2017年5月17日水曜日

2017.05.14 矢板ロータリークラブ創立50周年記念 オペラ「泣いた赤鬼」

矢板市文化会館 大ホール

● この催しがあることを知ったのは,4月30日に矢板東高校のプロムナードコンサートを聴きに同じ会場に行ったとき。
 隣にある市立図書館に「泣いた赤鬼」のポスターが掲示されていた。演者はプロのようだ。しかも,入場無料だ。じゃぁ行ってみようかという,わりと単純な理由。

● 絵本の『泣いた赤おに』は中年になってから読んだ記憶がある。梶山俊夫絵の偕成社版だったと記憶する。作は浜田廣介。
 しかしながらというか,当然にしてというか,どういうストーリーだったかはすっかり忘れている。

● 開演は午後1時。ロータリークラブの記念行事のこととて,入場は無料。ただし,事前に申し込んで整理券を取っておく。
 ネットで申し込んで,プリントアウトしたのを持参した。けれども,どうやら整理券などなくても入場できたようだ。受付の担当者は整理券など見ようともしなかったから。
 客席は3割ほどしか埋まっていなかった。少し寂しい。が,こんなものか,だいたい。

● 「泣いた赤鬼」のストーリーはこうだった。

 赤鬼は人間たちと仲良くなりたいと思って,遊びに来てよと立て札を立てた。が,人間は誰も遊びに来てくれない。
 どうにかしたい赤鬼は友人の青鬼に相談する。青鬼は即座に提案する。自分が悪役になって人間たちをいじめるから,君はそこに助けに来い。そうすれば人間たちも君が優しい鬼だとわかるだろう。

 その計画を実行すると青鬼の目論見どおり,人間たちは赤鬼の家に遊びに来るようになった。赤鬼は人間たちと楽しく遊ぶことができるようになった。
 けれども,日数が過ぎるうちに青鬼が自分を訪ねてこなくなったことに気がついた。
 そこで,青鬼の家を訪ねると,赤鬼へのメッセージが貼られていた。自分とつきあったのでは,君もまた悪い鬼だったと思われかねない。だから,ぼくは旅に出るよ。

 赤鬼はそれを繰り返して読み,そして泣いた。最も大事な友だちを犠牲にして,その友だちを失ってしまった, と。

● このストーリーには色々と突っ込みどころはある。そんなの,事情を人間に話せばいいじゃないか,彼らもバカじゃないんだからわかってくれるよ,とか。
 しかし,絵本の寓話であるのだから,これくらい骨太の単純なストーリーでいいのだろう。っていうか,それでなければならないのだろう。枝葉を削いで削いで,最後に残ったのがこれだ。

● それをオペラにしたというわけだ。約70分の1幕オペラ。伴奏は1台のピアノ(小笠原貞宗さん)。
 演出は直井研二さん。塩谷町出身の人らしい。指揮は苫米地英一さん。
 演じたのは埼玉県和光市に本拠を置く「オペラ彩」の皆さん。登場人物は7人。赤鬼が布施雅也さん(テノール),青鬼が星野淳さん(バリトン),木こりに伊東剛さん(バス),その娘に飯尾玲子さん(ソプラノ),百姓に大橋正明さん(テノール),その女房に和田タカ子さん(ソプラノ)。そして,歌うナレーターに蒲原史子さん(ソプラノ)。以上の布陣。

● 無料でここまでの劇を鑑賞できるのはありがたい。というのは置いておいても,世の中にこれは子供向け,これは大人向け,っていうのはないのかもしれない。いいものとそうでもないものがあるだけで。
 大人が見て面白いものは,子供が見たって面白いのだろう。大人がつまらないと思うものは,子供だってつまらないと思うだろう。

● オペラ仕立てじゃない,普通の演劇もあるんでしょうね。ストーリーに少し枝葉を付け加えて,やはり70分程度の演劇にすることはできるだろう。
 可能ならそちらも見てみたいものだ,と無難にまとめてしまおうか。

2017年5月12日金曜日

2017.05.06 間奏56:宇都宮北高校吹奏楽部の第31回定期演奏会に行けなかった件

● 今日は宇都宮北高校吹奏楽部の定期演奏会がある。チケットも前売券を購入済みだ。
 が,4日から3泊の予定で,相方と東京に休みに来ている。

● 東京から宇都宮に出て,終演後にまた東京に戻るという酔狂をあえてしてまで,聴く価値があることはわかっている。
 自惚れかもしれないのだけど,その模様を記したぼくのブログを楽しみにしてくれている生徒さんも何人かはいらっしゃるのではないか,とも思っている。

● だから,よほどその酔狂を実行してみようかと思ったのだけど,それを相方に言いだすことはできなかった。
 何というのか,家庭の事情というやつで,目下のところは女房孝行を最優先にしないと。

● とはいえ,この演奏会を聴けないのは残念だ。黄金週間に穴が空いたような感じだ(高校生の吹奏楽の演奏会程度で何を大げさなと思われるかもしれないんだけど)。
 基本,黄金週間にどこかに出かけてはいけないのだよね。こういう大きな取りこぼしが出てしまうから。

● 若い人たちの演奏っていうのは,若いというそれだけで,何らかの魅力を発する。逆に,30代か20代も後半になると,その「何らか」がなくなって,人(奏者)によっては悩む時期に入るのだろうとも思う。
 ともあれ,その「何らか」を満喫するのに,宇都宮北高校吹奏楽部の定期演奏会は格好のものだ。というより,栃木県に限れば,それに代わるものがない(ま,このあたりは,ぼく一個の嗜好がかなり入りこんでいるはずだけど)。

● いや,東京で3日目になるんだけど,過ぎた2日間も楽しかったんですよ。ニューヨークにもロンドンにもベルリンにも行ったことはないんだけど,近くに東京があるのに何でそんなところまで出かけなければならんのかと思っているクチなんですよ。
 東京でまだ行ったことのないところはたくさんある。そういうところをブラブラと歩いていると,東京って都市としては奇跡的に快適な集積を作っているのではないかと思える。

● しかし。東京にはいつでも行ける。正確にいうと,いつでも行けるわけではないけれど,今日の東京のほぼすべては明日になっても,変わらずにそこにある。
 ところが,この演奏会は見事に一回きりなわけで,今日聴かなければ,もうそれっきりだ。

● けれども,今回はそれよりも大事なものを選んだのだと,自分を納得させている。