2009年9月30日水曜日

2009.09.20 栃木県交響楽団特別演奏会

栃木県総合文化センター メインホール

● 総文センターのメインホールで行われた栃響の演奏会に出かけた。ありがたいことに無料。整理券が必要になるんだけれど,これはネットで申し込める。何の面倒もない。

● 栃響の演奏会といっても,栃響は脇役で,メインは昨年度のコンセール・マロニエで優勝した人たちだ。今回の演奏会は彼らのお披露目でもある。
 弦楽部門で優勝したヴィオラの金孝珍さん(女性)と声楽部門の優勝者である小林大祐さん(バリトン)が登場。
 会場はほぼ満員。早めに行って前の方の席を確保した。

● 演し物はバルトークの「ルーマニア民族舞曲」「ヴィオラ協奏曲」,ヴェルディ「歌劇リゴレット」(抜粋),レスピーギ「交響詩 ローマの松」。最初の「ルーマニア民族舞曲」と最後の「交響詩 ローマの松」は栃響だけの演奏。
 最も引き込まれたのは「歌劇リゴレット」。もちろん,部分的な演奏だった。であっても,歌劇の片鱗に触れるのは初めてのことだ。イタリア語で歌っているので意味なんかわからない。劇の台本が手に入れば目を通しておいた方がいいだろうけれど,意味がわからないことがステージに没入するのを妨げることはないようだ。
 バリトンの小林氏は富山県出身で現在は芸大院のオペラ科で学びの最中にある。大変な声量。自分には7回生まれ変わっても絶対にできない技を見せてもらえるのは,じつにどうも気分がいい。

● 先日の県立図書館でのコンサートでも思ったことだが,芸大に進むほどの人は実技を極める方に行っている分,たとえば教員採用試験などへの対応においては,教育系大学の音楽科の後塵を拝することが多いのではないか。プロのオーケストラもこの不景気で採用を絞っているだろう。
 しかし,音楽に限らず芸術,芸能の道はいつだって茨に覆われていたはずだ。彼らの将来に幸いあれと祈るしかない。

● 小林氏と同じ芸大院の西谷衣代さん(ソプラノ)が友情出演。じつは彼女のソプラノにノックアウトされた感じ。あの細い身体からどうしてあれだけの声が出るのか。自分の身体を楽器にするってのはどんな具合のものなのか。
 これを機にオペラの舞台にも出かけていくということにはなりそうもないけれど(地元ではなかなか機会もない),声楽の魅力,豊穣さの一端にはたしかに触れ得たと思う。

● ともあれ。今回も満足して会場を後にすることができた。5月9日以降,これが14回目のコンサートになるけれど,コンサートに時間を費やしたことを後悔したことは一度もない。

● バルトークの協奏曲やヴェルディの歌劇のいくつかはぼくのパソコンにも入っているけれども,じつはまだ聴いたことがなかった。レスピーギの名前は今回初めて聞いた。そんなものなのだ,ぼくは。
 コンサートを機に聴きたい楽曲が拡がっていくのも幸運なことだ。

2 件のコメント:

  1. 西谷衣代さん、本当にすばらしい声ですよね!
    私も大ファンです。しかも、気品があってお美しい!!きっと今後、日本を代表する歌手になられることでしょうね。お人柄も素敵でした。

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    1. はい。スター性も充分ですよね。
      厳しい道なのだと思いますが,伸びていってほしいですね。
      実力はすでに証明済み。
      あとは運とか,そういったものをどれだけ掴めるかといった問題になるんでしょうか。

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