2019年5月22日水曜日

2019.05.19 真岡市民交響楽団 第59回定期演奏会

真岡市民会館 大ホール

● 開演は午後2時。当日券(500円)で入場。1階右翼席に座った。
 曲目は次のとおり。指揮は新井義輝さん。佐藤和男さん以外の指揮でこの楽団の演奏を聴くのは,今回が初めて。
 リスト 交響詩「レ・プレリュード」
 グリーグ ノルウェー舞曲
 ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」

● リストの「レ・プレリュード」を聴きながら,ひょっとすると自分は演奏を聴くことではなくて,演奏を見るのが好きなのかもしれない,と思った。
 ライヴ演奏にはわりと足繁く出かけている。が,そうではないとき,音楽を聴いている時間はあまり多くない。出勤中にNHK-FMから流れてくる「クラシックカフェ」を聴きながら運転するのは平日のお約束だけれども,それ以外となると週平均で2時間もあるかどうか。

● 人が作る光景の中で,ステージに整列したオーケストラほど見栄えのするものはそんなにないと思っている。配置が作る静的な景色もそうだけれど,奏者の所作が作る動的な光景も見ものだ。
 弦奏者の腕の動きや首の傾げ方,上半身が前後に揺れる様。ティンパニ奏者がサッとヘッドを払って残響を消す仕草。フルート奏者が出番の2秒前に自分の口に近づけて待つ様子。オーケストラは美しい。

● とはいえ,演奏に触れないわけにはいかない。ドヴォルザークの9番は大変な熱演。攻める,攻める。躊躇がないのは,聴いていて気持ちがいい。かなりの快感。
 歯切れのいいから,「新世界より」の構造がくっきりと浮かびあがる。このあたりはこちらの思い入れが作る錯覚かもしれないのだが。

● この曲は管が主役で,弦は半歩引いている感がある(これからして錯覚かもしれない)。木管の健闘が印象的。特に,オーボエの2人。あ,それから,ティンパニも。
 トレーナーが奏者に加わっているとはいえ,あるいは弦に賛助がかなり多いとはいえ,これだけの演奏をするオーケストラが,言っちゃなんだけどこんな小都市にあるということの不思議。

● 客席の入りは7割程度だったか。これだけ埋まるという,これも不思議っちゃ不思議。機会が少ないからというのもひょっとするとあるかもしれないのだが。
 これ,真岡に限った話ではない。自分のことを棚にあげて言うのだけども,どうしてクラシック音楽の演奏会にこれだけの人が集まるんだろうか。少し理解に苦しむところがある。
 しかも,最近の傾向として男性(年配者だが)が増えているように思われる。音楽にしても歌舞伎の観劇にしても,もっぱら女性のものという見方には,修正が必要かもしれない。

● アンコールはドヴォルザーク「ユーモレスク」。この曲をオーケストラの演奏で聴く機会はそんなに多くはないと思う。

● というわけで,かなり濃い2時間が終わった。聴く側がこれだけの濃さを味わうのだから,演奏する側の濃さというのはいかほどのものだろうか。
 わりと淡々としたものなのかね。そのあたりはぼくには想像の及ばない領域だ。

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