2012年8月19日日曜日

2012.08.18 合奏団ZERO第9回定期演奏会

三鷹市芸術文化センター風のホール

● この日ももうひとつ。三鷹まで移動して,合奏団ZEROの定期演奏会を聴いた。開演は午後6時。入場無料。

● 曲目はメンデルスゾーンの序曲「フィンガルの洞窟」と交響曲第4番「イタリア」。それとベートーヴェンのこれも4番。交響曲が2つ続く重量級の選曲。
 合奏団というくらいだから弦は充分な陣容を備えているんだけど,ラッパはホルンとトランペットが2人ずつ。

● 演奏が始まった瞬間に雑念がスーッと消えていって,ステージが紡ぎだす音の流れだけが脳内に存在する状態になった。演奏を聴くことだけに集中できている状態ですね。
 これを密かにコンサート禅と名づけているんだけど(っていうか,今思いついたんだけど),この禅定状態に入れるのは,そうしょっちゅうあることではない。こちら側の体調如何もあるけれども,そこはそれ,演奏側の水準に依拠するところが大きい。

● 「イタリア」もズンズンと説得力を持って迫ってくる。弦のうねりが心地いい。木管に破綻がない。いや,破綻がないというレベルではない。
 どうせ,上手をエキストラで引っぱってきたんだろうなと思ったんですよ。ところが,あとでプログラムで確認したら,木管・金管はほとんどが団員なのだね。
 なんだこりゃと思いましたよ。いったい何者なのだ,あんたたち。好きでやってる素人ですってんじゃないよねぇ。

● ベートーヴェンの4番も,まぁ何と言えばいいのか,見事にベートーヴェンだったとでもいうか。非常に微細に見ればいくつかのミスはあったのかもしれないけれど,聴きごたえ充分。
 この反応がぼくに限ったことではないことは,終演後の客席を見れば明らかだった。

● この楽団は,若干の例外を捨象して言えば,オッサン連中と若き乙女たちで構成されている。この辺もミステリアス。
 それからね。受付の対応も素人離れしていたっていいますかね,高級ホテルのフロントにいるような錯覚を覚えた。
 重ねて問う。いったい何者なのだ,あんたたち。

● 指揮は松岡究さん。オペラの指揮で実績を重ねてきた人なんですね。彼の指揮ぶりも見所のひとつと,偉そうに言っておきましょうか。

● 入場は無料なんだけど,カンパを募っていた。有り金全部置いてくるわけにもいかず,些少な額に過ぎなかったけれども,カンパ箱に入れてきた。
 こちらとしては有料チケット制にしてくれた方がありがたいんだけども,そこは諸々の事情を勘案して,楽団が決めればよいことだからね。

● ぼくの隣には,中学生の男の子が座った。ひとりで来ていた。吹奏楽部で楽器をいじっているんだろうか。だとしたら,勉強熱心で偉いぞ。ひとりで来たってのはさらに偉い。群れる必要なんかないぞ。友だちなんてたくさんは要らないものだぞ。その調子で頑張れ,少年。
 でも,あれだね。中学生の少年がこうした行動をとれるのも,東京なればこそかもしれないね。東京の強みってあるよなぁ,やっぱり。

● この日,この楽団の演奏を聴いたのは,あくまでタマタマだった。「Freude」なんぞを参考にして,いくつもある演奏会から偶然,選んだに過ぎない。
 けれども,ラッキーな偶然でしたね。自分の中の「お気に入り」に追加したのは言うまでもない。次回は来年の2月3日か。何とか都合をつけたいものだ。

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