2025年2月2日日曜日

2025.02.02 タンゴ ランデヴー

鹿沼市民情報センター マルチメディアホール

● 北関東の田んぼの村にも雪が降っている。春の淡雪という感じ。道路には(歩道にも)雪はない。交通への影響は皆無と思う。
 が,ともかく雪が降っている。そういう中を鹿沼に向かう。

● 鹿沼市民情報センターで「タンゴ ランデヴー」と銘打った演奏会があって,それを聴くため。1日と2日の2日公演で,ぼくが聴いたのは2日の方。
 1日のはチケット完売で買えなかった。情報センターと同じ敷地にあるシカノクラで開催されたんだけども,大谷石造りのこの蔵は収容人員が少ないのでね。どんな響きになるのか,ちょっと興味がありますけどね。

● 開演は14時。チケットは取置き依頼。当日,代金引換えで受取るというやつね。

● アルゼンチン出身のアレハンドロ・ドラゴ氏の弾きぶりで,地元の若きメンバーで構成する In Tempo のメンバーが演奏する。
 アルゼンチン版ニューイヤー・コンサートのような感じ。違うのは、会場がウィーン楽友協会の大ホールほどデコラティブではないことくらいだ。

● きらびやかでもある。ヴァイオリンを棹の方でこすってカエルが潰れたような音を出す遊びもある。遊びというか,土着を引き継いでいるんでしょうかね。
 ぼくも含めて,聴衆はこうした演奏をバッハやベートーヴェンを聴くのと同じように神妙に聴いてるわけだけれども,本当はもっとリラックスして緩く聴くのがいいのかもしれない。でも,まぁ,ホールで聴くんだから,そうなるのは仕方がないんだけど。

● アルゼンチンの作曲家というと,ピアソラしか知らないんだけど,タンゴってわりと哀愁を帯びた旋律が多いじゃないですか。ラテン系でもノーテンキ一辺倒で人生やってけるはずもないから,これはわかるっちゃわかる。
 が,それでも不幸や不運を笑いとばしてしまえるノーテンキさ(意思の力ではなく)を持てれば,これ即ち人生の達人でしょ。ケ・セラ・セラを徹底できたら強いし,楽になれそうじゃないですか。

● ぼくの席の近くにハッとさせるような美人がいてね。そちらに気を取られて,演奏を聴くことに集中できなかった。
 こんなところに鄙にも稀な美人がいるんだねぇ。ひとりで来てるようだったよ。タンゴが好きなんでしょうかねぇ。いや,驚きましたよ。

2025年1月6日月曜日

2025.01.06 間奏:東海大付属高輪台高校吹奏楽部の定演を聴けなかった件

● 用もないのにミューザを覗いてみた。ら。東海大付属高輪台高校吹奏楽部の定演が,今日と明日,ミューザで開催される。これは聴きたい。
 昨年だったか,宇都宮でこの高校の演奏を聴く機会があった。感嘆どころではない驚きだった。

● 今日が12:45,明日が17:45の開演。当日券があるなら,今からでも間に合う。
 が,これからツレと食事をすることになっている。最も近しい関係にある相手であっても,今からのドタキャンは人としてやってはいけない。先決優先は絶対原則と昭和原人は思っている。

● 明日は別の演奏会のチケットを買っている。こちらも先決優先原則を適用する他はない。昭和原人は不器用なのだ。
 というわけで,後ろ髪を引かれつつ諦めた(当日券があったかどうかわからないが → なかったようだ。事前に完売していたようだ)。

● 2日制なのは聴衆が多いからだろう。吹奏楽をやっている他校の生徒もかなり来るのじゃあるまいか。
 驚きなのは同じ曲目を2日やるのではなくて,全くの別内容であることだ。どうすればそんなことができるのか。プロなのか,君たちは。

● ところで。女子生徒のこの髪のまとめ方は,髪形まで制服の一部ということかい?
 夕方,川崎駅に向かうこの髪形の女子高生を何人も見かけたのだが,君たちだったのか。

