2019年3月22日金曜日

2019.03.21 石橋高等学校吹奏楽部 第14回定期演奏会

小山市立文化センター 大ホール

● 昨年は宇都宮で開催したので,初めてこの学校の吹奏楽を聴く機会を得た。で,「県内高校の吹奏楽といえば,まず作新があり,宇都宮北がある。あと,“それ以外”の全部で3つがあると思っていた」のが軽い間違いであることに気づかされた。
 というわけで,今回は二度目。二度目となると,なかなか難しい。もうだいたい知ってる(つもりになっている)わけだからね。驚きが少なくなる。

● 今年も宇都宮でっていうわけにはいかなかったと思う。県の総合文化センターが使えなくて,宇都宮市文化会館に集中してるだろうからね。なかなか押さえるのも難しいだろう。
 ということがあったのかどうかは知らないが,とにかく小山で開催。その小山にやってきた。

● 小山まで行くのは何となく億劫。昔はそうでもなかった。用もないのにわざわざ行って,駅周辺をウロウロするのが嫌いじゃなかった。
 加齢現象かね。まだまだ加齢に負けるわけにはいかないんだけどねぇ。
 通過するのは全然OKなんだけどね。東京に出るときには必ず通過するんで。その東京にはけっこう頻繁に出かけている。

● 開演は午後3時。3部構成で曲目は次のとおり。
 P.リーマンス 行進曲「ベルギー落下傘部隊」
 C.フランク パニス・アンジェリス 荘厳ミサ曲より
 林 大地 「あんたがさどこさ」の主題による幻想曲
 岡田康汰 行進曲「道標(みちしるべ)の先に」
 スッペ 「美しきガラティア」序曲

 遠藤正樹 ポリペタルⅤ 5人のフルート奏者と3人の打楽器奏者のために
 A.メンケン アラジン
 miwa 結(合唱)
 平成のヒットチャートより

 B.アップルモント ブリュッセル・レクイエム
 J.パディーラ エル レリカリオ
 和泉宏隆(真島俊夫編曲) オーメンズ・オブ・ラブ

小山市立文化センター
● 大変な力量。練習の跡もわかりやすく見える。
 印象に残ったのは,スッペ「美しきガラティア」序曲。印象に残ったのは,ぼくが管弦楽を中心に聴いているからだろうとも思うのだが,それを割り引いても,ブレスの使い方が上手いというか,揃っているというか。一方で,レガート。これで印象に残らないはずがない。
 カラヤンの「ロッシーニ&スッペ序曲集」は手元にある。CDで聴き直してみようと思った。

● 面白かったのは第2部の平成ヒットチャート。9曲を用意して,その中から3曲を客席に選ばせるという趣向。それぞれにアトラクションが付く。
 ということは,演奏しなかった6曲にも同じものを用意していたのだろう。何という膨大で無駄な努力。それをできるのが,若さの凄味ってやつか。

● 「アラジン」はドリル。吹奏楽にドリルがあるのは吹奏楽の出自の然らしめるところで,このドリルが楽しみという人もいるに違いない。奏者の中にもいるかもしれない。
 反射神経や運動神経,器用さが求められるよねぇ。旗の回し方ひとつ取ってもねぇ。楽器だけやってりゃいいという話じゃなくなる。

● 今回は,楽器を置いて歌まで歌っている。楽器をやっているんだから,楽譜を見て勘所はわかるんだと思うんだけど,表現手段が声なんだから,なかなか思うに任せないところがあるに違いない。
 歌は歌詞があるので,歌詞に対する好みも出てしまう。多くの人に膾炙するには歌詞に大衆性がなければならないが,ぼく一個は,絆とか結とかっていうのが大嫌いというヘソ曲がり。
 だから(昔の言葉だが)歌謡曲を聴かないというわけではない。好きな曲はたくさんあるんだけどね。

● 「ブリュッセル・レクイエム」は3年前に起きてしまったブリュッセルでのテロ事件の犠牲者を悼むために作られたらしい。プログラム冊子の“曲紹介”によると,最後は「未来への希望」で締めくくられているらしい。
 が,それをどう聴くかは,聴く側に裁量の余地があるものだろう。聴く側の想像力に依存する部分がある。
 で,ぼくはどうも作曲者が籠めた意味のとおりに聴くことはできなかった。というか,よくわからなかった。演奏に問題があったわけではないと思うので,ひとえにぼくの未熟であります。

● ややセンチメンタルが勝ちすぎている演出もあったかに思えたけれども,そう見えたのは,老人の僻目であるかもしれぬ。それ以前に,高校生のセンチメンタルは悪いものではない。
 が,楽屋は裏にあってこその楽屋であって,それを表に晒すのは基本的にはいいことではないとも思った。

0 件のコメント:

コメントを投稿