2013年11月12日火曜日

2013.11.11 第4回音楽大学オーケストラ・フェスティバル-洗足学園音楽大学&桐朋学園大学

ミューザ川崎 シンフォニーホール

● 首都圏にある音大の夢の競演とでもいいますか。今日,11月11日を皮切りに,11月23日,12月1日,12月8日と,4日間で8つの音大オーケストラがそれぞれの腕前を披露する。
 3月には8大学の混成チームの演奏もある。

● 会場は東京芸術劇場とミューザ川崎。わが家からはけっして近いとは言い難いんだけど,チケットが発売された夏場に通し券を買っていた。
 1回あたり1,000円のところ,通し券だと750円になる。予想される演奏水準に照らせば,何とも格安。なんだけど,電車賃こみだと5,000円。宇都宮でだったら,プロのオーケストラの演奏が聴けますな。
 うーん,ちょっと微妙。ではあるんだけど,やっぱ,これ,聴きたくなるわけで。

● リニューアル後のミューザ川崎は初めて。いいホールですよね。日本を代表するホールのひとつなんでしょうね。地の利も文句ない。スタッフのホスピタリティも素晴らしい。
 全席指定になっている。ぼくの席は2階。ファーストヴァイオリンのメンバーを正面から見る位置だった。このアングルでオーケストラを見るのも,もちろん初めて。
 開演は午後6時半。

● まず,洗足学園音楽大学。ブルックナーの7番。指揮は秋山和慶さん。端正かつ流麗というんでしょうね。熟練した職人の匠の技。
 4日に宇都宮シンフォニーオーケストラの演奏で4番を聴いたばかりだけど,7番もまた弦のトレモロで始まる。
 何ものかの誕生を予感させる。それは大きな(というか,根源的な)何かだと思えるんだけど,結局それは誕生したのかしなかったのか。そこがわからない。

● けれども,ブルックナーがとてつもない作曲家で,この交響曲がとんでもない質量を備えた大曲であることはよくわかった。今はそれだけで充分だ。
 それすら,CDを何度聴いても,わからなかったんだから。音大生の真摯な演奏を聴いて,そのところだけは理解できた。わざわざ来た甲斐があったというものだ。

● 音大も女子が圧倒的に多い。楽器を始める時点で,ほとんどが女子なんだから,これはもう当然のことなんだけど,こうしてながめてみると,どこかで落ち着きが悪い。演奏がという意味ではなくね。
 男が多けりゃいいってことではぜんぜんないんですけどね。どうも落ち着きが悪い。どういう按配のものでしょうね,これは。

● 次は,桐朋。芸大と並ぶ(あるいは芸大をしのぐ)実力派。ステージにスタンバイしたところで,若きプロ集団といった趣を感じさせた。
 演奏したのは,ストラヴィンスキーの「カルタ遊び」と「春の祭典」。指揮は高関健さん。秋山さんといい高関さんといい,こういう指揮者が登場して,チケットが750円なんだからねぇ。

● いかな桐朋でも「春の祭典」は強敵だったに違いない。予定調和は通用しないし,ストップ&ゴーが過激だし,ちょっとでも手を抜けば印象が散らかってしまう。よくもまぁこんな曲を作った作曲家がいたものだと思うもんね。
 そこをいささかの破綻もなく,ここまで仕上げてくるというのは,本当にすごいと思う。脱帽。ほんと,脱帽。
 奏者のひとりひとりが費やしてきた時間の長さと密度に,思いを致させる。何万時間を費やしてきたんだろう,ってね。

● 妙なことも頭に浮かんだ。それぞれが才能あふれた俊才なわけだけれども,他の学生と比較して,自分はこの程度だなと見きわめがついてしまうことがあるだろう。
 高度な水準に到達しているからこそ,自分の才能の限界が見えてしまう,っていうか。あいつにはかなわないとか,プロに行くのは厳しいなとか。
 子供の頃からそれ一本に賭けてきた若者が,自分の上限を見ざるを得ない気持ちって,どんなものなんだろうなぁ,っていうね,そんなことを思ったんですけどね。
 それとも,そんなに深刻になってもいないのか。まぁ別にいいよ,音楽だけが人生じゃないし,って割り切っているんだろうか。

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