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2019年10月16日水曜日

2019.10.13 マロニエ交響楽団 第5回定期演奏会

那須野が原ハーモニーホール 大ホール

● 昨夜から今日の未明にかけて,関東や東北は大変な目にあった。台風19号が猛威をふるった。
 にもかかわらず,今日予定していた演奏会を,何と予定どおり催行する楽団がある。台風上陸の前に催行を決めていたわけだ。「13日(日)は台風一過の晴れ予定のため,予定通り決行致します」ってね。

● 良くいえば蛮勇に満ちている。普通にいえば思慮がない。短くいえばバカである。
 それはそうだろう。今回の台風は大雨特別警報が出たほどのとんでもない台風だったのだ。とんでもない台風であることは事前にわかっていたはずなのだ。
 13日は晴れたところで,ホールが浸水被害を受けて使えなくなる可能性だってあったはずだ。川が氾濫して道路や鉄道が寸断され,お客さんが来れなくなっていたかもしれない。
 なのに,13日は晴れているはずだからやるというのだ。何も考えていないのだ。思考過程に変数を組み込むことを知らないのだ。

● こういうものは事後に言語で説明できないといけない。かくかくしかじか,こういうふうに考えて,催行を決定しました,と。結果オーライだからいいというものではないのだ。
 説明できるほどに考えていないことは明らかだ。こういう者に大事な決定は任せられないよね。

● が,結果はオーライだったのだ。電車で出かけたのだけれども,宇都宮~黒磯間はほぼ定時運転を維持していた(烏山線は運休)。
 氏家を過ぎて荒川を渡り,片岡を過ぎて内川を渡り,矢板を過ぎて箒川を渡る。水嵩は少し引いているのだろうけれども,怒濤の流れだ。荒川に架かる鉄橋はソロソロと渡った。それでも定時運転を維持。
 西那須野駅からホールまでの道路もまったく問題なし。このあたりは無傷で残ったらしい。

● ぼくはといえば,12日は台風対応のため,朝から24時間の勤務についた。こういうときでも2時間程度の仮眠はできるものなのだが(といって,寝るための設備はないので,デスクに突っ伏して寝ることになる),今回ばかりはそんな時間もなかった。次々に情報が入るからだ。
 で,今朝は10時前に帰宅して,そのまま布団に入って寝た。目が醒めたら正午だった。

● 今から出れば間に合うというわけで,ハーモニーホールにやって来たのだ。やはりバカの範疇に入るかなぁと思わぬでもない。
 催行してくれたから,昼間に寝る時間を2時間に抑えることができた。寝てるだけの1日と演奏会を聴きに行けた1日では,当然にして後者の方が彩りが鮮やかだ。それもこれも,主催者の考えなしの開催断行のおかげであるな。
 マロニエ交響楽団の定演は2年に1回なので,中止にはしたくないだろう。そこはよくわかる(つもり)。

● 開演は午後2時。当日券(1,000円)で入場。曲目は次のとおり。指揮は柴田真郁さん。
 ガーシュウィン ラプソディ・イン・ブルー
 チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番
 ドヴォルザーク 交響曲第7番

● が,今回,プレコンサートがあった。ガーシュウィンの「3つのプレリュード」。サクソフォン,バンジョー,パーカッション,ピアノの4人。ピアノは今回のソリストである黒岩航紀さんだったのだが,他の3人はこの楽団のメンバーなのだろうと思って聴いた。
 が,どうも違うっぽい。サックスなんか,ちょっと巧すぎる。何者なのかね,この人たちは。

● さて,本番。「ラプソディ・イン・ブルー」は何と言えばいいんだろうかなぁ。これだっていう。これが聴きたかったんだっていう。
 アメリカのホールでアメリカ人の演奏を聴いているような気分になったというか(ガーシュウィンはユダヤ系ロシア人で,長じてからアメリカに移住したのだったと思うが)。もちろん,アメリカで「ラプソディ・イン・ブルー」を聴いたことなどないわけだけどね(っていうか,アメリカ本土に行ったことがない)。

● 黒岩さんは存分に暴れて指揮者を慌てさせることもできなくはなかったろうけど,そういう行儀の悪さはなし。
 でも,行儀の悪さも見たかったよね。柴田さんは慌てながらも対応するだろうから,その対応ぶりも見てみたかった。一番迷惑を被るのは楽員ということになるか。

● チャイコフスキーも黒岩さんのピアノ。これはもう見事なものだとしか,ぼくには言えないんだけれども,問題は管弦楽だ。
 過去に何度か聴いている。化粧品ではないけれど,聴くたびにハリとツヤを感じてはいた。のだが,ここまで巧かったか。

