2014年11月23日日曜日

2014.11.22 東京大学第65回駒場祭-東京大学歌劇団・東京大学ブラスアカデミー・東京大学フィルハーモニー管弦楽団

東京大学駒場Ⅰキャンパス900番教室(講堂)

● 駒場祭にお邪魔するのは,これが3回目か。今年は今日から3日間。この3日間は井の頭線の駒場東大前駅が混雑して,駅員が緊張を強いられる。その分,運賃収入もドンと増えるんだろうけど。
 ぼくは東大にいくつかある管弦楽団や吹奏楽団の演奏を聴くために来ている。それ以外に目的はないから,まっすぐ900番教室に向かう。演奏会のスケジュールはネットで調べてある。
 その演奏会,あたりまえだけど3日間にわたって開催される。したがって,3日間日参できればいいんだけど,そうもいかない。今年は今日だけ。

● 13時から東京大学歌劇団。来月の28日に正式な(?)公演を予定している。今回は正式公演の抜粋。2つあって,マスカーニ「カヴァレリア・ルスティカーナ」とプッチーニ「ジャンニ・スキッキ」。
 公演ではピットに入っていて,客席からは見えにくい管弦楽がステージの上にいる。これはありがたい。んだけど,普通のホールと違って教室ですからね。諸々の制約があって,木管や金管の奏者は見えない。

● 「カヴァレリア・ルスティカーナ」は三角関係に悩むサントゥッツァを中心に,サントゥッツァとトゥリッドゥの争いの場面。
 サントゥッツァを演じる大島さんの役作り,役への没入の仕方が印象に残った。主役を張る風格みたいなもの。
 彼女,まだ20歳になるかならないかの年齢じゃないか。こういう場面を実地に経験したはずはないと思うんだけど,演劇やドラマを自分が使えるものはないかっていう視点で見る癖がついてるんだろうか。

● っていうかですね,不思議なんだけど,女の人ってこういう場面を自然にやれちゃうんだね。経験なんかなくたって。
 対して,男の方はそうもいかないから,どうしたって一本調子になってしまいがちだ。それゆえ,男優にとっては遊びが必須科目になる。真剣に遊ばないとダメだよね。芸に活かそうなどという下心を持たないで,遊びに没入しないと。

● ただし,遊べばそれが芸に反映されるという保証はないところが辛い。遊んだ結果,芸がおろそかになる,という可能性の方が高いのかもしれない。
 だとしても,遊びを省略しようなんてのは,怠慢が過ぎるんだろうな。1日24時間,1年365日,休んでる暇なんかないってことになりそうだ。

● ところが。「ジャンニ・スキッキ」を聴いて,上の考えは放棄することにした。遊びも芸の肥やし的な考え方は前世紀の遺物かもしれない。
 ジャンニ・スキッキ役のバリトンがとにかく巧い。何者だ,こいつ,と思うほどにね。
 結局,歌で表現できるんだね。あとはわずかな表情の変化,眉をあげたり斜めに俯いたり,で内面をシンボリックに表現できるようなのだ。遊ぶなんてのは余計なこと,かもしれないのだった。

● 次は,15時からブラス・アカデミーの演奏会。“ブラアカワールドツァー2014”と題して,世界各国を象徴する(と思われる)曲を演奏。アメリカだったら「星条旗よ永遠なれ」とか。
 われわれは飛行機に乗って世界を旅するというわけで,あいさつも“ご搭乗ありがとうございます”というもの。司会者(女子)もキャビンアテンダントのコスチュームで登場。

● こういう遊びは真剣にやってくれると,けっこう乗れるものだ。吹奏楽なればこそなんだろうけど,司会の女子学生なんか本物のCAかと見紛うほどだったからね。
 お客さんも立ち見が出るほどに入って,盛況だった。年配者の中には,東大生もこういうことをする時代なのかと思った人もいたかも。

● 最後は東大フィルハーモニー管弦楽団。16時30分から。東大の冠はついているけれども,他大学からの参加者も多い。コンミスは学芸大の女子学生。
 曲目はヴェルディの「ナブッコ」序曲とブラームスの2番。指揮は濱本広洋さん。

● 大学祭のざわめきが入り込んでくる。管楽器の奏者は見えない。が,そういうことはこの場においては支障にならない。若い学生たちの渾身の演奏は,それだけで充分に魅せるものがある。ブラームスはストーリーがよく見えるような気がした。
 来月の27日に,これにチャイコフスキーの「白鳥の湖」を加えた編成で,定期演奏会がある。それがいうなら本番なんだろうけど,ほぼ仕上がっているんですかね。

● 早めに着いたので,13時前にキャンパスの近くを歩いてみた。井の頭線は段丘の端にあって,南側(下側)に商店街がある。東大前商店街というささやかな商店街。
 弁当を商っている店で幕の内弁当を買った。450円。冷凍食品を解凍したと思われるエビフライと,茄子とチクワの天ぷら。がんもとコンニャクの煮物。卵焼きとシューマイ。黒豆の甘煮としば漬け。
 東大構内の小公園(?)で食べた。弁当はごはんが温かければ,それだけで80点。

● キャンパスの西側は高級住宅街。ここに住みたいとはさらさら思わないけれども(思ったって住めません)。商店街があるあたりも住宅地で,この辺は全体として所得の多い人たちが住んでいる印象。俗臭が少ないっていうかね。
 おしなべて面白みのないところだ。が,すぐそばに渋谷があるわけだからな。ここはこうじゃないと困るよね。

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