2010年2月28日日曜日

2010.02.21 ベッラ・プログレッソ

栃木県総合文化センター サブホール

● 21日(日)には総合文化センターのサブホールで「ベッラ・プログレッソ」なる弦楽四重奏の演奏会があった。美しき進歩という意味らしい。チケットは2千円。
 のだが。ヤフーオークションにペアチケットが3百円で出品されているのを発見。その値段で落札した。招待券が2枚送られてきた。出品者は山口県在住の人。その人は北は北海道から南は九州まであちこちで開催される演奏会のチケットを出品しているのだった。
 主催者側にすれば招待券をこづかい稼ぎの具にされるのは心外だろうけれども,こういう現象は必ず生じるもの。

● ともあれ,総文センターのサブホールに出かけて演奏を聴いてきた。メンバーはヴァイオリン7人,ヴィオラ2人,チェロとコントラバスが各1人。武蔵野音大の卒業生が多い。栃木県在住者が多いけれども,長野県とか県外者も若干混じっている。

● 曲目は演奏順にメンデルスゾーンの「弦楽のための交響曲」第3番,バッハのヴァイオリン協奏曲第1番,ヘンデルの合奏協奏曲,メンデルスゾーン「弦楽のための交響曲」第7番。
 協奏曲の独奏は桐山建志さん。愛知県立芸大の准教授を務める。

●  オーケストラのライブであればよほどのことがない限り後悔することはない。ベートーヴェンの交響曲でも聴けば,まちがいなく興奮的満足を伴って帰途につくことができる。しかし,今回のような小さな演奏会だと,聴く側の鑑賞力が問われる。
 奏者たちも,客席の鑑賞力を措定して初めて成立する演奏会だと思っているだろう。

● しかしながら,サブホールとはいえ客席はほぼ満席となった。こういう地味な演奏でもここまでお客さんが入るものなんだなぁと妙に感心した。

● 技量は素人耳にも桐山さんが圧倒的。チェロとコントラバスはひとりずつで健闘していた。
 いい曲を聴かせてもらったとの思いが残る。が,ぼく程度の鑑賞力で,さてどこまで奏者たちの思いを受けとめることができたか。

● 演奏の規模が小さくなるほどにCDとライブの差が縮まってくる。下手なライブよりもプロの演奏をCDで聴いていた方がいいなと思うこともある。しかし,今回の演奏会はそうではなく,ライブの臨場感がCDの名演奏を凌駕していた。

● ホールで音楽を聴いていると竜宮城にいる浦島太郎の気分になれる。これ以上の時間の過ごし方はないなと,そのたびに思う。

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