2020年12月19日土曜日

2020.12.13 Ensemble AMENIMO 弦楽六重奏コンサート

すみだトリフォニーホール 小ホール

● 室内楽を精力的に聴いていきたい,と以前から思ってはいるんだけれども,そうそう思うようにはならないのが世の習い。しかし,キャッチできた情報はできるだけ活かそうと思っておりますよ。
 で,今日は Ensemble AMENIMO の弦楽六重奏を聴くために,厳寒の栃木からJRに乗って,錦糸町にやってきた。


● 開演は午後2時。入場無料。ただし,事前申込制なのはコロナ禍のお約束。
 ここのところ,東京では感染者数が日を追うごとに増えている。それを嫌気してのことかと推測するのだが,申し込んではいたけれども来るのを急遽取りやめた人も多かったかもしれない。

● 奏者はヴァイオリンの1人が女性であとの5人は男性。珍しいブループもあるものだなと思ったのだが,どうやら Ensemble AMENIMO はいつもあるわけではなくて,時々できるものらしい。
 つまり,「Quartetto Argonauta」と「弦楽四重奏団ジオカローレ」という2つのグループがあって,それぞれの有志(?)が一緒になって,Ensemble AMENIMO に変身するらしいのだ。


● 「Quartetto Argonauta」は,メンバー全員が横浜国立大学管弦楽団出身で横浜を中心に活動している。“Argonauta” とはイタリア語で「航海者,冒険家」を意味するらしい。
 「弦楽四重奏団ジオカローレ」は2007年6月に結成。“GIOCALORE” はイタリア語の GIOVINEZZA(青春,新鮮)と CALORE(情熱)を組み合わせて命名。
 ということなのだが,いずれのメンバーも音大に行こうと思えば行けた人たちでしょう(中には音大出身者がいるのかもしれないが)。


● 花の20代(といっても,女性の20代は迷いの10年間でもあるらしいのだが)は過ぎているかもしれないけれど,まだまだお若い人たちだ。
 仕事とこうした演奏活動を両立させているのだろう。中には家庭の切り盛りも同時にしている人がいるのかもしれない。そういう人生をやれているのは羨ましい。本人たちにすれば色々と不足感はあるのだろうが(それが全くない人生なんて想定できない),スカスカの人生を生きてしまったぼくのような者からすると,基礎水準がずいぶん高いところにあるように思われる。


● 曲目は次の2つ。
 ブラームス 弦楽六重奏曲第1番
 チャイコフスキー 弦楽六重奏曲「フィレンツェの思い出」


● この2曲は弦楽六重奏を代表する曲でもあるらしい。ブラームスとチャイコフスキーでは色合いがまるで違うわけだが,内側の中心からたくさんの線で結ばれた構造物が外側に対して示す,ピンと張り詰めたような緊張感は,共通している。
 問題は,こちらがその緊張感をきちんと受けとめることができたかどうか。われながら,どうにも心もとない。CDでも聴いているのだが,作曲家がこれで何をしたかったのかがモヤモヤっとしちゃってるっていうか。そもそもが,聴けていないのだと思うのだが。


● 弦楽四重奏曲や今回の弦楽六重奏曲,あるいはピアノ三重奏曲とか,そういった室内楽曲を聴くにあたっては,聴き方の文法というようなものがあるんだろうか。
 依然として室内楽曲に対する苦手意識が抜けない。けっこう量は聴くように努めているつもりなんだけど,霧の中にいる感じだね,ずっと。

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