さくら市氏家公民館 ホール
● 開演は午後2時。入場無料。
● 曲目は次のとおり。指揮は村上陽一さん。地元出身でこの楽団の音楽監督。
郷間幹男 虹色の未来へ
バーンズ アパラチアン序曲
久石譲/森田一浩 もののけ姫セレクション
本田拓滉 ある森の一日(クラリネット5重奏)
坂井貴祐 さくらの主題によるラプソディ(金管5重奏)
ピアソラ 「タンゴの歴史」より Ⅲナイトクラブ
シュライナー/ハワード インマー・クライナー
鈴木英史 ディズニー・プリンセス・メドレー
プリマ/宮川成治 シング・シング・シング
● 吹奏楽の原型はおそらく軍隊の軍楽隊,鼓笛隊だろう。聴き手を鼓舞するためのもの。あわよくば,聴き手の神経を麻痺させて,戦場に飛びこませるためのもの。
今の吹奏楽はずいぶん洗練されたというか,そういうものとは別のものになっているが,マーチが多いのはそうした沿革によるものだと,勝手に思っている。
● 軍隊ではなくても,人が人生を生きて行くうえでは,鼓舞されることが必要なのだろう。場合によっては神経を麻痺させてでも,そこに飛びこんでいかなければならないことがある。
“そこ”とは職場であったり,学校であったり,配偶者の実家であったり,様々であろうけれど,会いたくもない人に会わなければならないことがあり,やりたくもないことをやらなければならないことがあるのが,つまり人生というものだ。いやいや,そういうもので満ちているのが人生というものだろう。
● それゆえ,軍隊の軍楽隊に相当するものを,ぼくらは必要とするのだ。鼓舞するものがなければ,生きるのがシンドくなるのだ。
吹奏楽が一定の人気を保って存続しているのも,畢竟,このあたりの事情からではないか。
● ピアソラの“ナイトクラブ”は海老澤栄美さんのクラリネット。ピアノ伴奏は渡部沙織さん。ヴァイオリンでも良し,フルートでも良し,というわけなのだろうが,クラリネットでももちろん良し。
ピアソラといえば「リベルタンゴ」。ピアソラはわりと好きで,1曲残らずというわけではないけれど,かなりの曲を聴いている(つもり)。その中で「リベルタンゴ」は別格だと思える。この曲はクラシックなんだろかとも思うんだけど,そんなことはどうでもいい話で,この曲だけでアルゼンチンが好きになれそうだ。
というわけで,次は「リベルタンゴ」を聴かせていただきたいな,と。
● 「インマー・クライナー」では海老澤さんはソリストの役がら。遊びを仕込んだ曲で,吹奏楽ではこの種の遊びはさほど珍しくないような気がしている。
芸術性(訳のわからない言葉だが)よりもエンタテインメント性を指向しているようだ。少なくとも管弦楽よりは大衆性を獲得できているのは,それが理由のひとつでしょう。
● 昨年もそうだったので覚悟はしていたんだけども,客席に問題が多い。乳幼児を連れてきちゃう母親がいるんだな。しかも,けっこうな数。
指で耳を塞いでいる女の子がいた。小さい子をここまでの音圧に晒すのは拷問に近い。都会の雑踏とはわけが違う。そういうことが気になってしまって,演奏を聴くことに集中できなくなる。
● 親が聴くのを我慢すればいいだけのことだ。我慢できない理由が何かあるのか。知り合いが出演しているという程度のことは,我慢できない理由にはならんぞ。
親同士の交友や旧交を温めるといったことは,別の場所でやったらよろしい。そもそも,旧交など温めても仕方があるまいと思うんだが,女の人にはそうもいかない事情があるんだろうか。
● しかし,そういうことを呑みこんでお釣りが来るほどに,ステージは工夫をこらした楽しいもの。和気藹々としているが,それだけではステージは成り立たないだろう。切磋琢磨といえばきれいな言葉になるが,いろんな軋轢があるだろうことは想像に難くない。
まとめる立場の人は大変だろうけど,それあればこそ,ここまでのステージがあるわけで,どうか倒れない程度に眠れない夜を過ごしてもらいたいものだ。
● ただし,工夫の数々を外してしまって,直球で勝負してもいいような気もした。つまり,演奏がすべてを語るという行き方でもいいんじゃないか。ことさらにエンタテインメント性を演出しなくても,ステージは充分に成立する。
が,ここはそういう行き方を採らないらしい。
● 司会進行にプロのアナウンサー(須賀由美子さん)を起用。起用する以上は活かさなければいけない。活かそうとしなくても,彼女が自ら動いてくれるだろうが。
ときに彼女が演奏を喰うというか,ステージで主役を張る瞬間があった。それはおそらく彼女の本意ではないと思うが,やむを得ない。ときに,女性のルックスは演奏を喰ってしまうのだ。
