すみだトリフォニーホール 大ホール
● 開演は午後2時。チケットは2,500円。当日券を買って入場。
ザ・シンフォニカの名声はかねてから聞いている。実際に聴いたこともあると思い込んでいたんだけど,じつは今回が初めてなのだった。
曲目はワーグナー(マゼール編)「言葉のない指環」。楽劇「ニーベルングの指環」を管弦楽のみで演奏できるように,マゼールが編んだ抜粋版であるらしい。指揮はキンボー・イシイ氏。
● 演奏時間は70分。「ニーベルングの指環」を70分に圧縮するんだから,抜粋の範疇を超えているかもしれない。
不思議なテイスト。最初から軽い酩酊感に襲われた。次に睡魔。昨夜はたっぷり寝ているので,眠くなるはずがない。脳が酩酊感から逃れようとした結果かもね。
● 「ニーベルングの指環」を生で観る(聴く)機会が一度でもあるかどうか。たぶん,ないだろう。
CDも持っているが,オペラだけはCDで聴く気になれないでいる。意味がわからないとどうにもならないからで,CDに付いている訳詞冊子を見ながら聴いても,付いてけるかどうか覚束ない。
スカパーの“CLASSICA JAPAN”ではたぶん全曲を放送することがあると思うんだけども,そのためだけにスカパーに加入するのは面白くない。というより,スカパーって残れるのかどうかも疑問だ。
YouTubeにもかなりの数の映像が上がっているが,さすがに全曲というのはまだないだろう。
● となると,DVDで観るのが現実的な選択ということになる。6年前の5月に一度,DVDで全部を見た。
「ラインの黄金」「ワルキューレ」「ジークフリート」「神々のたそがれ」を毎晩ひとつずつ観ていこうと思ったんだけど,とてもとても。かなりの日数をかけてしまった。
ストーリーといい,場面の広がりといい,登場人物の多さといい,途方もなく大きな物語で,ぼくにはストーリーに付いていくだけで精一杯だった。いや,ストーリーをたしかに追えたかどうかさえ疑わしい。4つのそれぞれが普通のオペラより長かったりするんだもんね。
なるほど,これを舞台にかけるのは生半なことではないとすぐに了解した。
● これほどの壮大さをワーグナーはひとりで作ったわけだ。物語の起伏も脚本も舞台設定も,もちろん音楽も。狂気と呼びたいほどの入れ込みようだ。
で,情けないことに,DVDで観るのももう諦めていたというか。
● でも,今回の演奏を聴いて(ときどき,睡魔に負けてしまったのだが),リベンジの気持ちが兆してきた。せめてDVDは聴き直そうよ。
が,その壮大さを映すにはパソコンの画面では小さすぎるかもしれない。映画館なみのスクリーンが必要かも。
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