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2021年12月9日木曜日

2021.12.07 第60回立教大学メサイア演奏会

You Tube 配信

● 開演は18時。会場は東京芸術劇場のコンサートホール。といっても,ホールまで足を運んだわけではなく,自宅で聴いた。つまり,You Tube を使ってのネット配信だったので。
 急遽,無観客にしてネット配信に変えたのではなく,最初からネット配信の予定だった。予定どおりネットで配信したということ。

● ヘンデルの「メサイア」全曲を生で聴いたのは1回しかない。2年前に新百合ヶ丘まで出向いて,昭和音楽大学のメサイア演奏を聴いた。
 そのときに,キリスト教系の大学ではこの時期にメサイアを演奏するところがあることを知った。ベートーヴェンの「第九」に比べると目立たないけれども,年末(というよりクリスマス)の風物詩になっているようだ。
 しかし昨年は,声楽で神を称えるこの曲が演奏されることはなかったろう。通常の器楽曲以上の逆境になったはずだ。

● 今年は昭和音楽大学は通常開催するようだ(ただし,演奏時間を圧縮)。青山学院も通常開催。愛知県の金城学院でも11月に開催し,ネットで全部を聴くことができる。京都の同志社は中止にしたらしい。立教は実施するけれども,観客は入れずにネット配信というわけだ。
 状況はこんなところだ。現状はほとんどゼロコロナ状態なので,一切の感染対策をしないで開催しても問題が起きる可能性はない。が,準備を始める時点ではそうではなかった。

● 指揮は上野正博さん。現田茂夫さんの予定だったが,変更になった。ソリストは佐竹由美(ソプラノ),山下牧子(アルト),小貫岩夫(テノール),久保和範(バリトン)。チェンバロ・オルガンが大藤玲子さん。
 合唱は立教大学グリークラブと立教学院諸聖徒礼拝堂聖歌隊。そのOB・OG。合唱団の中にはかなりの年配の人も混じっていた。管弦楽は立教大学交響楽団。

● YouTubeチャンネルにて生配信したあとは,アーカイブ動画を来年11月30日まで公開するとのことなので,今後1年間はいつでも都合のいいときに聴けるわけだ。時間に縛られない。
 のだが,まずはリアルタイムで視聴。本当はライヴを聴きたいのだがオンラインになった,というとき,奏者とリアルの時間を共にすることが,ライヴに近づけるためにけっこう以上に重要なことだと思っている。

● 入ってくる動画はいつでも同じなのだが,演奏は演奏として他と切り離されて屹立して存在するのではない。聴き手との関係性において立ち現れてくるものだ。
 ならば,聴き手,つまりこちら側の聴く態勢を整えなくてはいけない。環境整備が必要だ。その第1番目に来るものがリアルタイムで聴くということだ。
 途中で20分間の休憩時間があるのだが,その休憩時間も共有した方がいいのだ。トイレに行きたくなれば画面を止めていつでも行けるのだが,ホールで演奏を聴いているのと同じにした方がいい。トイレに行くなら休憩時間に行く。

● とはいえ,リアルの演奏をホールで聴いているときに,アルコールを飲みながらくつろいで楽しみたい,手許にコーヒーがあればなぁ,と思ったことがない人は少ないと思う。
 それはこういう機会に試してみるといいと思う。が,事前に準備を整えておくこと。途中で席を外してコーヒーを用意するというのではなくて。

● ネット配信で聴く演奏がどれだけリアルに近づくか。当然,はるかに及ばない。第1に,こちらの機材が貧弱極まるからだ。
 ネット配信だからパソコンかスマホ,タブレットで受信するしかないのだが,ぼくはノートパソコンに外付けスピーカをつないだ状態で受信している。おそらくXperiaかストリーミングWALKMAN(+ハイレゾ対応イヤホン)で聴いた方が音はいいのだと思うが,画面が小さくて視る楽しみが減殺される。
 ミニコンポを買ってパソコンをつないで聴くのがいいのだろうか。でなければ,ちゃんとした性能のスピーカを備えたデスクトップパソコンに買い替えてしまうか。NECや富士通から良さげなのが出てるんだけど,テレビ機能まで付けているのが大難。なんでそんな余計なものを。

● N響の演奏がEテレで放送されることがある。年末の第九とかね。昨年だったか,それを宿泊中のホテルのテレビで見たことがあった(だからテレビはけっこうな高級品)。
 が,まるでダメ。“ノートPC+外付けスピーカ” の方がまだ音が立っているような気がする。
 のだが,ネット配信がリアルのライヴに伴走するのがあたりまえになるのだとすると,対応を考えた方がいいのかもなぁ。たとえば,右のような機材でテレビの音響を補強するとか。

● ネット配信の画面は超絶S席になるか。ホールのどんな席で見るよりも特定の部分を高解像度で表示してくれるわけだから。
 残念ながら,これまたリアルには及ばない。全体を視野に入れたうえで特定の部分に注意を集めることができるのは,リアルならではだ。
 むしろ,特定の部分を必要以上に明瞭に示してもらうのは迷惑だと感じることもある。たとえば,ソリストの化粧の具合をここまでハッキリと見せてもらわなくてもいい。見えない方が幸せだ。

