2016年11月14日月曜日

2016.11.13 ハイクラッド コンサート

さくら市ミュージアム エントランスホール

● 開演は午後2時。入場無料。ただし,さくら市ミュージアムの入場券は買わなくてはならない。その入場券が300円。

● ハイクラッド(Hyclad)とは,ギターの伊藤芳輝さんとヴァイオリンのYuiさんのユニット。結成は2012年。
 当日,配られたプログラムノートにProfileが掲載されているのだが,それによれば,Yuiさんは「2010年より,以前から興味のあったフラメンコ音楽に傾倒し」,「フラメンコギタリストの伊藤芳輝と共にジプシークラシックをテーマにDUOユニット『Hyclad』を立ち上げ」とある。

● フラメンコ,ジプシー。お二人の嗜好というか,やりたいこと,あるいは自分はこういう佇まいでありたいという指向性,それを伝えるキーワードなのだろな。
 演奏した曲目は次のとおりだ。
 ファリャ スペイン舞曲第1番
 サティ ジュ・トゥ・ヴ
 ピアソラ オブリヴィオン(忘却) リベルタンゴ
 ラフマニノフ メロディー
 ビゼー 「カルメン」より4曲
 モンティー チャルダッシュ
 ブラームス ハンガリー舞曲第5番

● ピアソラはジプシーとはあまり関係ないと思う。のだけれど,ジプシー音楽と親和性が高い。どういうわけだろうね。アルゼンチンのタンゴとヨーロッパのクラシック音楽を融合したといえば聞こえはいいけれど,どちらにも定住できなかったところから来る何ものかが,ジプシーの民と通底するんだろうか。
 ぼくは「リベルタンゴ」は演歌じゃないかと思うことがあった。辛い渡世だねぇ,人間って悲しいねぇ,っていう訴えを感じてしまうものだから。
 まぁ,演歌っていうのはちょっと違うよね。でも,漂白の民で,どこにいても自分はよそ者と感じつつ生きるのがジプシーだとすれば(これって,たぶん,浅薄すぎる理解でしょうけど),演歌=ジプシー=ピアソラ,というメチャクチャな等式を強引に成立させてしまうこともできるのじゃないか(できないか)。

さくら市ミュージアムの入場券
● お二人の喋り(MCというのか)も面白かった。伊藤さんはどこからでもジャブを繰りだせる人のようだ。あえて繰りださないで相手の出方を待つところもあって,そのあたりは当意即妙という言葉そのもの。
 Yuiさんも,頭の回転が速い人のようで,伊藤さんのジャブを軽く受けてひょいと返す。
 もっとも,お二人はずいぶん活発にライヴ活動を重ねている。演奏のみならず,喋りについてもキャッチボールの体験は充分すぎるほどにあるのだろう。

● 絵的にも様になる。美男美女といってよいでしょうね。しかも,一癖ある美男美女。
 文学的美男美女と言っておこうか。いよいよ,どういう意味なのかわからなくなってくるけどね。

● さて,演奏だけれども,これを無料で聴いていいのか,とまず思った。さくら市はだいぶ太っ腹だ。どういう交渉をしたのだ? ハイクラッドの二人が折れたのかもしれないけどさ。
 ギターはジワーッと染みてくる。ヴァイオリンは自在に動く。地に潜り,空を飛ぶ。ぼくは最前列で聴けたんだけど,ずーっとゾクゾクしていた。

● 二人はサービス業に徹している感があった。芸術ってこういうものだよと高みから教えを垂れるのではなく,ステージ=教師,客席=生徒,という関係を作るのではなく,音楽というサービスをお客さんに届けることに一意専心。
 お客の質が高ければ高いなりに,そうでないならそうでないなりに,ともかくお客を楽しませること。
 自分たちはそれで食べているんだという覚悟のようなものを感じた。

● もちろん,それを支える技術がなければ,覚悟は覚悟だけで終わるだろう。が,この二人はプロなんでした。もの作りができる人たちなんでした。

● ところで。このコンサートを知ったのは,JR氏家駅に置かれていたチラシでだった。じつに幸運だった。電車に乗ることがなければ,知らずに過ぎたろうからね。
 たぶん,さくら市のホームページにも告知はあったんだろうけど,ぼくには見つけることができなんだ。

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