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2019年4月30日火曜日

2019.04.29 宇都宮第九合唱団特別演奏会-モーツァルト「レクイエム」

宇都宮市文化会館 大ホール

● 今日は栃木県内でも複数の演奏会があり,どれにするか少しだけ迷った。一番近いところというわけで,こちらに。
 開演は午後2時。チケットは3,000円。当日券を買って入場。

● 曲目はといえば,当然,モーツァルトの「レクイエム」なのだけども,その前にレスピーギ「リュートのための古い舞曲とアリア 第3組曲」。
 指揮は佐藤和男さんで,管弦楽はMCFオーケストラとちぎ

● この時期に宇都宮で,しかも大ホールで催行しても,どのくらいのお客さんが来るものだろうと,自分のことは棚にあげて思ってみたんだけども,客席の8割以上は埋まっていたかに見えた。
 10連休で海外や国内に旅行する人が前年比で大幅増なんていう新聞記事を見ると,誰もかれも出かけるものだと錯覚しがちになる。対前年比で大幅増といったって,地元でいつもと同じように過ごす人が数からいえば多数派であることを失念しがちになる。

● 弦のみで「リュートのための古い舞曲とアリア 第3組曲」。しみじみする。
 ヴィオラが目立つ感じで,こういうのは珍しい(たぶん,ぼくが知らないだけで,けっこうあるのだとは思うが)。しかも,チェロに近い低音を奏するところがあって,ヴィオラってこういう音も出るのかという発見もあった。初歩的であいすまぬ。

● レガートが命のような曲。とすれば,CDはカラヤンかと思うのだが,今はカラヤンは冷遇されている時代だからね。
 ぼくはカラヤンで聴けるものは原則,カラヤンで聴くことにしているんだけど,あまり人に言えることではない。

● ともあれ,この曲をこの演奏で聴けたのは収穫。予期しなかった収穫があると,得した気分になって嬉しいものだ。これで帰ってもいいかなと思ったくらいだ。
 が,もちろんそういうことはせず,15分間の休憩後,モーツァルト「レクイエム」を聴くために,再び着座。

● 「レクイエム」を巡る諸々のエピソードについては,ぼくも一応は知っている。ジュースマイヤーが補筆したといっても,これを“補”筆と言っていいのかとも思っている。
 細かいことを言いだすと,今となってはわからないことが多い。ともかく,モーツァルトはこの曲を完成させることができなかった。それだけ知ってればあとはどうでも,ということにしておきたい。

● 長くてしかも声楽が入っている曲って,CDを聴いてみようという気にもなかなかならない。あるいはぼくだけのことかもしれないけれど,バッハの「マタイ受難曲」にしても,ヘンデルの「メサイア」にしても,CDで聴くのはわりと気が重い。オペラに至っては尚更だ。
 そこを埋めてくれるのがDVD。最近はネットでしょうかねぇ。YouTubeにどんどん登場するんだろう。たぶん,音質も良くなるんでしょう。ハイレゾ対応とか,WALKMANやXperiaのように,普通の圧縮音源でもハイレゾ相当に復元して再生するのがあたりまえになるのだろう。
 早くそうなって欲しいと思うんだけど,そうなってしまうと自分のいるところがそのままコンサートホールって感じになりますかねぇ。わざわざホールまで聴きに行くのが億劫になったりしないかなぁ。

● ところで。モーツァルトの「レクイエム」を(生で)聴くのは初めてではない。が,「レクイエム」ってこうだったのかと初めてわかった(気がした)。
 演奏がクリアだったからだ。合唱のレベル,高い。男声がシャキッとしてると全体が締まる。合唱はもちろん,主催者の宇都宮第九合唱団
 ソリストも文句なし。小高史子さん(ソプラノ),井坂惠さん(メゾソプラノ),伊藤達人さん(テノール),薮内俊弥さん(バリトン)という布陣。よくここまで揃えたものだ。

● 伊藤さんのテノールに聴き入ってしまったのだが,プログラム冊子によると6月に「ヘンゼルとグレーテル」に出演予定とある。
 これってあれか,コンセールマロニエ21で優勝した山下裕賀さんがヘンゼルを務めるやつか。行けないとは思うんだけど,気になってはいる。

● これだけの人数で,しかもレベルの高いオーケストラと共演することを標榜するとなると,運営者は胃が痛くなるような思いをすることもあるだろう。
 放りださないで継続しているというそれだけで頭が下がる。