● 黒岩さんのアンコールはラフマニノフ「前奏曲嬰ハ短調」(鐘)。プレコンサートから出ずっぱりで,アンコールまであるとはちょっと驚き。

● さて,このあとはオケだけでドヴォルザークの7番ということになるのだが,水準の高さにいよいよ驚く仕儀となった。
 第3楽章。舞曲の旋律を刻む1st,2ndのヴァイオリン。聴覚を閉じて,視覚だけで見ても,鑑賞に耐えるというかな。動きが美しい。“オーケストラ舞踊”と命名したくなった。
 チャイコフスキーから感じていたのだが,金管の透明度が高い。スラヴの曲を聴くときに,ここはかなり大きなポイントになるでしょ。

● この楽団の骨格は宇都宮大学管弦楽団のOB・OGだと理解している。今回は,栃響その他から相当に強力な助っ人が入っていたようなのだが,それでもこの楽団の演奏の色合いを決めているのは,創立当初からのメンバーのように思われる。それでよいのだろう。その基調は変えないのが正解のように思われる(たぶん)。
 と申しあげたうえで言うのだけれど,今回の演奏に関しては助っ人組の貢献が大きかったかなぁ。

● さて,台風12号の傷跡が生々しく,瘡蓋さえできていないこの日に,演奏会を予定どおり催行するのも蛮勇ならば,聴きに来るお客さんもいかがなものか。
 いかがなものかと思わせる人はそんなにはいないはずだと思いたい。良識を備えた人たちばかりだと思いたい。
 ゆえに,客席はガラガラだろうなと思っていたのだけども,意外にそうでもないのだった。1階席に限れば席の過半は埋まっていた。
 そんなことでいいのか? 君たちには他にやることはないのか? え? ご同輩。
 ちなみに,2年前の第4回もハーモニーホールで開催されたのだが,そのときは台風前夜だった。台風を呼ぶ楽団なのだな。

2017年10月27日金曜日

2017.10.22 マロニエ交響楽団 第4回定期演奏会

那須野が原ハーモニーホール 大ホール

● 正直,行くかどうか少し逡巡。台風21号がこちらを直撃する予報なんですよ。ご訪問の予定は明朝らしいんだけど,すでに雨は降っている。これから雨も風も強くなるんだろう。
 けれども,衆議院議員総選挙の投票はいざしらず,この程度の天気で予定していた演奏会に行かなかったとあっては,わが人生の晩節を汚すことになるでしょうよ。

● というわけで,出かけていった。車は使わず。わが家からハーモニーホールまでは,徒歩-電車-徒歩(ここはバスもあるが)となる。
 実際のところ,往きは大したことはなかった。雨の中を歩くことを楽しめる程度のものだった。

● さて,マロニエ交響楽団。2年に1回,演奏会を開催している。宇都宮大学管弦楽団のOB・OGを母体にして発足したらしい。その後,おそらくそうではないメンバーも加わっているだろう。
 開演は午後2時。チケットは1,000円。当日券を買って入場。

● 曲目は次のとおり。
 ベートーヴェン 交響曲第8番 ヘ長調
 シベリウス ヴァイオリン協奏曲 ニ短調
 ベルリオーズ 幻想交響曲
 最近,重量級のプログラムがあたりまえになった感があるけれども,これはベートーヴェンの8番とベルリオーズ「幻想交響曲」という超重量級。演奏する側はもちろんだけれども,聴く方も疲れそうだね。

● もうひとつ。このプログラムでどうして那須で? 宇都宮でよかったんじゃない?
 ハーモニーホールの響きはたしかにいいんだけど,栃木県総合文化センターや宇都宮市文化会館に比べて突出しているというわけでもないと思うんだが。
 演奏する側にすれば,わずかの違いが大きな違いということだろうか。

● 指揮は曽我大介さん。曽我さんの指揮にも何度か接している。楽章間であまり間をとらず,小気味よく進めていく。
 曽我さんの指揮を仰げるということは,それ相応の実力を備えている楽団だと看做していいんでしょうね。宇都宮大学管弦楽団で相当鍛えているということですか。

● まだ若い楽団ゆえ(いや,それだけではないのかもしれないが)反射神経がいいという印象を受ける。軽々とやっているわけでは決してないだろうけど,飲みこみがいいんじゃないだろうか,各々の奏者が。
 ベートーヴェンの8番では第3楽章の木管の呼吸の良さにそれを感じることができる。