2024年12月3日火曜日

2024.12.01 第15回音楽大学オーケストラ・フェスティバル 東邦音楽大学・洗足学園音楽大学

すみだトリフォニーホール 大ホール

● 音大フェス,3日目(最終日)。
 東邦はモーツァルトの41番。端整かつ清新な「ジュピター」だった。指揮は大友直人さん。

● モーツァルトから離れてしまってはいけないんじゃないか,と思った。生では意外に演奏されないからね,モーツァルトって。尚のことですよ。
 クラシック音楽はモーツァルトに始まってモーツァルトに終わる,かどうかはわからない。「モーツァルト」のところにバッハを代入してもブラームスを代入しても,ことごとく成立しちゃうから。

● オオトリは洗足。ベートーヴェンの「第九」。仕組んだわけではないんだろうけど,絵に描いたような大団円ね。この音大フェスで第九が演奏されるのは2018年の武蔵野以来。
 洗足の学生をもってしても第九は難関のようだなと思って聴いてたんだけど,終わってみればとてつもない演奏になっていた。山場のひとつである歓喜のテーマの盛りあがりもだけども,合唱団がレベル高すぎ。いかに音大でもここまでとは。

● 指揮は秋山和慶さん。存在自体が凄い。80歳を3つ過ぎておられるのか。スッと立って長大な第九を事もなげに指揮する。日本で最もダンディな83歳だろう。
 秋山さんの指揮とあっては,合唱団もソリストも途中から入場というわけには参らない。第1楽章が始まる前にスタンバイ。

● 第1楽章はビッグバンの音楽的表現だと勝手に思っている。宇宙創生の音楽。昔は,第1楽章を聴けば第九を聴いたことになる,と思ってましたよ。
 第九はやっぱり途方もない曲だな。

● これに比べたら,マーラーがやったことなど児戯に類する。と,余計なことを言って,ヤな顔をされたこと,数知れず。マーラーって,知が勝ちすぎてません?
 才能は欠落だと思っていてさ。これがなかったら死ぬか狂うかしかないっていう人が,「これ」をやらないとダメなんだよね。マーラーは指揮や作曲じゃない他の仕事でもスマートにやって行けた人なんじゃないかな,と思えるんですよ。欠落がない。

● ま,それは余計なこと。この第九でフェスの環は閉じた。今年もこのフェスに皆勤。
 齢をとってできた暇をこういうことに使えるとは,どこにおわしますかは知らねども,神に感謝したくなりますよ。
 というわけで,今年が終わった。

2024年11月30日土曜日

2024.11.30 第15回音楽大学オーケストラ・フェスティバル 武蔵野音楽大学・東京音楽大学・国立音楽大学

ミューザ川崎 シンフォニーホール

● ミューザで音大フェスの2日目。まず,武蔵野のサン=サーンス「オルガン付き」。指揮は現田茂夫さん。
 迫力充分。サン=サーンスが躍動する。

● そりゃあね,細かいミスがないわけではない。けど,いいんですよ,そんなものは。
 若い人たちの全力投球は必ず何かを生む。と感じるのは,自分が年寄りだからかもしれないのだが。
 この曲だからオーボエが最も目立つ。女子学生が見事に演じきった。

● 東京はプロコフィエフの5番。指揮は広上淳一さん。
 悠揚迫らざる初動からプロコフィエフが紡ぎ出すいくつもの物語あるいは情景を,きっちりと音に変えていく。緻密でありながら縮こまっていないのは,実力があればこそ。

● 来月4日定期演奏会でも演るのだけれとも,こうした演奏をまとめて聴けるのが音大フェスのフェスたる所以でしょ。
 関西でも「関西の音楽大学オーケストラ・フェスティバル」があるらしい。大阪音楽大学,大阪教育大学,大阪芸術大学,京都市立芸術大学,神戸女学院大学,相愛大学,同志社女子大学,武庫川女子大学の8大学が参加する。
 が,これは,これら8大学の合同チームによる1回だけの演奏会のようなんだよね。

● 国立はレスピーギの「ローマの噴水」と「ローマの松」。指揮は高関健さん。
 こちらは明日の定演で同じ曲を演奏する。おそらく,今日の方が観客は多いはず。予行演習という感じは皆無。

