2021年5月10日月曜日

2021.05.03 現代の箏曲 名倉明子作品を集めて ギャラリー×ホール コラボディ2021コンサート

宇都宮美術館 講義室

● 絵を見に来たのではなくて,吉澤延隆さんの箏を聴きに来た。
 宇都宮市には宇都宮エスペール賞というのがある。どういうものかというと,「本市にゆかりのある芸術家のうち,芸術の創造活動が特に顕著で今後の活躍が期待できる方1名に対し贈るもの」なのだが,そのエスペール賞受賞者のコンサートを宇都宮市が企画した。定例的なものではなく,単発企画であるらしい。
 今回は作曲家の名倉明子さん(2005年にエスペール賞受賞)と吉澤さん(2011年にエスペール賞受賞)が登場。

● 主催者(つまり,宇都宮市)は聴きたい人は事前にメールで申込むようにと言っているので,仰せのとおりにして聴きに行ったのだが,そんな人は数人しかいないようだった。美術館に来て,そこで知って聴いてみることにしたという人が多いようだ。
 それはそうだろう。市が出した情報はほとんど拡散していなかったろうから。

● 宇都宮美術館では「森のコンサート」と題するミニコンサートも開催していて,こちらは往復ハガキで申込むようになっている。けれども,こちらも同じかな。
 当日来ても入れそうな気がするね。正規の手続きを踏んでいないからダメだなんて,間違っても言われないだろうしな。

● 開演は13時。50分のミニコンサート(無料)。名倉明子さんが作曲した箏曲を吉澤さんが演奏する。次の3曲。
 答えのない花 ~十七絃箏のために
 一叢芒(ひとむらすすき)
 さくらはじめてひらく

● 「答えのない花」は2014年3月に開催された「吉澤延隆 箏リサイタル-つなぐ」で初演されているので,たぶん,これが2回目の演奏になるのだと思う。「さくらはじめてひらく」は今回が初演。
 箏曲にも当然ながら現代曲がある。現代曲は聴き手を選ぶ。ぼくは選ばれなかったかもしれない。というのが,今回のとりあえずの結論。

● 演奏の合間に吉澤さんと名倉さんのトークが入る。吉澤さんが問い,名倉さんが答える。曲を作るときの動機だとか過程については,本人も答えられないことが多いだろうなと思う。自分で意識している部分よりも無意識で対応しているところが大きいのではないか。
 そのことは本人もわかっている。であっても,無意識を探る作業はなかなか以上に難しいだろう。

● 公演中,なかなか面白いこともあった。爺さま(80歳近いか,あるいは80歳を超えていたか)が途中で席を立ってドアまで歩いていった。そういう年齢なので,白い眼を向ける人はいない。
 ところがドアが開かない。吉澤さんがスタッフに開けてくださいと頼んでいた。
 もし外から施錠していたのだとすると(違うと思うが),軟禁になってしまうかもしれないね。

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