2019年8月16日金曜日

2019.08.12 オーケストラ・ダヴァーイ 第13回演奏会

東京芸術劇場 コンサートホール

● オーケストラ・ダヴァーイの定演。今回初めて聴く。
 この楽団のプロフィールはサイトを見ればいいわけだけども,要は「2007年にロシアをこよなく愛する者たちが集まって結成したアマチュアオーケストラです」ということ。キッパリしている。そういうだ。紛れは何もない。
 この演奏会でも在日ロシア連邦大使館とロシア連邦交流庁が後援している。ちなみに,後援というのは実質的な援助をすることではなくて,名義貸しのようなものだな。しかし,ともかく,在日ロシア連邦大使館が後援しているのだ。

● 開演は午後2時。チケットは2,000円。当日券を買って入場した。
 曲目はプロコフィエフの交響曲第5番とカンタータ「アレクサンドル・ネフスキー」。指揮は森口真司さん。森口さんの指揮にはすでに何度か(いや,そんなに多くはないか)接していると思う。京大文学部を経て藝大に転じた人。

● プロコフィエフの変わっているところは,パリに住んでいたのに,わざわざソヴィエトに帰国していることだ。海外生活作は20年に及んでいるので,やはり水が合わないという理由で帰国したとは思えないのだが,でもそういうことなんだろうか。故郷忘れがたく候という単純な話なんだろうかなぁ。
 ヒトラーのドイツ第3帝国がソ連に攻め入る現実を見て祖国愛に目覚めた,っていう単純な話ではないような気がするんだが,まぁ,こういうものは本人にしかわからないものだ。

● まず,交響曲5番。作曲の動機はショスタコーヴィチの7番と重ねてしまっていいものなんだろうか。このあたりもよくわからない。
 演奏に関してはわかったことがひとつある。東京にはとんでもないレベルのアマオケがいくつもあることは知っているのだが,また1つリストに加わった,ということだ。管が咆哮するようなロシア音楽の迫力はもうズンズンと伝わってくる。
 ロシア音楽だけを取り上げている楽団は,ここ以外にもある。ぼくが知っているのはアウローラと,ショスタコーヴィチに特化しているダスビダーニャ
 どちらも大変な力量を保持するオーケストラだけれども,ダヴァーイもすごいぞ,と。

● カンタータ「アレクサンドル・ネフスキー」。管弦楽のほかに合唱団とメゾソプラノが入る。合唱団は「東京トリニティコール」と「オーケストラと歌うロシア合唱団」。
 メゾソプラノが山下裕賀さん。コンセール・マロニエで優勝したときの演奏も聴いているので,おっかけるのは無理だけれども,彼女の名前をチラシとかで見かけたときには,一応,手帳に控えておくというかさ。今回は,彼女の出番はそんなに長くはなかったわけだけど。

● この曲を聴くのはまったく初めて。CDでも効いたことはない。持ってはいるんだけど,聴いたことはない。
 主催者は「アレクサンドル・ネフスキーは物語の各場面の情景を想像しながら聴くとおもしろい」と言うんだけど,そこまでの準備ができていなかった。聴き手としてまるでヘボ。ヘボで悪いとは思っていないところが,いよいよヘボ。

● 東京のホールで行った回数が多いのを3つあげると,この東京芸術劇場とすみだトリフォニー,杉並公会堂。サントリーホールや紀尾井ホールは少なめ。
 でね,東京といえども,こうしたホールが使われるのは土日祝日に集中すると思うんだけどさ,使われる密度の濃さっていうのは,田舎とは違う感じね。
 逆にいうとさ,演奏する側にとっても聴くだけの人にとっても,田舎って恵まれた環境かもなぁ。ま,今回の演奏とは何の関係もないんだけどさ。

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