約2時間のコンサートが終了した直後の満足感は,他のものでは代替できません。この世に音楽というものが存在すること。演奏の才に恵まれた人たちが,時間と費用を惜しまずに技を磨いていること。その鍛錬の成果をぼくたちの前で惜しみなく披露してくれること。そうしたことが重なって,ぼくの2時間が存在します。ありがたい世の中に生きていると痛感します。 主には,ぼくの地元である栃木県で開催される,クラシック音楽コンサートの記録になります。
2018年7月10日火曜日
2016年10月4日火曜日
2016.10.01 エコキャンドルコンサート
瀧澤家住宅 鐵竹堂(さくら市櫻野)
● タイトルからはどんなコンサートなのか推測できない。“さくら市「生涯学習推進月間」オープニングセレモニー”という副題が付いている。さくら市主催の催しものだ。
教育長なんかのあいさつがあって,瀧澤家住宅がいかに価値の高い建築物かの説明があって,そのあとに,さくら市出身の海老澤栄美さんのクラリネットコンサートがある。
● 開会は18時30分。入場無料。少し遅れたので,あいさつは終わっていた。瀧澤家住宅についての説明から聞くことになった。もう少し遅れてもよかったかも。
瀧澤家住宅の鐵竹堂に入るのは,これが2回目になる。氏家には「氏家雛めぐり」という行事があって,その会場のひとつに鐵竹堂がなっていた。今年の2月に行っている。要するに,お大尽様の邸宅だ。
● さて,海老澤栄美さん。彼女のクラリネットを聴くのは,じつは初めてではない。宇都宮クラリネットアンサンブルの演奏会を二度聴いているので。その主宰者が海老澤さんではなかったか。
今回は,ステージも客席もない。同じ部屋でやっているわけだから,奏者との距離が近い。近いところから見ると,ホールから見る印象とはだいぶ違ってくるものだね。
● どんなふうに違うかといえば,ホールのステージに立っているところを見ると,どんな人だってある種の貫禄をまとっている。そういうふうに見える。気圧されるところがある。ステージと客席の構造の然らしめるところかもしれない。
けれども,これだけの距離で眺めると,そういう妙なものが立ち現れてくることがない。等身大というか,栃木で育った人だなというところまで伝わってくる。
● 演奏した曲目は次のとおり。
ホールニューワールド
ちいさい秋見つけた 夕焼け小焼け 花(喜納昌吉)
クラリネットポルカ トロイメライ(シューマン)
青春の輝き(カーペンターズ)
リベルタンゴ(ピアソラ)
秋桜(さだまさし)
タイム・トゥ・セイ・グッバイ
● 鐵竹堂は典型的な日本家屋。木と紙でできた家だ(その木がとんでもなく素晴らしいわけだが)。壁や天井に行った音はすべて通過するか吸収されて,跳ね返ってくることはない。
したがって,届いてくるのは直接音だけになる。これだけ奏者が近いとそれで充分。
● クラリネットも歌うんだってことをあらためて知った。日本の歌曲を聴くと,特にそう思う。「ちいさい秋見つけた」なんか,ほんとに歌っているなって感じなんですよね。
● 「秋桜」も山口百恵が現れたのかと思った。
今の年齢の山口百恵に会いたいとは正直思わないけれども,「秋桜」を歌っていた頃の山口百恵は,何ていうんだろうな,有無を言わさない存在感を漂わせていましたよね。歌は上手いとはいえないし,演技も同様。けれども,それでいて辺りを払うような圧倒的な存在感があった。もちろん,こちらはテレビと映画(「伊豆の踊子」と「潮騒」は見たよ)でしか見たことがないわけだけれども。
その山口百恵,こんなふうに歌っていたなと思いだしましたよ。
● 「リベルタンゴ」は不思議な曲だ。ぼくは日本の演歌を連想する。演歌とは似ても似つかないんだけど,辛い渡世だねぇと語っているようなところが共通しているっていうか。
「リベルタンゴ」が辛い渡世にため息をもらしているわけではないんだけど,ぼくはそういう聴き方をしてしまっている。なので,二度三度と繰り返して聴くのは苦しかったりする。
ピアノ伴奏は渡部沙織さん。リベルタンゴはどちらかといえば,伴奏の方が重要かもしれない。
● アンコールは「情熱大陸」。これも伴奏が重要。アンコールでこれが聴けたのは嬉しかったです。気持ちが高揚する曲だものね。
以上,1時間足らずのミニコンサートだった。
● 海老澤さん,小学4年生で吹奏楽を始めた。
フルートをやりたかった。で,希望どおりフルートになったんだけれども,1年後にクラリネットが足りないからと言われて、いやいやながらクラリネットに移った。ところが,これが大正解。自分に合っていた。もし,フルートのままだったら,途中でやめていたろう。
