務めている丹羽正明氏によるメンデルスゾーン解説があった。スライドを使って解説する。本人は後期高齢者になったと語っていたが,張りのある声で若々しい感じの人。
 19時半から演奏。曲目はヴァイオリン協奏曲ホ短調の第1楽章,ピアノ三重奏曲第1番ニ短調など。奏者はピアノ,ヴァイオリン,チェロがそれぞれ一人。
 奏者も書いておこう。ピアノが渚智佳,ヴァイオリンが田口美里,チェロが金子鈴太郎。丹羽氏によると,金子さんは栃木県出身,3人とも「コンセール・マロニエ」の優勝者とのことだ。

● 田口さんのヴァイオリンが音を発した瞬間に脳がふるえた。鳥肌が立つ感じがした。鳥肌が立つって言い方は比喩かと思っていたんだけど,そうじゃなかったんだね。ほんとに鳥肌が立つんですよ。
 来て良かった,元は取れた,と思った。あとは奏者について行くだけだ。
 が,それが意外に難しいんですね。日常茶飯の雑念が次々に湧いてきて,気持ちがそちらに行ってしまう。気づいて演奏に重心を戻す。その繰り返し。ぼくは経験がないが,座禅をするとこんな感じになるのかと思った。

 メンデルスゾーンでぼくがよく聴くのは,交響曲の3番と4番だが,これを機にほかの作品も聴いていこうと思う。
 豊かな金曜日の夜になった。9月4日には「ハイドン没後200年記念コンサート」があるので,そのチケットも買っておいた。今から楽しみだ。

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