2017年5月30日火曜日

2017.05.27 作新学院高等学校吹奏楽部 フレッシュグリーンコンサート2017

宇都宮市文化会館 大ホール

● 2015年11月から改修工事のため休館していた宇都宮市文化会館。工事を終え4月から運営再開。その宇都宮市文化会館で,作新学院高校吹奏楽部のフレッシュグリーンコンサート。
 開演は15時。当日券を購入。1,000円(前売券は800円)。

● 会場時刻が近づくと長蛇の列。こんなに入りきれるのかと思うんだけど,行列って印象が強烈だから,実際の人数より多いと思ってしまうんですよね。文化会館の大ホールは収容人員が2千人超だから,この程度の行列なら問題なく飲み込める。
 とはいえ,その大ホールがほぼ満席となった。1階最前列と2列目に空きがあったけど,あとは埋まっていたんじゃないか。

● 行列でぼくの隣にいたのは,宇都宮高校の生徒。幼顔だったからまだ1年生だろうか。一人で来ていた。おお,同士よ,若き友よ。
 彼以外にも,他校生がかなりいる。中学生もいる。作新吹奏楽部はおそらく,吹奏楽の県内最高峰(社会人の吹奏楽団を含めて)。それだけ吸引力がある。

● 改修後も宇都宮市文化会館の基本的な構造は変わっていない。2階右翼席の前から7列目くらいの,一番左奥がお気に入り。そのあたりの造作もまったく変わっておらず,今日もその席に座ることができた。
 音響もかなりよくなったと聞いていたのだが,吹奏楽だと音響の変化は感じにくいかもしれない。

● 例によって3部構成。第Ⅰ部はコンクールステージとでもいえばいいんだろうか。次のような曲目だった。
 樽屋雅徳 ONE!
 江原大介 スケルツァンド(吹奏楽コンクール課題曲Ⅰ)
 木内 諒 マーチ・シャイニング・ロード(課題曲Ⅱ)
 保科 洋 インテルメッツオ(課題曲Ⅲ)
 西山知宏 マーチ「春風の通り道」(課題曲Ⅳ)
 真島俊夫 復興

● 顧問の先生の説明によると,明日はコンクールの説明会があるらしい。今日はこのコンサートが終わった後に,その説明会に向けての練習(?)か何かがあるようだ。高校や,特に中学校の吹奏楽部の顧問の先生も1階前方に詰めているっぽかった。
 今回,作新吹奏楽部が演奏した4つの課題曲は,あるいはそれらの人たちに向けての模範演奏という趣もあったのかもしれない。

● 間然したところがない。客席に届く音が二重線になっていない。いわゆる縦の線が揃っているというのとは別の話だ。縦の線も揃っているんだけども,それにとどまらない。
 吹奏楽としての一体感というのか,吹奏楽というひとつの楽器があって,その楽器が鳴っているという印象。

● 「復興」の初めの方にトランペットの独奏がある。男子生徒が吹いていた。たんに楽譜をなぞっているだけではなかったろう。思いをこめていた。それを解釈といってもいいだろう。
 本人が意識しているかいないかは別にして,彼は彼なりの解釈を加えたうえで演奏している。

● 第Ⅱ部はポップスステージ。
 最も盛りあがったのは「栄冠は君に輝く」。昨年の定演でも歌っていた女子生徒がボーカル(?)担当。ためらいがないのがいい。度胸が座ってる子だ。
 場の力も大きいでしょうね。度胸を据えるしかない場がステージにできあがっている。

● 聴いていてしみじみしたのは「スペイン」(真島俊夫編)。作新の技術の高さが遺憾なく発揮されていたといいますかね。
 その「スペイン」と「ルパン三世のテーマ」ではダンスも登場。こういうときのダンスって,添え物というか,ついでにやるね,って感じになりがちで,作新といえどもその例外ではなかったと思う。
 ところが,今回はそのダンスも見応えがあった。特に「スペイン」で中央にいた男子生徒。こちらの動体視力がとみに衰えているからかもしれないんだけど,動きが見えないときがあった。速いからだ。すっと消えたと思ったら,別の形になっているっていう。

● 第Ⅲ部はドリル。演し物は「オペラ座の怪人」。演じ手も用意して,ミュージカルの趣もある。が,ストーリーをステージの演奏や演技だけで追っていくのは無理だ。事前にプログラム冊子を読んでストーリーを頭に入れておいた方がいいでしょうね。
 前回までフォーメーションの展開は打楽器奏者が中心になって担っていたように記憶しているんだけど,今回は打楽器は奥に陣取って,管楽器奏者が主にラインを作った。

● このドリル,見ている分にはすこぶる面白い。ストレスが吹っ飛ぶ。
 が,演奏する方は大変でしょ,これ。タイミングがずれるとか,出だしの音程を取り損ねるとか,わりとありがちだろう。何より疲れるだろう。
 こういうのって上手くやるコツがあるんだろうか。

● しかし,見事な仕上がりだった。この時期にここまでできているんだから,秋の定演が楽しみだ。
 今年は50名を超える新入部員がいて,総勢110名になったという。50名を超える新入部員はすでにして精鋭の集まりだろう。吹奏楽をやりたいから作新学院に入学したという生徒ばかりだろう。
 結果,作新吹奏楽部に死角はない。圧倒された。若い彼ら彼女らの前に,ぼくら年寄りは謙虚でなくてはならぬ。
 今年度は東関東の高い壁を越えて,全国に駒を進めるに違いない,と予想しておく。

0 件のコメント:

コメントを投稿