2009年8月31日月曜日

2009.08.09 鹿沼高等学校音楽部管弦楽団第14回定期演奏会

鹿沼市民文化センター 大ホール

● 鹿沼高校の定期演奏会に行ってきました。8月9日(日)の13時開場,13時30分開演。入場料は無料。

● 演しものは次の3本。
  ハチャトゥリアン 組曲「仮面舞踏会」
  新見徳英 管弦楽組曲「森は踊る」
  ドヴォルザーク 交響曲第8番

● ハチャトゥリアンも新見徳英もぼくは全然知らなかった。「仮面舞踏会」については,浅田真央がを自身の演技に採用して知られるようになったとプログラムに紹介されていた。こっちは浅田真央にもあまり興味がないからねぇ。

● 過去に演奏した曲目もプログラムに載っているんだけど,あまりポピュラーではないとんがった曲を採用しているようだ。高校生らしいというか(ぼくがあまりに曲を知らないために,とんがった曲と思ってしまうだけかもしれないけどね)。
 ドヴォルザークの第9番は6月に宇大管弦楽団の演奏で聴いた。感銘を受けたものだから,そのあとCDで何度か聴いた。第8番(ドボ8というんだそうだ)は今日初めて聴く。
 と書いたところで気がついた。5月に宇都宮シンフォニー・オーケストラの演奏で聴いていました。

● 文化センター大ホールの座席は3分の2が埋まったろうか。多くは生徒の保護者とか親戚,学校関係者だと思うんだけど,単独で来ていた若者もいた。
 じつは,ぼくのように鹿沼高校はおろか鹿沼市とも何のゆかりもない人間が行くと,お邪魔してすみません的な居心地の悪さを味わうことになるかもしれないとちょっと不安だったんだけれども,そのようなことは微塵もなく,普通に楽しむことができた。
 ぼくの隣のオバサン(ぼくよりは若いが)は演奏中は寝ていたくせに,拍手は人一倍熱心にしていた。ありだよな。

● 「森は踊る」の演奏は(少なくとも高校生の演奏では)日本で初めてだったらしい。新見氏本人が演奏の指導もし,この日も本人が指揮をした。生徒にとっては緊張の中にも晴れがましい体験だったろうねぇ。
 演奏前に氏の肉声を聞くことができた(インタビューがあって)。東大工学部を卒業してから芸大作曲学科に進んだ。東大も工学も惜しげもなく捨てたんだろう。かっこいいねぇ。

● 「森は踊る」はややこしい曲で,よく演奏するなぁと感心した。ドボルザークもしかり。総じて高校生は可愛らしかった。一生懸命さが伝わってきた。
 高校に入ってから初めて楽器に触ったという生徒も相当数いるに違いない。それでもここまで音を作って合わせてくる。勉強の合間にここまでできれば立派なものだと思った。高校生,恐るべし。

● もちろん,難点を指摘することはできる。たとえば演奏に固さがあった。野球にたとえれば球をあてに行っている感じ。バットを思いきりよく振りきっていないから,音にキレが出ない。ミスを怖れてのことだと推測するが,あてに行く態度がかえってミスを呼びこむ。実際,ぼくの耳でもそれとわかるミスがあった。
 しかし,そういうことはあっても,オーケストラとしてちゃんと成立していたし,あの大曲をともかく演奏しきれるんだから。

● 生徒たちは大きな達成感を味わったことだろう。自分の高校時代に照らしてみると,彼らの高校生活はとても充実したものに映る。羨ましい。
 彼らの中にプロの演奏家になる人はたぶんいないと思う。そういう意味では将来に直接つながるものではない。が,そういう形でつながるかどうかなんてどうでもいいことだ。将来のための現在ではない。今ここをどれだけ充足した場にできるかだ。

● その日の夜,ドヴォルザークの第8番をCDで聴いてみた。プロのオーケストラの演奏をCDで聴くよりも,高校生の演奏をライブで聴く方がずっと体に染みてくるんだなぁ。オーケストラをライブで聴くってのはとても贅沢なことなんだと,あらためて知ることになった。
 今回の演奏を聴くためのコストは往復の電車賃だけ。それで贅沢な2時間を過ごせる。そういう環境にいることを有難いと思う。ずっと以前から同じ環境にいたのに,こちらの準備が整っていなかったために,その贅沢を享受しないできてしまった。もったいないことをしてきたなぁ。

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