● 合唱団に属して活動を継続している個々の団員にも敬意を払うにやぶさかではないが,唯一,いただけないことがあった。終演後にロビーで来客者と盛りあがり,しかも横に広がってそれをしていたために,出入口を塞いでしまっていた。
 いい大人なんだから,背中にも目を持っていなければいけないよ。起きているときは四六時中だ。それができなくなったら,自らの死期を悟るがよい。ぼくなんか,もう何回も悟っているがね。

● まぁ,しかし。地元でここまでの「レクイエム」を聴けるとは思っていなかった。
 いや,本当に,敬意を払うにやぶさかではない。ありがたいことだと思っておりますよ。

2011年12月31日土曜日

2011.12.03 第31回宇都宮第九合唱団演奏会

宇都宮市文化会館大ホール

● 月が変わって12月の3日(土)。宇都宮市文化会館で行われた「第九」の演奏会を聴いてきた。栃響ではない方の「第九」。管弦楽は日本フィルハーモニー交響楽団。指揮は飯森範親さん。声楽のソリストは,半田美和子(ソプラノ),井坂惠(メゾ・ソプラノ),鈴木准(テノール),山下浩司(バリトン)。

● チケットはS席が5,500円。2年前はチケットは発売日に完売。とても買えるどころではなかった。それもあって,この「第九」のチケットは手に入らないものと諦めていた。
 けれど,ヤフーオークションを眺めていたら,このチケットが売りに出されているのを発見。神さまが聴きに行けと言っているのだと思うことにして,入札した。5,000円(ほかに送料80円)で落札。わずかながら安い料金で聴くことができた。
 曲目は露払いがモーツァルトの交響曲第9番。モーツァルト,13歳のときの作品。そして「第九」。1時間半のコンサートだった。

● 栃響の「第九」は2回聴いているが,今回はプロのオーケストラ。その違いをぼくの耳が知覚できるかどうか。そこがわれながら不安だった。
 しかし,知覚できたのだった。最初からピンと緊張感が張りつめる。ステージの緊張感が客席を包みこむ。自分も砂のひと粒になって,その緊張感のうえに乗り,音の波間に漂う心地よさ。

● 客席はほぼ満席。ぼくの前後左右もひとつの空席もなかった。
 問題は,しかし,ある。小学校の運動会のノリで来ている人もいるのだ。客席での飲み食いは禁止だとアナウンスしている最中に,ペットボトルのお茶を回しあっているグループもいた。それと,小さな子ども連れ。
 ぼくが他人のマナーについて注文をつけられるほどにマナーを弁えている客でないことはわかっている。
 しかし,小さな子どもにとってここは快適な空間だとは思えない。小さいうちから本物の音楽に接するようにすれば,子どもになにがしかの良い効用があると考えるのは,たぶん浅知恵である。
 でも,まぁ,さほど邪魔にもならず,演奏開始後はステージに集中することができたんだけど。

● 飯森さんの指揮ぶりを見るのは,これが三度目。去年の東京交響楽団(8月:那須野が原ハーモニーホール)と山形交響楽団(10月:総合文化センター)以来。
 彼が上半身をはだけてフィジカルトレーニングをしている写真を見たことがある。指揮者にはそれも大切なことなのだろう。
 バイタリティーがある。そして,彼もまた人を呼べる指揮者のひとりなのだろうね。
 来年はまた西本智実さんが指揮をとるようだ。チケット入手は無理だろうな。

● このプログラム冊子で大晦日にベートーヴェンの交響曲を全曲演奏するコンサートがあることを知った。「ベートーヴェンは凄い!全交響曲連続演奏2011」ってやつ。かなり有名な大晦日恒例のコンサートらしいから,知らなかったのはぼくくらいなものかもしれない。
 故岩城宏之氏が始めたもので,今年の指揮者は小林研一郎。管弦楽は「岩城宏之メモリアル・オーケストラ」。主催者のサイトには「日本を代表するオーケストラで活躍するコンサートマスターや首席奏者クラスによる特別編成です。コンサートマスターは篠崎史紀(NHK交響楽団第1コンサートマスター)が務めます」とある。 
 会場は東京文化会館で,S席(20,000円)とA席(15,000円)はまだチケット入手可能。中身からすると安いよなぁ。行きたいんだけど,ヨメの許可が出るかどうか。