● 噴水より松の方が耳に馴染みがある分,ちゃんと聴けたと思うんだけども,その “ちゃんと” がどの程度なのかはわれながら疑問。
 こういう演奏を続けて3本というのは,ありがたい一方で,聴き手にも相当な重量がある。今回は芸劇が使えないので,3日で全日程を終えるというスケジュールになったのだと思うが。
 しかし,こちらも気合いを入れていかんとね。

● ぼくの隣の男性氏がブラボー屋だった。ブラボーと叫ぶのは,若くて元気のいい人なのかと思っていたんだけども,普段は冴えない,ひょっとすると仕事も普通にできてるのかと疑わしいような,中年のオッサンが多かったりするんだろうかね。
 案外,そうかもしれないな。女性には相手にされないよえなタイプの,くたびれた感じの中年男が多いのかもしれないよ。

2024年11月23日土曜日

2024.11.23 第15回音楽大学オーケストラ・フェスティバル 昭和音楽大学・東京藝術大学・桐朋学園大学

ミューザ川崎 シンフォニーホール

● 音大フェスの1日目。昭和,藝大,桐朋。15時開演。
 昭和はバルトーク「管弦楽のための協奏曲」。指揮は時任康文さん。この曲はこのフェスでもしばしば取りあげられる。
 藝大はベートーヴェン「レオノーレ2番」と三善晃「焉歌・波摘み」。指揮は下野竜也さん。これは逆に音大フェス初登場。音大フェス以外でも,生で聴くのは,ぼくは初めてだ。

● 桐朋はシュトラウスの交響詩「ドン・キホーテ」。指揮は沼尻竜典さん。
 このフェスで強烈に印象に残っている演奏が2つある。1つは2013年のストラヴィンスキー「春の祭典」。もう1つは2018年のホルスト「惑星」。
 いずれも桐朋が演奏したものだ。今回の「ドン・キホーテ」も然りだろう。ただし,聴く人が聴けば,ということになる。

● 3つとも,とてつもないものを聴いているというのはわかる。が,聴けたかどうかはわからない。
 情報量(という言葉を安易に使ってしまうのだが)はプロオケの演奏よりずっと多いと思える。届くものが違う。それをちゃんと受領できてるかどうか。われながら心許ない。

● まぁ,しかし。これを聴かないですますというのはあり得ないと思っている。指揮者も錚々たる人たちが勢揃いする。
 ハロウィンとクリスマスの間の最大イベントですよ。ハロウィンもクリスマスもなくていいんだけれども,これがないのは困る。

● 首都圏まで聴きに行くのは減らして,地元に沈潜しようと画策してるんだけど(数年前から画策してるんだけども上手く行かない),これは別ね。千里の道も遠しとしないで出かけていきますよ(千里も離れてないんだけどさ)。
 今回も通し券を買っている。来年3月には選抜チームの演奏会もあるので,開演前にそのチケットも買いましたよ。

2024年7月14日日曜日

2024.07.14 間奏:音大フェスとフェスタサマーミューザ

● 川崎に来た。ミューザの隣のホテルに投宿。チェックイン後,まず行ったのはそのミューザ。
 今年も音大フェスがある。昨日がチケット販売の開始日。通し券を購入した。
 今回は3日間の強行日程。芸劇ではなくすみだトリフォニーを使うのは,芸劇は設備更新工事のため,今年の9月末から来年の7月まで休館するから。

● チケットも値上がっているが,インフレのご時世,致し方がない。それでも通し券の3,600円は激安だと思う。
 この大きな催事も,催行するにはいくつもの障害やハードルがあって,外から見えるほど簡単ではないはずだ。どうか続いてもらいたい。

● フェスタサマーミューザを初めて聴いたのは2021年。コロナ禍中の開催だった。よく踏み切ったな。
 通し券を買って,オケ演奏は全部聴いた。こんな贅沢を自分に許していいのかと,罪悪感のようなものも感じてました。

● 翌2022年も開催したが,このときはネット配信で視聴した。ジャズが面白かったね。チック・コリアってこういう人だったのかと勉強させてもらいましたよ。
 「スペイン〜六重奏とオーケストラのための」を演奏しているときの東京シティフィルの団員の楽しそうな表情も印象的でした。

