宇都宮市文化会館大ホール
● 3月は13日(土)から。17時から宇都宮市文化会館で「青少年の自立を支える会コンサート」というのがあった。自立援助ホーム「星の家」を運営しているNPOが主催するコンサートで,今年で13回目になる。
出演者はボランティア,無料で出ているそうだ。チケットは千円。会場使用料を差し引いた額が,NPOの活動に使われるのだろう。チャリティーコンサートである。
● ぼくがこのコンサートに行ったのは,出演者の中にAKIRA氏がいたからだ。彼の『アジアに落ちて』を読んで以来,ぼくの中では気になる人のひとりなのだ。
AKIRA氏は「星の家」に入居している子供たちと同じような境遇で育ったらしい。若いときに奨学金を得て,アメリカに渡った。世界を放浪して,その一部が『アジアに落ちて』にまとめられている。音楽(作詞作曲,ボーカル)のほかに絵画や彫刻,小説など,いろんな分野で作品を作り続けている。マルチアーティストってことになりますか。
しかし,CDがミリオンセラーになるわけでなし,ベストセラー作家になるほど小説が売れるわけでなし,生活は楽ではない。そのあたりはホームページで面白おかしく書いている。日光の産で,現在も日光市在住。
● コンサートは2部構成になっていて,第1部がそのAKIRA氏のライブ。渡辺真理さん(宇都宮出身。海星女子学院を卒業してすぐにピアノで食べる道に進んだようだ。何度もAKIRA氏と一緒にライブをやっているらしい)がピアノで伴奏を務めた。
初めてAKIRA氏の謦咳に接したわけだけど,フォークシンガーってことになるんでしょうね。
声が特にいいとも思えず,歌が抜きんでて上手いわけでもなかった。これではメジャーにはなり得ないし,そんなことは本人もよくわかっているだろう。自分の行く方向はそんなところじゃない,と。
● 第2部は倉沢大樹(エレクトーン・ピアノ),島田絵里(フルート),浅香薫子(ソプラノ)によるセッション。ジブリメドレー,映画音楽(卒業,ひまわり,など),ジャズ,ポップス(さだまさしの曲をいくつか。倉沢氏がさだのファンであるらしい)など。
この3人には共通点があって,3人とも宇都宮出身で,宇短大附属高校・宇短大で音楽を専攻していること。
まとめ役は最も若い倉沢氏。エレクトーンの国際コンクールでの優勝経験がある。長野五輪の表彰式の音楽はすべて若き倉沢氏が差配したそうだ。
しかし,最も印象に残ったのは島田さんのフルート。ずっと聴いていたいと思わせる確かな技術とホスピタリティー。ステージ映えする細身の身体もポイントが高い。見映えは大事だ。普段はジャズを演奏することが多いそうだ。
● 要するに,クラシックの演奏会ではなかった。観客もクラシックの演奏会とは様相が違っていた。演奏が始まってからケータイが鳴ったのみならず,そのまま話をしていた人がいたくらいだ。乳児の泣き声も何度も聞こえてきたが,「3歳未満のお子さまは入場をご遠慮ください」という規制はそもそもなかった。
じっとおとなしく聴いているのではなくて,手拍子を打ったり,一緒に口ずさんだりと,自ら参加せねばならぬ機会も多かった。で,そうなると自分はまったくダメなのだった。ここは女子供の方がしなやかに対応しますね。中年を過ぎた男どもは体を固くしていたに違いない。
● 座席の埋まり具合は5割程度だったか。チケットは千円だから(これで千円ならばだいぶお得だと思う),2千人の座席が満席になってくれれば,百万円の収入像になる。ぼくは島田さんのフルートを聴くために,来年もまた来るけれど。
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