2016年5月31日火曜日

2016.05.30 ノースダコタ大学レッドリヴァートリオ&鹿沼高等学校音楽部管弦楽団 Joint Concert

鹿沼市民文化センター 小ホール

● 開演は午後6時半。入場無料。
 なぜ,ノースダコタ大学の名前が鹿沼に登場するのかというと,鹿沼とアメリカ合衆国グランドフォークス市が友好交流都市の協定を結んでいて,ノースダコタ大学はそのグランドフォークス市にあるから,であるらしい。

● だとしても,なぜ「レッドリヴァートリオ」なのかというのはわからない。つまり,交流の方法は色々あるはずで,その中で今回のようなジョイントコンサートはすでに何度か開催されているようなのだ。
 今回は鹿沼高校とのジョイントだけれども,過去には東中学校とやっていたりする。

● どうも鹿沼は音楽少年,音楽少女を多く輩出しているようで,そこが肝になっている。それあればこそ,ノースダコタ大学ともさほどに遜色のないジョイントを組むことができる。
 エルベ音楽院がこの地にあることが大きいのではないかと想像しているのだが,そうではない別の理由があるのかもしれない。

● 「レッドリヴァートリオ」は「ノースダコタ大学音楽部の学生で構成された室内楽グループ」。今回のメンバーは,キース・ティーペン(ピアノ),ヴィニシウス・サンタナ(ヴァイオリン),フェルナンドヴァルガス(チェロ)の男性3人。
 このグループのみで演奏したのは次の3曲。
 ピアソラ ブエノスアイレスの夏
 ラフマニノフ チェロとピアノのためのソナタ 第3楽章
 フランク ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 第1,2楽章

● ラフマニノフなんて,充分以上に優美で繊細。優美はともかく,繊細の元になるのはデリカシーだろう。
 デリカシーというのは男性の属性だと思っている。男性が優美や繊細を表現できないはずがない。というより,男性に向いているはずだ。

● デリカシーとは,畢竟,快不快(で動く)原則に例外を加えることのできる知性あるいは感性のことだろう。快不快で動くのは自然だから,デリカシーはその自然に反するわけだ。
 したがって,本能のままに動く人はデリカシーとは無縁。最近はやりの言葉を使えば,メタ認知がきちんとできることがデリカシーを発揮する基盤になる。
 この分野は,女性よりも男性が得手とするはずだろう。かなりの異論があるかもしれないけれど。

● このあとはシモーナ・バルブさん(チェロ)も加わって,ピアソラの「忘却」「天使の死」。ピアソラというと「リベルタンゴ」しか知らない。CDは持っているんだから,聴けばいいんだけどね。
 この2曲は「リベルタンゴ」とはだいぶ毛並みを異にする曲。ピアソラに関する視界が1センチくらい広がった気がする。

● このあとはさらに杉浦有朗さん(ピアノ)が登場。キース・ティーペン氏と組んで,ラフマニノフの「2台のピアノのための組曲」から「タランテラ」。
 無料の演奏会でこういうのを聴けるとは思っていなかった。CDではこの迫力を伝えられるかどうか。聴く人が聴けばわかるんだろうけど,ぼくの耳だとライヴとCDでは大差が生じてしまうだろう。

● ここから鹿沼高校音楽部管弦楽団が登場。サン・サーンス「動物の謝肉祭」から6曲を。その中に「白鳥」も入っていた。チェロの独奏。そのチェロはシモーナさんだったか。
 さだまさしの「セロ弾きのゴーシュ」を思いだした。「白鳥」が使われているんだよね。この曲が収録されているLP「風見鶏」は,ぼくが買ったほとんど唯一のLPではなかったか。
 ちなみに,今を去ること39年前に発表されたものだ。今,ステージ上にいる高校生たちは影も形もなかった。23歳で彼らを生んでいるとすれば,彼らの親もまだこの世に生まれていない。

● 最後はムソルグスキーの「禿山の一夜」。管弦楽の真価が発揮される。コンマスはヴィニシウス・サンタナ氏が務めたが,その隣の女子生徒がバリバリに巧い。
 鹿沼高校音楽部管弦楽団は毎年,定期演奏会も開催していて,ぼくも2009年の第14回定演は聴いている。のだが,それっきりになっている。あまりピンと来なかったのだと思う。
 が,当時,これだけの演奏を聴いて,それでもピンと来なかったのだとすれば,ぼくの耳はよっぽどどうかしていたね。どうなんだろう,当時よりも水準が上がっているんだろうか。

● 今年の定演は8月7日。この演奏を聴けるのであれば,猛暑の中を鹿沼市民文化センターまで自分を運んでくるだけの価値はある(と思った)。

● 唯一残念だったのは客席の一部。二人の女児を連れた母親がいた。子どもはジッとしていられず,後ろ向きに座ってみたり。
 母親は母親で不審な(?)動きを示す。どうやらこっそりとビデオカメラを回しているらしいのだが,どうせ回すなら堂々とやればいい。こっそりやるとかえって目立つ。
 まぁ,しかし,高校や中学校の催しになると,こういうのは所与の前提となる。さよう心得よ,ということだね。

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