● シベリウスのヴァイオリン協奏曲。ソリストは長原幸太さん。読響のコンサートマスターを務めているんですか。
 このクラスになると,ぼくのような者では彼が生きている世界を想像することすらできない。どんな価値観や人生観で生きているのか,まるでわからない。無理に想像しない方がよろしかろうと思う。

● 協奏曲も管弦楽曲ゆえ,当然といえば当然なのだろうが,主役は独奏楽器ではなくて管弦楽だ。ゆえに,協奏曲を聴くときにソリストが誰なのかはあまり気にしたことがない。
 ただ,この曲は独奏成分が高い。これだけの人を呼べるのもまた,管弦楽に相応の実力があればこそ。

● さて,ここまで聴いたうえで,さらに「幻想交響曲」を聴くことになる。聴く方にも,各人による大小はあるだろうが,聴くことにさけるリソースに限りがある。薄い聴き方にならざるを得ない,と言い訳をしておこう。
 初めて「幻想交響曲」を聴いたときのことを思いだす。10代の後半だったと思う。何がなんだかぜんぜんわからなかった。これ,何で「幻想」なんだと思った。
 ところが,今は高校生が「幻想交響曲」を演奏する側に回っていたりするんですよね。どうにも当時の自分が哀れというか。

● 中学生とおぼしき少女たちもまとまって聴きに来ていた。その年齢でオーケストラの生演奏を聴けるのが羨ましい。ほんと,つくづく羨ましい。
 ぼくが高校生の頃はホールといえば栃木会館しかなかった。生演奏を聴くってことを現実の問題として考えることができなかった。
 かといって,レコードで聴くのもなかなか。高くて買えなかったからね。今は音源はネットにいくらでも落ちているんだもんな。好きなだけタダで聴けるんだもん。
 という,いい時代にぼくも間に合ったので,時代の恩恵を遠慮なく享受したいと思っている。

● 唯一,たぶん天気のせいだろうけど,ホールの響きがいつもと違う気がした。ありていに言うと,響きが悪い,というか弱い。やっぱり空気が重くなるんでしょうね。
 楽器が湿るってこともあったりするんだろうか。

2015年10月13日火曜日

2015.10.11 マロニエ交響楽団第3回定期演奏会

栃木県総合文化センター メインホール

● 2年に一度の定期演奏会。4年前の一度目の演奏会で感じた鮮烈な清新さは,今でも印象に強い。
 演奏される曲目が何であっても聴きに行くつもりでいるけれど,今回はショスタコーヴィチの5番。
 有名な曲のわりに生で聴く機会はさほどない。さほどっていうか,ぼくはこれまで一度も聴いたことがない。

● というわけで,出かけていった。開演は午後1時半。チケットは1,000円。曲目は次のとおり。
 ベートーヴェン 序曲「レオノーレ」第3番
 ドヴォルザーク チェロ協奏曲 ロ短調
 ショスタコーヴィチ 交響曲第5番 ニ短調

● 指揮は曽我大介さん。曽我さんの指揮ぶりも鑑賞の対象であることは言うまでもない。
 大きく躍動的な指揮。身体が柔らかい。指揮台が小さくて落ちないかと思うほどだったんだけど,そこは足裏がすべて憶えているんだろう。
 それぞれのパートに入るタイミングを明確に指示する。奏者にはわかりやすくていいね(と思う)。これじゃどこで入ったらいのか,オケはわからないだろうな,と思わせる指揮者もいないわけじゃないもんな。

● この楽団の一番の特徴は何だろうかと考える。一途さ? 真面目さ? ストイックなところ? 狎れから免れているところ?
 その前提としてやはり技術の問題がある。指揮者のいじりに応えられる技術。指揮者にいろんなオプションを提供できる技術。
 この楽団のメンバーの多くは宇都宮大学管弦楽団のOB・OGで,音大卒ではない(と聞いている)。でもここまでやれますよ,という範例でしょ。
 子どものころから楽器を始めた人もいるだろうし,音大に行こうと思えば行けた人も多いんだろうし,宇都宮大学管弦楽団の優秀な卒業生ではあっても,宇都宮大学を卒業したと言うには若干憚りがあるという人もけっこういるんだろうけど。

● ベートーヴェンのレオノーレ3番。偉そうな言い方を許していただければ,ベートーヴェンの非凡さ,傑出ぶりは,5番や9番を聴かなければわからないというものではない。この短めの曲を聴けば充分だ。
 このあたりは,しかし,生で聴けばこそというところもある。CDだと(ベートーヴェンの序曲は2枚しか持っていないんだけど)ピンと来ないところもある。来る人のほうが多いんだろうとは思うんだけどね。
 さらに言い募れば,ある程度以上の水準の演奏を生で聴けばこそ,というところがある。