● 視聴者数が画面に出るのだが,“ハレルヤ” の時点で約670人だった。こんなものか。このあとアーカイブを視聴する人が出るのだろうが,どのくらいの数になるのだろう。
 リアルに開催して,地道に集客した方が,ネット配信よりも多くに人に聴いてもらえるということか。

● ネット配信の技術が現状のままということはない。どんどん良くなるだろう。受信用の端末の性能も同様だ。いずれはリアルのライブに肩を並べるところまで進歩するのかもしれない。
 え,まだホールで聴いてるの? 遅れてるな,おまえ,と言われる時期が来ることを夢想したりもする。現状はそうなっていないが,遠くない将来にライブとの差がかなり詰まってくることはあり得ると思っている。

● ネット配信がこれから増えるのだとしよう。すると,とても全部は聴ききれないという数になるはずだ(個人演奏的なものを含めれば,現状ですでにそうなっているのかもしれないが)。
 そのときにどれを聴くことにするか。はっきりしている。この演奏会がリアルであったらホールまで出かけて行って聴きたいかと自分に問い,Yesと答えられるものだけを聴くことになるだろう。
 この立教大学のメサイア演奏会が普通に観客を入れて開催されていれば,ぼくは今日,電車に乗って池袋まで出かけたはずだ。だからネット配信を視聴することにしたのだ。

● 合唱陣はマスクを付けて歌っている。先月の学習院輔仁会音楽部の第九もそうだったのだが,歌えるマスクという画期的な製品が出ているのかもしれない。
 けれども,当然ながら歌いづらそうで,見ていて気の毒だった。本当は歌ってはいけないのだが,マスクを付ければ特例的に歌ってもいいことにするというのでは,合唱陣の士気もあがるまい。
 マスクは付けないとダメなのかね。今の状況でもマスクを外してはダメだと言うなら,外せる時期は永遠に来ないのじゃないか。

2019年6月30日日曜日

2019.06.29 立教大学交響楽団 東京演奏会

東京芸術劇場 コンサートホール

● 今夜は日本橋蛎殻町のホテルに宿泊。17時からホテルで飲んでいる。まぁ,何というのかぼく的には優雅な時間だ。それを1時間で切上げて,池袋に向かった。立教大学交響楽団の演奏会があるため。
 いやね,もっと飲んでいたかったし,その後は人形町でラーメンでも食べて,風呂入って寝たいな,とか思ったわけですよ。何もわざわざ池袋に出なくても,と。

● そこを押して出かけてみた。会場に入るときに荷物検査を受けた。大阪でG20が開催されている。その影響がこういうところまで及んでいるということか。
 東京にある立教大学のオーケストラが東京で演奏するのに,なにゆえ“東京公演”なのかというと,立教交響楽団は同志社交響楽団との合同(交歓)演奏会を東京と京都で交互に開催しているらしく,それが京都で行われた年には,東京で“東京公演”を開催する習わしであるらしい。

● 他に定期演奏会もある。けっこうな活動量だ。大学オケの場合は活動量と演奏水準は概ね比例するという法則があって,これは期待が持てると思わせる。
 ただ,学生側の費用負担は相当額にのぼるだろうから,練習とアルバイトで時間が埋め尽くされて,勉強なんぞにうつつを抜かしている暇はないかもしれないね。

● 開演は19時。座席はSとAで,それぞれ1,500円と1,000円。S席の当日券を買って入場。
 曲目は次のとおり。指揮は山上純司さん。
 ボロディン 歌劇「イーゴリ公」より“ダッタン人の娘たちの踊り” “ダッタン人の踊り”
 ドヴォルザーク 交響曲第8番ト長調 
 アンコールはドビュッシー「小組曲」より“バレエ”

● コンミスの躍動感が素晴らしい。その躍動に過剰はない。オケを引っぱるために意図してそうしているわけではない。自ずからなるものだ。
 ヴィオラトップにも注目。静かな闘志(?)を湛えている感じ。ドヴォルザーク8番の第2楽章のフルート独奏にもウットリさせられたし,第4楽章冒頭のトランペットのファンファーレもほとんど完璧だと感じた。
 以上を要するに,尋常ならざる水準にある。すごいぞ,立教オケ。よくぞ「もっと飲んでいたい」誘惑を退けてここに来たものだ。偉いぞ,俺。

● 「もっと飲んでいたい」誘惑は退けたのだが,ともかく飲んでいるわけだ。濃いめのハイボールを2杯飲んでいる(ジョッキでなくて普通のグラス)。演奏を聴く前にアルコールを入れるなんてことは,もちろん,普段はしない。ちゃんと素面で聴く。
 けれども,たいていのホールではワインなどアルコールを供しているわけで,開演前や休憩時間にそのワインを飲んでいるお客さんはけっこういる。
 つまりですね,ほど良く酔って聴くというのもありかなぁと思ったんでした。評論家然として聴くのじゃなくて,まるごと楽しもうとすればこれはいい方法かもしれない。


