2011年5月31日火曜日

2011.05.29 宇都宮シンフォニーオーケストラ第10回定期演奏会

宇都宮市文化会館大ホール

● 5月29日(日)は宇都宮シンフォニーオーケストラの定期演奏会を聴きに,文化会館に行ってきた。
 被災地への募金を募っていたので,わずかばかりだけれども募金をしてきた。週8千円のこづかいからなので,ほんとにわずかだったんだけどね。

● 今回の曲目はグリーグの「ピアノ協奏曲 イ短調」とサン・サーンスの「序奏とロンド・カプリチオーソ イ短調」「交響曲第3番 ハ短調 オルガン付き」の3曲。

● まず,グリーグの「ピアノ協奏曲 イ短調」。この曲をライブで聴くのは二度目。昨年12月に宇大管弦楽団の演奏で聴いているのだが,今回の方が印象に残った。っていうか,前に聴いたのはほとんど忘れてしまっているわけだけどね。
 すぐさま引きこまれた。これだけでチケット(千円)の元は取れた気がした。ピアノは鈴木奈津子さん。

● 休憩後,サン・サーンスの2曲。「ロンド・カプリチオーソ」のヴァイオリンは小泉百合香さん。もともとはこのオケのコンサートミストレスを務めていた人で,今はニューフィル千葉に移っている。3曲目の「交響曲第3番」ではコンミスを務めて,故郷に錦を飾った感じ。何はともあれ,慶賀の至りといえる。
 地方のアマオケでもこのレベルの人がいるってのが,すごいと言えばすごい。
 オルガンは石下有美さん。宇短大の音楽科を出て,地元で活動しているらしい。もちろん電子オルガンだったけれども,こちらも楽しめました。

● このオケはベートーヴェンチクルスと銘打った演奏会も開催していて,昨年は芳賀町民ホールで交響曲の1番と3番を演奏した。今年も10月に2番とヴァイオリン協奏曲を演奏するようだ。もちろん,行くつもりだけどね。

2011.05.08 宇都宮ジュニアオーケストラ15周年記念演奏会


宇都宮市文化会館大ホール

● 8日は宇都宮市文化会館で宇都宮ジュニアオーケストラの15周年記念演奏会があった。曲目はワーグナーの「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲,バッハの「2つのヴァイオリンのための協奏曲」,チャイコフスキーの「交響曲第5番」。
 ヴァイオリンのソリストは松本花菜さんと渡邊弘子さん。

● プログラムによれば,小学生から20代の青年までで構成されているとのことだが,今回のステージに小学生はいなかったようだ。中高生がメインで,あとはOB・OGと栃響メンバーが賛助出演。
 演奏はしっかりしたもので,充分に鑑賞に耐えた。ちなみに入場料は無料なのだが,有料にしてもいいのではと思った。
 1階席は7割,2階席は3割程度の入りだった。

● 毎年,定期演奏会を開催しているようだ。迂闊にもぼくはそのことを知らないでいた。そもそも宇都宮ジュニアオーケストラという存在そのものを知らなかった。が,その分,今後の楽しみが増えた。

2011.05.01 くろいそオペラをつくる会第10回記念公演 喜歌劇「メリー・ウィドウ」

栃木県総合文化センター メインホール

● 5月1日。この日,総合文化センターで「くろいそオペラをつくる会」による喜歌劇「メリー・ウィドウ」の公演があった。3月13日公演予定だったのが,この日に延びたものだ。
 総監督は荻野久一氏。高校で音楽の教鞭を執っていた先生。指揮は奥さんの荻野治子さん。
 お客さんはかなり入っていて,メインホールがほぼ満席になった。途中で帰ってしまう人もけっこういたけどね。

● そもそもオペラってのを観るのはこれが初めてだから,ぼくに評価する力はない。その前提での感想。
 第一に日本語をオペラに乗せるのはそもそも無理なんじゃないかってこと。オペラの節回しというか発声法と日本語は馴染まないように思えた。つまり,何を言っているのかわからないのだ。日本語が日本語に聞こえない。はやりイタリア語とかドイツ語でやってもらって,日本語は字幕で伝えるというのがいいようだ(ただ,これはドイツ語なんかでも同じだそうですね。日本語だけの問題ではないようです)。

● 「くろいそオペラをつくる会」は「殺生石物語」とか「巻き狩り」とか,地元の風物を題材にしてオペラに仕立ててきた。そうであれば言語も日本語でしっくりくるのかもしれないけれど,「メリー・ウィドウ」に日本語は無理という印象だ。
 もっとも,そんなことは百も承知であえて日本語でやっているのだろうけどね。

● 舞台の設えはチャチなのは致し方がない。アマチュアが自分たちで経済的な負担を引き受けてやっているのだ。だからこそ2千円という安い料金で観覧できるわけだ。

● 観客を笑わせる台詞を安易に取りこみすぎているという印象を持った。ぼくを含めて,客席はオペラに慣れていない人たちが多いのは間違いない(と思う)。客席もまた素人の集団だ。それゆえ,飽きさせない工夫をしたってことなんだろうと理解はできる。
 ひょっとしたら,本場のオペラも同じようなやり方を採り入れているのかもしれない。オペラは重厚な芸術ではなく,エンタテインメントとして楽しめるものでなければならないものだろう。観客に対して敷居を低くする努力は,そもそもオペラに内在されているものなのかもしれない。
 しかし,だ。あまり多くの際物的要素を入れてしまうと,逆にオペラから離れていく人が出るのではないかと思う。

●  バックの管弦楽は「くろいそオペラをつくる会管弦楽団」が務めたが,奏者のほとんどは栃響のメンバーのようだった。
 ちなみに,7月には「椿姫」の公演があるのだが,オケピットに入るのは栃響だ。年2回の定期演奏会のほかに,9月の特別演奏会,12月の第九,そして「椿姫」とこなすのだから,栃響は相当に生産性の高いアマオケってことになりますねぇ。よくここまでできるものだと思う(→後刻,「椿姫」は地震のため公演中止が決定していることを知った)。