2017年2月28日火曜日

2017.02.26 DreamConcert2017-作新楽音会と楽しむ音の会

栃木県教育会館 大ホール

● すでに何度か聴いている気でいたんだけど,錯覚だった。これが2回目だ。作新高校吹奏楽部の演奏会と混同してしまっていたのかも。
 作新楽音会は作新高校吹奏楽部のOB・OGで構成されている。平均年齢がかなり若いので,それも混同しちゃった理由のひとつ,ってことにしておこう。

● 「作新楽音会と楽しむ音の会」と副題の付いたコンサート。楽しむといったって,下手な演奏じゃ楽しめないぞ,というわけだ。
 ところが,作新吹奏楽部のOB・OGで,しかも卒業後も演奏を続けようというんだから,腕は確かなはず。ここはリスペクトしちゃって大丈夫だろう。要するに,個々のメンバーの技量がかなりの水準にある。

● したがって,ステージから繰り出される演奏の水準もかなりのもの。
 そこに,高校時代に身についたのであろう,これでもかというほどの(観客への)サービス精神が発揮されるんだから,充分以上に楽しい演奏会になる。

● 1部のプログラムは次のとおり。指揮は大貫茜さんと三橋英之さん。
 福丸光詩 祝典行進曲「光へ」
 リード アルメニアンダンス パート1
 高昌帥 吹奏楽のための風景詩「陽が昇るとき」より「Ⅳ.陽光」

● 福丸光詩さんは,東京音大作曲科の学生。作新楽音会のトランペット奏者でもある。作新楽音会の委嘱を受けて作曲。素人の愚察だけれど,行進曲は作曲しやすいんでしょうね。
 あとの2つも吹奏楽ではかなりポピュラー。ここまで奇を衒わないプログラム。

● 奇を衒わないのは2部のポップスステージになっても同様なんだけれど,主力はこちらに注いでいたようだ。演奏する側もこちらの方が楽しいかもねぇ。
 M.ブラウン編 ディズニーランド セレブレーション
 真島俊夫編 MOVE ON
 磯崎敦博編 ジャパニーズ・グラフィティーⅣ(弾厚作作品集)
 真島俊夫編 宝島

● この中で最も印象に残ったのは,「MOVE ON」のフルートソロ。めまぐるしく変化する楽譜を追って,音に変換していく。その様はほとんどアスリートのようだ。
 サックス陣のアンサンブルも聴きどころ。

● 弾厚作とは加山雄三のペンネームらしい。っていうか,この人,本名は池端直亮と申しあげる。俳優や歌手としては加山雄三と名乗り,作曲家としては弾厚作と名乗っている。
 Wikipedia情報によれば,加山さん,波瀾万丈の人生を送っておりますなぁ。2桁の億の借金を背負うも,10年で完済とかね。
 俳優であり,タレントであり,歌手であり,作曲家である。油絵も個展を開けるほどの腕前。料理も達者らしいし,スポーツも野球を除いて堪能。

● 人生はお金を貯めた者が勝ちじゃないものね。お金を使った者の勝ちだ。自分のために使うか,人のために使うか,使い方はそれぞれだけど。
 お金に関していえば,稼がないより稼いだ方がいい。稼ぐ過程も楽しめれば,稼いだお金は捨ててもいいくらいのものだろうよ。
 加山さんは稼ぎまくったはずで,それは彼の才覚と実力による。大変な人だ。

● というようなことはどうでもいいか。「ジャパニーズ・グラフィティーⅣ」はその加山さんのヒットメドレー。年配の日本人なら誰でも知っているけど,若い人たちはどうなんだろう。
 つまり,年寄りの観客へも目配せしているよ,と。観客の中でぼくは最年長だったかもしれないんだけど,まぁ,年輩者もけっこういたと思うんでね。

● 今月5日に栃響の定演を聴いて以来,管弦楽を聴いていない。そろそろ管弦楽への禁断症状が出てくる頃だ。それを吹奏楽で補えるわけはない。
 でも,この演奏会は自分を会場に運んで行って聴いてみる価値がある。吹奏楽,いやもっと広く音楽,っていうのは何のためにあるのかというところに,こちらの思考を誘ってくれる。
 音楽=芸術,ではなくて,それ以前に実用的な価値があった。副作用のない麻薬的な効果があるねぇ。

0 件のコメント:

コメントを投稿