2018年4月30日月曜日

2018.04.29 矢板東高等学校合唱部・吹奏楽部 第15回プロムナードコンサート

矢板市文化会館 大ホール

● 4年連続4回目の拝聴。開演は午後1時半(ただし,プレ演奏あり)。入場無料。

● 構成は例年のとおり。第1部が合唱。第2部が吹奏楽。第3部が両部合同演奏のミュージカル(厳密にいうと,ミュージカルというのはあたらないかも。つまりダンスがない)。
 合唱部と吹奏楽部の合同演奏会となると,この構成は変えようがないのだろう。

● 印象に残ったものをあげていくと,第1部では「友情ソングメドレー」。理由は単純でMCが入るからだ。このストーリーや台詞は誰が考えるんだろうと,毎回思う。どこかにあるのをパクっているのか。それはないだろうからなぁ。
 今回のは一人の男子生徒に二人の女子生徒が鞘当てを演じるというもの。最後のオチ(彼は極度のマザコンだった)が決まった。今どきの男子はこんなものだという共通認識があるんだろうか。笑いのネタにできてる間は大丈夫だろうけどね。
 これを演じた3人(いずれも女子生徒)がなかなか以上に上手かった。ここまでやれれば充分だ。高校生くらいだと,どうしたって女子の方が上手いのかねぇ。テレを消せる。こういうものの大敵はテレだもんね。

● 最後の「花は咲く」はOB・OGも加わっての混声合唱。3月に同じ会場で開催された「百花繚乱春爛漫コンサート」では大田原高校の男声合唱でこれを聴いた。
 東日本大震災というバックにあるものが大きすぎる。妙な言い方になってしまうんだけど,この曲は東日本大震災を力の源泉にしている。だから,力が枯れない。

● 第2部の吹奏楽では附属中学校の「いつも風巡り合う空」(福島弘和)。これも毎回思うことなんだけど,中学生がここまで完成度を高めて舞台にあげられることに驚く。
 彼らが高校生になったときにはどれだけ凄いことになっているんだろう,と思うんですよ。

● この高校の吹奏楽部の演奏水準はかなり高いというのは間違いなくて,そこは誰もが等しく認めるところだと思うんだけど,一方で,こんなものじゃないはずだという思いもあってね。
 つまり,中学生のときの演奏を聴いて,自分の中で想定した“凄いことになっている”はずの水準と,実際に聴いた演奏の水準が一致しない。潜在能力を十全に開発しきっていないように思えてしまう。
 直線的に伸びていけるはずがないことはわかっている。わかっているんだけど,ある種のもどかしさを感じる。

● 部活なんだから諸々の制約がある。第一,高校生の本分は部活ではない。
 勉強しろと言われる。本も読めと言われる。塾や予備校もあるかもしれない。友だちとお喋りしたいし,お茶もしたい。好きな異性がいて,気持ちの9割は彼(彼女)に向かっているかもしれない。家庭に気がかりなことがあるかもしれない。今の高校生は忙しすぎるのだ。
 そういうこともわかるんだけど,限界よりもかなり低いところでストッパーをかけてしまっていないか,と。潜在能力って,いつも汲みあげていないと枯れるよ。不完全燃焼感を残し続けると,そこが限界値になってしまうよ。
 酷にすぎる感想だろうか。

● と,申しあげたんだけども,「こうもり」セレクションは聴きごたえ充分。この演奏に対して,ここはこう直した方がいい,ここではブレスを入れるな,ここは走りすぎているから気持ち抑えろ,といった外野からのリアクションは皆無のはずだ。
 歌わせやすい楽器とそうじゃない楽器があるんだろうけども,各パートとも充分に歌えていたし,いわゆる縦の線も揃っていた。立派なものだ。

● 番外(?)の“ルパン三世”は絶品。ひょっとすると,このときだけストッパーが外れた部員がいたかもしれない。
 良い演奏をするためには「練習8割,本番2割」と言われたりするんだろうか。しないだろうな。今,ぼくが即興で思いついたものだから。
 本番2割が具体的にどういうものかというと,楽しんで演奏しますとかじゃなくて,観客を味方につけろってことなんですけど。“場”を捕まえる,と言ってもいい。
 演奏はステージと客席の合作だというのは,本当にそのとおりだ。もちろん,メインはステージで演奏する側が握っている。客席は基本的には従者にすぎない。その従者を捕まえることができると演奏が良くなる。
 では,どうすればそれができるのか。さぁ,皆さんもご一緒に,なんて声をかけるのはダメだ。SMAP時代の木村拓哉じゃないんだから。
 “ルパン三世”で見せた演奏をいつもすればいいのだ,たぶん。自分をノセることが“場”を掴まえることに通じるのだ,たぶん。

● 第3部のミュージカル。今回は「アナと雪の女王」。吹奏楽部はピットで合唱部は舞台。合唱部が美味しいところを取る。という言い方は良くないんだろうけどね。先生に叱られるね。
 昨年の「アラジン」ではジーニー役の男子生徒が圧倒的なオーラを放っていた。今回はそういうスーパースターは不在。総合力で手堅くまとめていくという戦略。
 セリフのテンポが良く,発音も明瞭。特にアナ役の女子生徒。

● こういう劇で一番美味しいのは男装の麗人,じゃなくて,宝塚の言葉でいえば男役だ。今回の場合だとクリストフとハンス。やりようでいくらでも美味しさを取れる。
 ハンスがじつは悪だったとカミングアウト(?)する場面では,思いっきり憎々しげにやれると良かったかなと思った。ここは抑制を効かせないで,オーバーアクションでいいような。

● 最後は全員でお約束(?)のバブリーダンス。言っとくぞ。これ,賞味期限は半分過ぎてっかんね。
 ただね,去年のジーニー役の男子生徒がバブリーダンスを踊ったらどんなだったか見てみたかった,とチラッと思ったよ。

● さて,と。この演奏会はコンクールではない。その対極にあるものだ。少し以上に場違いな感想を申しあげたかもしれない。が,推敲するのはやめて,このままアップしてしまうことにする。
 しょうもない高校時代を過ごしてしまった自分からすると(高校の3年間は捨てたも同然だと思っている。捨てるには貴重すぎる年代なのだが),このコンサートを開催できただけで,彼ら彼女らの高校生活は充実したものなのだなと思えて,眩しく映る。

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