というような話をされた。よくある話だと思う。予め自分が立てた目標や計画に縛られない方がいいという教訓だ。
● お客さんはお婆ちゃんとお爺ちゃん,小学生,中学生が多かった。その間があまりいない。
つまり,その間の人たちは,この時間帯に家を空けることは難しいのかもしれないね。
● タイトルからはどんなコンサートなのか推測できない。“さくら市「生涯学習推進月間」オープニングセレモニー”という副題が付いている。さくら市主催の催しものだ。
教育長なんかのあいさつがあって,瀧澤家住宅がいかに価値の高い建築物かの説明があって,そのあとに,さくら市出身の海老澤栄美さんのクラリネットコンサートがある。
● 開会は18時30分。入場無料。少し遅れたので,あいさつは終わっていた。瀧澤家住宅についての説明から聞くことになった。もう少し遅れてもよかったかも。
瀧澤家住宅の鐵竹堂に入るのは,これが2回目になる。氏家には「氏家雛めぐり」という行事があって,その会場のひとつに鐵竹堂がなっていた。今年の2月に行っている。要するに,お大尽様の邸宅だ。
● さて,海老澤栄美さん。彼女のクラリネットを聴くのは,じつは初めてではない。宇都宮クラリネットアンサンブルの演奏会を二度聴いているので。その主宰者が海老澤さんではなかったか。
今回は,ステージも客席もない。同じ部屋でやっているわけだから,奏者との距離が近い。近いところから見ると,ホールから見る印象とはだいぶ違ってくるものだね。
● どんなふうに違うかといえば,ホールのステージに立っているところを見ると,どんな人だってある種の貫禄をまとっている。そういうふうに見える。気圧されるところがある。ステージと客席の構造の然らしめるところかもしれない。
けれども,これだけの距離で眺めると,そういう妙なものが立ち現れてくることがない。等身大というか,栃木で育った人だなというところまで伝わってくる。
● 演奏した曲目は次のとおり。
ホールニューワールド
ちいさい秋見つけた 夕焼け小焼け 花(喜納昌吉)
クラリネットポルカ トロイメライ(シューマン)
青春の輝き(カーペンターズ)
リベルタンゴ(ピアソラ)
秋桜(さだまさし)
タイム・トゥ・セイ・グッバイ
● 鐵竹堂は典型的な日本家屋。木と紙でできた家だ(その木がとんでもなく素晴らしいわけだが)。壁や天井に行った音はすべて通過するか吸収されて,跳ね返ってくることはない。
したがって,届いてくるのは直接音だけになる。これだけ奏者が近いとそれで充分。
● クラリネットも歌うんだってことをあらためて知った。日本の歌曲を聴くと,特にそう思う。「ちいさい秋見つけた」なんか,ほんとに歌っているなって感じなんですよね。
● 「秋桜」も山口百恵が現れたのかと思った。
今の年齢の山口百恵に会いたいとは正直思わないけれども,「秋桜」を歌っていた頃の山口百恵は,何ていうんだろうな,有無を言わさない存在感を漂わせていましたよね。歌は上手いとはいえないし,演技も同様。けれども,それでいて辺りを払うような圧倒的な存在感があった。もちろん,こちらはテレビと映画(「伊豆の踊子」と「潮騒」は見たよ)でしか見たことがないわけだけれども。
その山口百恵,こんなふうに歌っていたなと思いだしましたよ。
● 「リベルタンゴ」は不思議な曲だ。ぼくは日本の演歌を連想する。演歌とは似ても似つかないんだけど,辛い渡世だねぇと語っているようなところが共通しているっていうか。
「リベルタンゴ」が辛い渡世にため息をもらしているわけではないんだけど,ぼくはそういう聴き方をしてしまっている。なので,二度三度と繰り返して聴くのは苦しかったりする。
ピアノ伴奏は渡部沙織さん。リベルタンゴはどちらかといえば,伴奏の方が重要かもしれない。
● アンコールは「情熱大陸」。これも伴奏が重要。アンコールでこれが聴けたのは嬉しかったです。気持ちが高揚する曲だものね。
以上,1時間足らずのミニコンサートだった。
● 海老澤さん,小学4年生で吹奏楽を始めた。
フルートをやりたかった。で,希望どおりフルートになったんだけれども,1年後にクラリネットが足りないからと言われて、いやいやながらクラリネットに移った。ところが,これが大正解。自分に合っていた。もし,フルートのままだったら,途中でやめていたろう。
というような話をされた。よくある話だと思う。予め自分が立てた目標や計画に縛られない方がいいという教訓だ。
● お客さんはお婆ちゃんとお爺ちゃん,小学生,中学生が多かった。その間があまりいない。
つまり,その間の人たちは,この時間帯に家を空けることは難しいのかもしれないね。
登録:
投稿 (Atom)

