2014年6月9日月曜日

2014.06.08 ピアノと弦楽の饗宴 那須室内合奏団第6回演奏会

那須野が原ハーモニーホール 大ホール

● 第3回の演奏会を聴いている。2010年の5月。その後,東日本大震災があり,わが家においても,ま,いろいろあって今日に至る。
 わが家だけじゃないだろう,この間は,どちらのご家庭でもさまざまあったに違いない。東日本大震災は,それだけのインパクトのある出来事だった。
 ただし,わが家においては喉元過ぎればになりつつある。幸いにも,というべきなんだろうけど。

● ともあれ,4年ぶりにこの合奏団の演奏を聴きに行った。小さな合奏団にもかかわらず(と言っていいのか),やることは大きい。音楽監督兼コンサートマスターの白井英治さんの顔というか伝手というか,それが効いているんでしょうね。
 昨年は指揮者に小林研一郎さんを招聘しての演奏会だった。今回は山下洋輔さんが登場する。
 昨年は見送ったんだけれども,今回は何が何でも聴いておきたいと思った。山下さんのピアノを生で聴ける機会なんか,これを逃すといつあるかわからないからね。

● 先週,この辺も梅雨入りした。今年の梅雨は今のところしっかりした梅雨で,毎日ちゃんと雨を降らせている。この日も朝から雨。梅雨と台風がなかったら,日本列島は砂漠化するらしいから,ありがたい雨なのだ。
 その雨の中を出かけていった。開演は午後2時。チケットは2,500円(当日券は3,000円)。
 山下さんとの共演は,団員にとっても冒険(?)に違いない。その冒険をしてもらって,その成果を還元してもらうために,この程度の費用負担は厭うところではない。っていうか,安いでしょ,これ。

● まずは合奏団だけでヴォルフ=フェラーリの「弦楽のためのセレナーデ 変ホ長調」。もちろん,初めて聴く曲。CDも持っていないし。
 この合奏団には中学生の男の子や高校生の女の子もいる。中学生や高校生だからといって侮ってはいけないというのは経験済みだ。
 プロ奏者が数名,賛助に入っている。中高生にとってはけっこう以上の刺激になっているのかなぁ。

● 休憩後,山下さんが登場。登場の仕方も軽やかですな。曲はバッハの「ヴァイオリン協奏曲 ホ長調」の第1楽章。ヴァイオリンのところをピアノでやるということなんでしょうね。
 山下さんが何をどうしているのか,ぼくにはぜんぜんわからない。わからないんだけど,目を離すことができない。

● 白井さんの説明によると,山下さんは「何でもジャズにしてしまう」と。こちらはジャズというものがよくわからない。したがって,何でもジャズにしてしまうということがどういうことなのかわからない。何なんでしょ,頭だけで考えすぎてますか。
 山下さんによれば,バッハはそのまま弾いてもモダンジャズになる,ジャズマンの間では常識,ということなんだけど,なんで?
 どんなものでもジャズになるっていうのは,じつはけっこう聞くことの多いフレーズなんだけども,ジャズって間口が広いってことなんだろうか。ロックでもポップスでもあるいはクラシックでも,最初からジャズ的要素を抱え持っているっていうこと?

● 俳句を音にすることもできるという。実際にやってくれたんだけど,これ,すごい。古池や蛙飛び込む水の音,だったか(違うかもしれない)。ピアノで俳句を詠める。
 面白いんですよ。抱腹絶倒とはこういうことだろう。なんじゃ,こりゃあ,っていう。面白いんだけれども,どうして面白いのかが,自分でわからないというもどかしさ。

● 次は「ラプソディー・イン・ブルー」。肘うちもたっぷり見れた。が,山下さんが何を考えて,何をどうしているのかさっぱりわからない。わからないけれども,自然にニヤニヤしている自分を意識することになる。
 さすがに合奏団も山下さんに合わせきることはできなかったようだ。が,完全に合ってしまったのではかえって感興を削ぐかもしれない。合う合わないは二の次でいいような感じ。

● 5月に合わせ練習をして,前日のリハーサル,この日の午前中のゲネプロと,合奏団が山下さんと一緒に演奏する機会は三度あったらしい。でも,あんまりリハーサルをやってしまってはいけないんでしょうね。
 何が起こるかわからない楽しみといったものを残しておきたいもんね。合奏団にしても,山下さんが何をやってくるのかわからない方がスリリングなはずだ。同時に,不安でもあるだろうけど。

● アンコールもたっぷり見せてくれて,充分以上に堪能できた(と自分では思っているんだけど,ガードをあげてせっかくの演奏を遮断していたかもしれない)。
 山下さん,端正な人だ。印象としては端正というのがピッタリくる。最初からそうだったのか,最終的にそこに辿りついたのか,それはわからない。たぶん,後者だとは思うけど。最初から端正な人では,あそこまでの魅力はまとえないと思うのでね。
 72歳。ああいう歳のとり方をできれば素敵だ。もう遅いけど,ぼくは。

● なぜ素敵かといえば,絶対,女性にモテるもん。男なんてアホだから,いくつになっても女性にモテたいと思う。女性にとっては,思春期を除けば,男性にモテるっていうのが価値の第1位にくることはないと思うんですけどね。
 これならモテるよっていうのを教えてもらったような気がしましてね。それは何かっていうのを文字にしようとすると,うまく書けないので,詳細は略。
 が,ざっくりいうと,個性でしょうね。文字どおり,その個にしか存在ない何ものか。その何ものかが突出していること。そうすればたいていモテるでしょ。
 その何ものかって,一生かかって営々と積みあげるというよりは,一瞬で掴み取るものかもしれない。その反射神経を持たなかった者は,選ばれし者じゃなかったってことでしょうね。

● 逆にいえば,口を開けばテレビのコメンテーターがほざいているようなことしか言えず,何をやっても平均点を出ることがないような男は,つまらないがゆえにモテないだろうなぁ。
 うーん,もう遅い。残念だ。

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