● 昔の貴族もそんな聴き方をしていたのではないか。アルコールを嗜んだかどうかはさておき,リラックスして聴いていたのでは。
 彼らの多くは今のぼくらより鑑賞眼は確かだったろうと思う。奏者に近い眼力を持っていたろう。それゆえリラックスが功を奏するという面はあったかもしれないにしても,ぼくらもぼくらなりにリラックスを心がけた方がいいのかもしれないやね。

● ただし,条件が2つある。ひとつは,最初からリラックスではダメだということ。素面で聴く回数を重ねてからリラックスに移るのがいい。
 もうひとつは,演奏がダメだとリラックスなんてのは吹っ飛ぶということだ。リラックスして聴いていいのは,いわゆる“いい演奏”に限られる。聴き手にとって“いい演奏”とは何か。定義はない。聴き手がいいと思った演奏が“いい演奏”だ。
 将来,ベルリン・フィルやウィーン・フィルの演奏を聴く機会があったとして,そのときにリラックスで臨めるかどうかまったく自信はないが,心がけとしてはそちらに軸足を置いた方がいいのかもね。

● ともあれ。この楽団の演奏を聴くのはこれが2回目だ。前回はこれほどの驚きを受けたろうか。どうも思いだせない。思いだせないということは,受けなかったということだよな。何を聴いていたんだか。
 大学オケというと,早稲オケと東大オケにはほとんど尊崇の念を抱いているのだが(慶応ワグネルは聴く機会を得ていない),3つめを見つけたかも。かなりの水準だ。一般大学でよくぞここまで。

2013年6月30日日曜日

2013.06.29 立教大学交響楽団東京演奏会

東京芸術劇場 コンサートホール

● 立教大学交響楽団は,同志社大学と「同立交歓演奏会」を開催している。会場は東京と京都で交替。京都でやった年には,単独で東京演奏会を開催するらしい。今回聴いたのはその東京演奏会。
 このほかに,定期演奏会,メサイア演奏会,卒業演奏会を定例の行事として催行しているらしい。かなり生産性の高い大学オケですな。
 大学オケっていうかアマオケの場合は,量か質かっていう問題は成立しないでしょうからね。量をこなすためにはそれ相当の質を備えていなければならない。
 ゆえに,これだけの量をこなしている以上,演奏水準も高いはずだ。

● 開演は午後6時30分。チケットはS席とA席の2種で,Sが1,500円でAが1,000円。であれば,Sにするのが正解。
 なんだけど,ぼくは当日券でAを購入。Aですかと訊いてくるから,思わずYesと答えてしまったんですね。いえ,Sを,と言えばいいだけなんだけど,その程度のことを妙に面倒に感じることがあって,この日はたまたまそういう心境だったんでした。
 で,指定された席へ。ちょっと遠かったですかね。

● 当日券が残っていたとはいっても,客席は相当埋まっていた。このホールをここまで満たすためには,大学関係者だけでは無理。よそからお客さんが来てくれないとね。
 ひとつには大学の知名度もあるでしょうね。地の利もあるかもしれない。駅のすぐそばに,これほどのホールがあるってこと。立教の学生に言わせれば,芸術劇場は自分たちの庭に建っているようなものかも。
 ぼくなんぞは,1,000円で東京芸術劇場のコンサートホールに入れれば,それだけでお得,と感じてしまうところがあるから。都の施設だから使用料はけっして高くはないんだろうけどさ。
 指揮は田中一嘉さん。トレーナーも数多く抱えている。練習環境にも恵まれているようだ。

● 曲目はチャイコフスキーの幻想序曲「ロメオとジュリエット」と,ドヴォルザークの交響曲第7番の2つ。
 「ロメオとジュリエット」は,直近では5月に真岡市民交響楽団の演奏で聴いている。今回も聴きごたえがあった。ハラハラしたという意味ではなく,スリリングだったし。この曲はこのスリリングさをどこまで出せるかだもんね。

● ドヴォルザークの第7番を生で聴くのは,これが二度目。分厚いという印象。正確にいうと,今回の演奏を聴いて,分厚い曲だと感じたということ。
 何かねぇ,若い学生たちの演奏を聴きながら,これを写真として切り取れば,いい写真になるんだけどなぁと思いましたねぇ。背景は東京芸術劇場の壁面やパイプオルガンになるわけだから,高級感あふれる1枚になるぞぉ。
 アンコールは,ヨハン・シュトラウスの「トリッチ・トラッチ・ポルカ」。大いに盛りあがって終演。

● ここへ来ると,置いてあるチラシを見ていくだけでも刺激になる。刺激を受けたからどうなるってものでもないんだけど,刺激じたいが快感だからね。
 東京芸術劇場のホームページを丹念に見ていけば,同等以上の情報を得られるはずだけど,やっぱり,現地の空気感ってあるもんな。