● ドヴォルザークのチェロ協奏曲。ソリストは伊藤文嗣さん。言わずと知れた東京交響楽団の首席。
 協奏曲は,でも,いくつかの例外を除いて,ソリストではなく管弦楽で決まると思っている。この曲もそうで,ソリストの聴かせどころは多々あるにしても,底の水準を決めるのは管弦楽だ。で,底の水準こそ重要だ。底が全体を作る。

● とはいえ,伊藤さんのチェロを聴けることなんか滅多にない(ぼくはプロオケの演奏をあまり聴かないので)。お得感がかなりある。
 コンサートの費用をチケット収入だけで賄えるはずもないので,要は,団員の負担でこちらが得をしているということになる。申しわけないような気がする。

● さて,ショスタコーヴィチの5番。ショスタコーヴィチを聴くのに厄介なのは,彼がソヴィエト・ロシア(しかも,スターリンの時代)に生きた作曲家だということだ。
 作曲家の自由な芸術創作vs社会主義の圧迫,という図式。ショスタコーヴィチの場合は,生命の危機と隣り合わせだったと言われる。
 これを自分の中でどう折り合いをつけたらいいのかという脳内作業が発生する。この作業,落とし所がない。

● プログラムノートにも,「当時のスターリン独裁政権への批判を込めて作曲」しているとか,「スターリンの政治思想を強要され,思い通りの作曲活動が出来ない苦悩を感じ取ることが」できるとか,「恐怖で心を毒されながらも踊りを強要されるバレリーナ」のようだとか,ショスタコーヴィチの苦悩に思いをはせる解説が出てくる。
 それがいかほどのものだったのか,想像のしようがない。それ以前に,本当にそうだったのかという思いもある。

● 彼の成果物である音楽を聴きながら,同時に作曲した彼の外部環境から彼の想いを想像して,その想像を音楽にフィードバックしたうえで,音楽を味わわなければならない。大変困る。脳に負荷がかかりすぎる。
 音楽から彼の苦悩を感じとろうとすれば感じなくもない。このあたりにスターリンへの反発が窺われるのかと思いながら聴けば,なるほど窺われなくもない。
 が,別の聴き方もいくらでもできるわけでね。どの聴き方が正解かということもないんだろうし。

● 落ち着きのない曲だなとは思った。初演が「ロシア革命20周年を祝う演奏会」だったから,社会主義を称揚しなければならなかったのだろう。一方で,自分が盛りこみたいのはこれじゃないということだったのか,と想像することはできる。結果,落ち着きを欠くことになったのか,と。
 が,二度三度と聴けば,また違った印象を持つことになるかもしれない。

● 要するに,わからない。わからないものはわからないままにして,自分の中で飼っておくことだと思う。長いスパンでお付き合いすることが大事でしょ。簡単にわかろうとしないほうがいい。

2013年10月15日火曜日

2013.10.13 マロニエ交響楽団第2回定期演奏会

宇都宮市文化会館 大ホール

● マロニエ交響楽団の2年ぶり,2回目の演奏会。2年前の清新な印象はくっきりと残っている。今回はオールロシア。ショスタコーヴィチ「祝典序曲」,ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第3番」,チャイコフスキー「交響曲第4番」。

● 開演は午後2時。チケットは1,000円。当日券を購入。指揮は北原幸男さん,ソリストは広瀬悦子さん。これを1,000円で聴けるというのは,何ともお得。
 なんだけど,客席の半分は空いていた。この時期は地方でも同じような催事が重なるからね。お客さんが割れてしまう。この日は県総合文化センターでもけっこう惹かれるのがあって,ぼくもどちらにしようか迷ったから。
 これが1日でも違うと状況がまるで変わったりもするんだけど,企画の段階でそんな競合状況はわからないもんなぁ。運もありますね。

● 前回のメンバーがほぼ維持されている感じ。メインは宇都宮大学管弦楽団のOB・OGの俊英たち。
 プログラムに載っている代表者あいさつによると,練習期間は6ヶ月。

● これまたプログラムの曲目解説によれば,「祝典序曲」は数日で作曲したものらしい。この時点でスターリンはすでにこの世にいなかった。とすれば,ショスタコーヴィチは命の心配をする必要はなくなっていたろうから,清々しかったというか,明るい日ざしが射しこんできたような気分だったかなぁ。
 危なげのない演奏でスタート。