● ネット配信はずっと続くのかと思いきや,コロナが収束した昨年(2023年)は実施されなかつた。ホールに行くか,あの途方もない贅沢をまた自分に許可するか。結局,見送った。
 今年もネット配信はない。コロナ禍の緊急避難的な措置にしてしまうのはもったいない気もするんだが,致し方がない。

● ぼくは聴けないけれども,聴ける人は聴いた方がいいに決まってる。これも格安と言っていいと思う。川崎市の財政負担があるのだろう。チケット料金だけで賄えるはずがない。
 首都圏に住んでる人は遠慮なく公の財政負担の恩恵を享受すべし。都市に住むことのメリットのひとつがそれではないか。

2023年6月27日火曜日

2023.06.17 Nishi Graduate Orchestra 第8回演奏会

なかのZERO 大ホール

● 中野駅から なかのZERO があるもみじ山文化センターまでの路は,原宿の竹下通りなのかと言いたくなるほどに混んでいる。竹下通りと違うのは,歩いているのが爺さんと婆さんであることだ。
 もちろん,若い人もいるんだけれども,歩行者の平均年齢はだいぶ高い。ぼくも平均年齢を引き上げている一人だけどね。東京でこうなんだから,日本ってほんとに年寄りの国になったよね。

● というようなことを感じながら,会場に到着。Nishi Graduate Orchestra は「都立西高等学校卒業生によるオーケストラ」ということだが,この楽団の演奏を聴くのは,今回が初めて。
 都立西高というと,日比谷高校などと並ぶ名門(偏差値が高い)というザックリとした印象しかないが,ウィキペディアによると「校則のない自由な私服校であり,学問を探究するアカデミックな校風である」。この解説は卒業生が書いているんだろうね。

● 開演は午後2時。チケットは1,000円。当日券で入場した。
 曲目は次のとおり。ニ長調の曲を並べた。
 ベートーヴェン 交響曲第2番
 チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲
 指揮は寺岡清高さん。こういう人を指揮者に迎えるほどなのだから,かなりの腕前なのだろうなと思ったのだが,寺岡さんも西高の卒業生であるらしい。

● ともあれ。ベートーヴェンの2番。かなりな上手が揃っている印象。
 高校で管弦楽部に属し,大学でもオケ活動に明け暮れたとしても,卒業して社会人になってしまえば,使える時間は減るだろう。卒業時の腕前を維持するのは相当以上に難しいのではないかと思うのだが,そういう理屈はあてはまらない人たちなんですかねぇ。それとも,維持するだけなら簡単だよ,ってことなんですか。

● 2番になるとはっきりとベートーヴェンが立ち現れている。他の誰でもないベートーヴェンが,奏者に過重な負荷を強いることなど歯牙にもかけないベートーヴェンが,そこにいる。
 そのベートーヴェン像がくっきりと見えるような,そういう演奏だった。という雑駁な印象を記して,次に行こう。

● チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。ソリストは金子芽以さん。
 彼女はなんと西高の現役生。同時に桐朋のソリスト・ディプロマコースの1年生(特待生)。2年前に全日本学生音楽コンクールの高校の部全国大会で第1位。

● それだけならまぁまぁ,さほどには驚かない(音大の付属校ではなく,普通の高校に通っている生徒が1位を取るのはきわめてレアなケースだろうな,とは思う)。いや,とんでもないことには違いないんだけど。
 それだけではなくて,サントリー芸術財団から JEAN-BAPTISTE VUILLAUME を貸与されているという。ここがね,破格ですよねぇ。

● ステージ上の彼女はすでにして完成された一個の淑女。後ろの方の席に座ったので,遠目にはということね。近くで見れば,そりゃ高校生のあどけなさも残しているに違いないけれども,ステージでは神聖にして犯すべからずの淑女感を発している。
 他方で,終演後の退場のタイミングを測りかねているような初々しさも発揮したものだから,客席は彼女にKOされまくりだった。

● 若い頃の華々しい活躍がそのままその後を保証するとは限らない厳しい世界ではあるのだろうけれども,そうはいっても,数年後にはしばしば彼女の名前を目にすることになるのだろう。
 次々に新しい才能が登場してくる。その才能がわかりやすい形で披露されるから,この世界は百花繚乱の趣に染まる。