2018年8月21日火曜日

2018.08.11 Orchestra Da Vinci 第5回定期演奏会

杉並公会堂 大ホール

● このオーケストラ東京大学音楽部管弦楽団の若手OB・OGを中心に結成されたオーケストラ。千葉大学や筑波大学などのオケ経験者が加わっているらしい。
 東大オケのOB・OGが結成したオーケストラには東京アマデウス管弦楽団があって,何度か聴いたことがある。おそらく,アマチュアオーケストラとしては屈指の水準を誇る。
 東大オケが大学オケの中では1,2位の水準にあるのだから,別段,驚くにはあたらないのだが。

● そのOB・OGは1年ごとに増えるわけだから,OB・OGオーケストラも2つめ,3つめができて当然。特に若い世代は年寄りとは組まない方がいいのじゃないかと思う。
 というわけで,この楽団の平均年齢はかなり若い。それでも5回目の定期演奏会になる。

● 開演は午後2時。チケットは1,000円。当日券を購入して拝聴。
 曲目は次のとおり。指揮は伊藤翔さん。
 バルトーク 5つのハンガリーのスケッチ
 シベリウス 交響曲第7番
 チャイコフスキー 交響曲第4番

● 開演前にステージでプレコンサートがあった。モーツァルトのディヴェルティメントK.137の第2,3楽章とエヴァルドの金管五重奏曲第3番の第1楽章。
 と,サラサラと書いているけれども,もちろんプログラムから転記しているわけだ。エヴァルドを知っている人はそんなにいないだろう。
 というわけで,内容は相当に盛りだくさん。若い人の食欲という感じがする。正真正銘の食欲なら,ぼくも負けてはいないんだけどね。

● もうひとつ。プログラムの曲目解説。これも東大オケの流儀を引き継いでいる。論文調で格調が高い。これをスラスラ読める人は相当な人だろう。ぼくはつっかえつっかえ読んだんだけども,さてどこまで理解できたものやら。途中で読むのをやめちゃう人もずいぶんいそうな気がする。
 Wikipediaから引き写した“解説”もときどき目にするが(引き写したくなる気持ちはよくわかる),それとは対極のもの。解説にも力がこもっている。演奏会を構成する要素の細部をなおざりにしないという感じ?

● 演奏も若々しい。で,若々しさというのはそれ自体が価値であるな,と思った。が,若々しさしかないのであれば,その価値の生存期間はかなり短いものになってしまう。
 おそらく,彼ら彼女らは若々しさ以外の何ものかを複数,備えていると思われる。それが何かは,これから数年のうちに露わになってくるのだろう。東京アマデウス管弦楽団が備えているものと重なるかもしれないし,そうではないかもしれない。

● チャイコフスキーの4番では,第1楽章のホルンとファゴット,2楽章のオーボエ,3楽章のフルートとトロンボーン。それぞれに堪能させてくれた。
 中でもファゴットに瞠目した。何というのかな,これは。毅然としている。俯いていない。過度に内向的でない。そこのけそこのけ,ファゴット様が通る,というほど排他的ではない(オーケストラなんだからあたりまえ)。そのあたりの按配がとてもいいと思った。

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