● ラフマニノフのピアノ協奏曲っていうと,昨年11月に聴いたキエフ国立交響楽団の演奏を思いだしてしまう。あのときのピアノはウラジーミル・ミシュク。演奏したのは第2番だったんだけど,オケとピアノがかみ合わなかった。ザラッとした感じが残ってしまった。
 で,今回の第3番の方がずっといいと感じた。心地いいんですよね。ステージから客席に伝わるものの質量って,技術だけでは決まらない。

● 広瀬さんのピアノから感じたのは,まずパワー。ほんとに女なのかよ,っていうかさ。パワーできっちり主役を張る。
 これだけのビッグネームをソリストに迎えても,当然ながらというか,管弦楽に臆したところはない。自分たちの仕事をした。木管がそれぞれに奮戦健闘。
 あるいは,ソリストに引っぱられたってところもあるのかねぇ。この曲はソリストにとってもオケにとっても相当な難曲なんだろうけど。

● チャイコフスキーの4番。この曲を生で聴くのはこれが4回目になる。曲はまず聴くのがいいと思っている。予備知識を持たないで,まず聴いてみること。曲目解説を読むのはその後でいい。
 けれども,4回目ともなれば,たんに聴くことを繰り返してるのは逆にねぇ。で,プログラムの曲目解説をじっくり読んで,なるほどこういう曲なのか,と。ストーリーとか背景が頭に入ると,それなりの聴き方ができるのかも。
 が,このあたりはよくわからない。正しい聴き方なんてのがあるとも思えないし。曲に自分が寄り添うんじゃなくて,曲を強引に自分に引き寄せて聴く,っていうのもありそうな気がしている。

● 指揮者の北原さん,紳士ぶりが堂に入っている。女性ソリストの送迎とかね。こういうのって簡単にできそうで,なかなかできないものじゃないですか。どっかでギクシャクが出ちゃうっていいますかね。
 そこを見事なエスコート。もっとも,あの体型とあの顔だからこそ,かもしれないんだけどね。

● 次の演奏会はいつになるんだろうか。急ぐことはない。ゆっくり進めばいいと思う。

2011年10月31日月曜日

2011.10.02 マロニエ交響楽団創立記念演奏会

栃木県総合文化センター メインホール

● 2日(日)にマロニエ交響楽団の創立記念演奏会に行ってきた。創立予告のチラシは前から配られていて,「マロニエ交響楽団は,2010年に栃木県宇都宮市で発足したアマチュアオーケストラです。貪欲に音楽を追求するメンバーが集まり,常設されたオーケストラに負けない質の高いアンサンブルを作るために結成されました。練習を通じて個々のさらなる技術向上をめざし,団員一丸となって盛り上げ,演奏者,観客ともに満足できる音楽をお届けすることをお約束します」とあったので,さてどんなものかと出かけていったのだけど。

● 曲目は,チャイコフスキーの荘厳序曲「1812年」とボロディンの交響曲第3番,そしてベートーヴェンの交響曲第5番と,盛りあがれる曲を持ってきた。創立記念だからね。
 指揮者は先の宇大管弦楽団の定期演奏会でも指揮をとった小森康弘さん。チケットは千円。

● 大雑把な言い方で申しわけないけれど,どれも良かった。特に「運命」の第2楽章は官能的ですらあった。ワーンと盛りあがるところを,まったく騒々しくなく,的確に演奏してくれる。
 大人の楽団という感じがした。確かな技術と真摯な姿勢が伝わってきた。しかも,若々しい。

● オーケストラのライブは演奏ぶりを目で見る楽しみもあると思うのだが,その目の楽しみも充分に満足させることができた。
 一生懸命に拍手を続けたし,アンケートにも絶賛の言葉を並べておきましたよ。

● 新しい楽団のデビューコンサートにどれほどのお客さんが来るものかと思っていたのだが,総合文化センターのメインホールの1階席はほぼ埋まっていた。ぼくは当日券で入場したんだけど,これだけの観客がいれば演奏する方も気合いが入るだろうと思う。

● メンバーには栃響の団員もいた。仕掛人の萱森康隆さんは宇大管弦楽団のOBで栃響の団員だそうだ。主に宇大の現役学生や卒業生に声をかけたらしい(下野新聞の記事による)。彼の思いはとりあえず実を結んだと言っていいのでしょうね。
 来年以降も年に1回の演奏会をやってくれるのであれば,ぼくにとっては非常なる楽しみがひとつ増えることになる。

● このマロニエ交響楽団のほかにも,来年は宇大管弦楽団OBのオケも結成されるようだ。ひとりでいくつものオケをかけ持ちすることになるんだろうね。
 個々の奏者はますます忙しくなるんだろうけど,ぼくとすれば聴きにいけるライブが増えることになるわけで,こういう動きは大歓迎だ。