2020年12月31日木曜日

2020.12.23 劇団四季「コーラスライン」

栃木県総合文化センター メインホール

● 開演は18時30分。座席は指定。S席9,900円,A席8,800円,B席5,500円,C席3,300円の4種。
 ぼくが取ったのは安いB席。実質的な4階席のほぼ中央。自分にはこれで充分かなと思った。プログラムは別売で1,500円。
 半数使用の制限を外して,ほぼすべての席を使っていた。この通常のやり方でお客を入れるのは,改修工事終了後(今年の4月)では初めてだったのではないか。


● 劇団四季の公演に接するのは今回が初めて。「コーラスライン」を観るのも,映画を含めて,今回が初めて。
 ので,そもそも「コーラスライン」とは何ものなのかがわからない。そういうときにはウィキペディア教授に訊くに限る。
 ちなみに,教授は財政に弱点を抱えておられるようなので,毎年,わずか1,000円だけれども,教授に寄付を続けている。だからさ,ちゃんと教えてちょうだいよ。

● 1975年に初演されたブロードウェイ・ミュージカル。原案・振付・演出がマイケル・ベネット,音楽はマーヴィン・ハムリッシュ。
 ここでさっそく疑問。振付と演出の違いは何ですか? バレエの世界では演出のことを振付と呼んでいるらしいのだが,ミュージカルでは振付と演出は別のことを指しているんだろうか。

● まぁ,いいや。初演から1990年の千秋楽まで6137公演という,当時としては最長のロングラン公演記録をたてたんですね(その後,「CATS」に抜かれた)。2006年10月からリバイバルされ,2008年8月にクローズ。
 日本では劇団四季によって1979年9月に初演。以来断続的に上演されていて,劇団四季の重要なレパートリーの1つになっている,ということですか。演出は浅利慶太が担当したのね。


● コーラスラインというのは,ダンサーたちが足を上下させると,その動きがきれいに揃って,あたかも1本の線が動いていいるように見える。その線のことを指す言葉なのだと思っていた。
 そうじゃなくて,「稽古で舞台上に引かれるラインのこと」なんですなぁ。「コーラス,つまり役名のないキャストたちが,ダンス等でこれより前に出ないようにと引かれる」もので,「メインキャストとコーラスを隔てる象徴ともなっている」というわけなのだった。


● 次なる疑問は,ステージで展開される歌と台詞は生音なのか,それとも録音なのかという問題。
 あれだけ激しく踊ったあとに,よどみなく歌い,よどみなく喋るのは,いくら何でも無理だろうと,とりあえず思う。ゆえに,あれは録音であろう。
 特に,ポールが自分がなぜダンサーになろうと思ったかを独白する場面。あれだけの長広舌を,しかも絶妙の間を置きながら,話さなければならないのだ。台詞を憶えるだけでも大変だし,噛まないで話し続けられれば,それはもう僥倖というものだ。あれを生でやるのは無理だろう。
 映画やドラマならば,NGを出してもTake2やTake3があるけれど,舞台でそれはないのだ。やはり,あれは録音であろう。

● 4階席から見てるとね,そうとしか見えないんだよね。が,歌で声が上ずることがあったし,音程が届かないこともあった。ステージで話し手が動くと,それに応じて声の発生点も動いていた。
 すると,あれは生なのか。だとしたら,劇団四季,凄すぎないか。


● よく,オペラが総合芸術だと言われるが,オペラを支えるのは歌唱だ。ストーリーの飛躍を歌が埋めていって,その歌が客席を説得できるかどうかで,後味のおそらく8割が決まる。演出の影響力など知れたものだ。
 オペラの歌にあたるものが,ミュージカルではダンスなのだと思われた。ダンスの切れ。群舞ならばわずかのズレもなく揃っていること。走りすぎるお調子者がいないこと。
 ミュージカルの出来を決める第1要因はダンスでしょう。歌や台詞は極論すれば脇役にすぎない。

● で,そのダンスに魅せられた。ディズニーランドの「ワンマンズ・ドリームⅡ」(今はなくなっているらしいが)より上手いダンスを初めて観た。いいダンスって,カタルシス効果が大きいんだな,って。
 妙な言い方になってしまうけれども,ディズニーランドのダンスは本当にレベルが高かったのだなと,今更ながらに思わされもした。

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