2020年11月30日月曜日

2020.11.28 第11回音楽大学オーケストラ・フェスティバル 武蔵野音楽大学・桐朋学園大学

ミューザ川崎 シンフォニーホール

ミューザ川崎
● コンサートホールとしては日本一(だとぼくは思っているのだが)のミューザ川崎にやってきた。1階のクリスマスツリーがだいぶ小さくなったんじゃないか? いや,別にいいんだけどさ。
 音大フェスの2日目。今日は武蔵野音大と桐朋学園。


● 全席指定だが,コロナ配慮で座席の半分しか指定していない。そのうえで,座席は完売しており,当日券の販売はなかった。
 が,実際には空席がそれなりにあった。ここ数日,コロナ感染者が急増したのを受けて,外出を見合わせた人が多かったのかと思う。


● コロナに対してどう対応するかは,人それぞれ。自分なりの対応をなさればよいのだと思うが,三密を避け,盛りあがっている集団に近づかず,手指の消毒を億劫がらず,無症状でも陽性かもしれないから人に染さないためにマスクを付け(マスクに防御効果はまったくないわけだよね),外ではとにかく喋らないようにする。
 そうしたうえで感染拡大局面であっても外出する。逆に,落ち着いたからといって,それらを緩めてしまうのは危険極まりない。外部状況がどうなろうと,そのことによって自分の行動を制約されたくない。


● 世の中にはコロナを飯の種にしている人がいて,そうした人たちがまたぞろ,GoToを停止しろとか,東京や札幌,大阪には行くなとか,東京の人はこっちに来るなとか,喧しいことになっているのか。ぼくはテレビを一切見なくなったので,ワイドショー被害は受けずにすんでいるけど。
 これまでの経験でわかっているのは,電車はどうやら安全らしいということ。それゆえ,この状況であっても電車での移動にためらいを覚えることはない。昨日から東京に泊まって,地下鉄であっちに行ったりこっちに行ったりしている。


● ただ,電車の中で喋っている人がいるとイヤだなと思ってしまう。マスクを付けていないのはまったく構わないのだが,マスクを付けていても喋られるとイヤだな,と。
 この状況では,口は最も危険かつ最も汚い排泄器官だ。だから女性の複数連れには距離を置くのだが,70代の爺さんたちもけっこうペラペラ喋っているんだよね。
 コロナの最も厄介なところはここだ。人間の根源的な欲求である Face-to-Face のコミュニケーションや雑談に対して,かなり強力な抑制因子になっているところだ。人間が群生動物であることを,あらためて教えてくれたわけだ。
 言っちゃ何だが,ぼくはそのコミュニケーション欲が微弱なのでまったくといっていいくらいダメージは受けていないんだけど,ストレスを感じている人がけっこうな数いるのではないか。

● 脱線が過ぎた。本題に戻る。武蔵野音大はブラームスの2番。指揮は貴公子が服を着て棒を振っているように見える北原幸男さん。
 正統というか王道というか,正々堂々のこの曲を,武蔵野音大の若きヴィルトゥオーソ(の卵)たちが奇を衒わない堂々の演奏で形にする。
 12月2日にも東京芸術劇場でこの曲を演奏するらしい。平日ゆえ,聴衆も大学関係者がメインになるのかもしれない。おそらく,客席がより客席らしくなるのは今日の方だと思う。


● 今回のぼくの席は,ほとんどP席といってもいいくらいのところ。音の聴こえ方がいつもとは違う。
 見えないところからも聴こえてくる。打楽器や金管の一部がそうなのだが,それが自分の真下から聴こえてくるふうなんですよ。妙な感じがする。
 要は慣れなんだろうけれども,こういう場所に客席があるホール自体がそうそうないから,なかなか慣れることはできそうにない。


● 次は桐朋学園。2曲,演奏。指揮は高関健さん。
 コープランド バレエ組曲「アパラチアの春」
 ベートーヴェン 交響曲第5番 ハ短調


● 「アパラチアの春」は小管弦楽用に書かれた。が,今回聴いたのは,コープランド自身がオーケストラ用組曲に編曲したもの。今では「アパラチアの春」といえばオーケストラ版を指すのだろう。ぼくの手元にあるCDも同じ。
 が,問題は,こうして生演奏を聴く機会でもないとCDも聴かないことだ。逆に言うと,こうした機会があると1回はCDも聴くことになる。それっきりで終わることもあれば,ずっと聴くことになる場合もある(ない?)。


● ベートーヴェンの5番は“勁さ” を彫刻したこの世の至宝。人類がこの曲を持てたのはほとんど奇跡だと思えるほどだ。
 途中から泣きそうになった。何というカタルシス。どうしようもない,ここまでの演奏をされては。第1楽章のオーボエ,第3楽章のチェロ,第4楽章のトランペット。
 ほとんどプロ級の演奏で,正直,ぼくの耳ではこの桐朋の演奏とN響の演奏を目隠しで聴いたら,区別はできない自信がある。


● この演奏でベートーヴェンの5番をもう一度聴けるとして,いくらまでなら出せるだろうかと下世話なことを考えた。とりあえず,5,000円までは出すなという結論に至りましたよ。
 で,1月12日の定期は1,500円だ(曲目は違うが)。当然行くでしょというわけで,e+(イープラス)のサイトでチケットを買おうとしてるんだけども,パスワードが違うらしくて買えない。困ったものだ。


● この音大フェス,4回にわたって8団体の演奏がある。当然,指揮者も8人登場する。
 その8人のうち,じつに7人が桐朋で学んでいる。正直,桐朋はちょっと別格という感じがする。 

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