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2015年4月27日月曜日

2015.04.26 宇都宮ジュニア合奏団第34回定期演奏会

栃木県総合文化センター サブホール

● この合奏団の演奏を聴くのは,今回が3回目。レベルの高い若き職能集団という印象。
 中2から高3のAオケと小5~中1のBオケがあるんですな。女子が多いんだけど,圧倒的多数というわけでもなく,男子もそれなりの数,在籍している。

● まず,Bオケがヴィヴァルディを演奏。「調和の幻想」の第2曲(2つのヴァイオリンとチェロのための協奏曲)。
 若きコンマスが目を引いた(コンマスは途中で交代した。そういう習わしなんですか)。足の開き方,演奏前に隣の奏者と談笑する様子。そういう様が大人のオーケストラのコンマスとほとんど変わらない。
それがほほ笑ましい。
 いや,ほほ笑ましいと表現すると,彼に失礼だろうな。このステージにおいては,彼は立派に一個の紳士であるのだから。

● 次はA,B合同で「四季のうつろい」(並木厚信・栗原邦子編曲)。日本の唱歌を四季の順に並べて,日本の季節を器楽で表現しようとするもの。
 これだけの大人数で演奏しても,ノイズが混じらないのはたいしたものだと思った。
 けれども,こういったアレンジ曲って,概してつまらない。

● つまらないと感じる所以のひとつは,歌詞が脳内に浮かんでしまうことだ。“こいのぼり”にしても“小さい秋見つけた”にしても,たちどころに歌詞が登場してしまう。
 これが,曲を聴く邪魔をする。曲と詞が勝負すると,たいていは詞が勝つ。詞のほうが脳内でより大きな面積を占めるように思える。

● 休憩をはさんで,3曲目は,Aオケによるチャイコフスキー「弦楽セレナード」。
 プログラムノートの解説によれば,「(チャイコフスキーは)モーツァルトをとりわけ崇拝しており,この曲も,モーツァルトへの敬愛から書いたもの」とのこと。

● が,モーツァルトの軽快かつ洒落たセレナードに比べると,シリアスでズッシリした印象が残る。ロシアの特徴というわけでもないんだろうけど,ここから交響曲にもっていくのは,さほどの距離を要する作業でもないように思える。
 「複楽章による大規模な合奏曲」を特に(セレナーデではなく)セレナードと呼ぶことがあると,Wikipediaが解説している。少なくとも,これに小夜曲という日本語をあてることには抵抗を感じる。

● 演奏する側に言わせれば難しい曲であるに違いない。しかし,この若き職能集団にかかれば,整った形にされて客席に差しだされるわけだ。
 が,優雅な白鳥も水面下では必死に足を動かしているわけで,この合奏団の彼ら彼女らも,スマートに演奏しているように見えたけれども,じつのところはいっぱいいっぱいだったのかもしれない。

● いや,いっぱいいっぱいだったのだと思う。余裕綽々の演奏(そういう演奏を聴いた経験は,たぶんないと思うのだが)より,いっぱいいっぱいでギリギリ水面に顔が出ているくらいのほうが,客席に届くものは多くなるのではないか。豊穣になる。緊張感であったり,懸命さであったり,ある種の危うさ(ハラハラドキドキ)であったり。

2013年4月21日日曜日

2013.04.21 宇都宮ジュニア合奏団第32回定期演奏会

栃木県総合文化センター サブホール

● 19日の夕方から冬が戻った感じ。北風が冷たかった。20日の午後からは雨。ユニクロのヒートテックの下着を引っぱりだしましたよ。
 けっこう身体に堪えますな。だから天気を叱るってんじゃないけどさ。体調が乱れがちになるのは確か。

● そんななか,宇都宮ジュニア合奏団の定期演奏会に出かけた。昨年に続いて二度目の拝聴。
 昨年はヴィヴァルディの「四季」に大いに満足。今年はバッハとパッヘルベルがメイン。バロックに焦点を合わせているというわけでもないと思うんだけど,弦楽合奏となればバロックを避けて通るわけにはいかない。
 楽しみにしていたのは,バッハの「シャコンヌ」。これを含めて,演奏曲目は次のとおり。
 バッハ:ブランデンブルグ協奏曲第3番 ト長調
 パッヘルベル(ロバート・ミュラー・ハルトマン編):シャコンヌ ホ短調
 パッヘルベル:カノン ニ長調
 バッハ(リッカルド・ニールセン編):シャコンヌ
 ホルスト:セントポール組曲

● 昨年はメインホールだったのに対して,今年はサブホール。昨年は500円の入場料を取ったのに対して,今年は無料。
 お金を取っても文句は言われない水準にあることは間違いないと思うんですけどね。けれども,このあたりの舵取りは主催者の勝手たるべし。お客さんとして主催者が想定したのは,演奏する児童,生徒の保護者や家族であって,であればお金は取れないと考えたのかもしれないし。
 開演は午後2時。サブホールは満席。というか,立ち見のお客さんも出た。このあたりが悩ましいところですなぁ。

● 「ブランデンブルグ協奏曲」って,バッハの中ではポップというか,明るく軽めというか,気軽に聴ける感じ。普段は,アカデミー室内管弦楽団の演奏(ネヴィル・マリナー指揮)をCDで聴いている。
 Bオケ(小5~中1)の演奏。さすがに年齢が出るってところはあったかもしれない。たどたどしいっていうんじゃなくて,何といえばいいのか,枝ぶりがまだできあがっていないっていうか,遊びがなさすぎるっていうか。でも,それは当然のことで,やむを得ないという日本語は,こういうときのためにある。
 それだけ。あとはきちんとバッハになっていた。

● 次はパッヘルベルの「シャコンヌ」。もともとはオルガン曲。いや,プログラムの解説に書かれていることの受け売りですけどね。シャコンヌとはそもそもどういうものかってのも,簡潔に解説されている。
 ともあれ,初めて聴く。こちらはAオケ(中2~高3)による演奏。優雅。たゆたうような気高さ。バロックだなぁと思う。
 このパッヘルベルの「シャコンヌ」って,CDがあるんですか。YouTubeには弦楽四重奏やオルガンのはアップされているようだけれども,弦楽合奏版はないようだ。

● 同じくパッヘルベルの「カノン」。ABオケ合同の演奏。パッヘルベルの代表作らしい。
 ぼくもCDを持っている。ただし,村治佳織さんがギターで演奏しているやつね。これはこれで素晴らしいんだけど,弦楽合奏版も探せばあるんだろう。

● ここで20分の休憩。前半で帰った人もいたようで,このあとは立見客は解消された。ひょっとすると,立ち見のお客さんが諦めて帰ったのかもしれないんだけど。
 後半はまず,一番の楽しみにしていたバッハの「シャコンヌ」。もともとは無伴奏ヴァイオリン曲だってのは,ぼくも知っている。のだが,そのヴァイオリン曲はCDでも聴いたことがない。もっぱらオーケストラ版を聴いている。このあたり,再考の余地が大ありでしょうね。ヴァイオリンも聴けよって自分に突っこみたい。

● ともあれ,今回は弦楽合奏版。Aオケの演奏。安定感はさすが。
 コンマスの独奏部分が何度かある。そのコンサートマスター(ミストレス)は高3の女子。存在感がありましたね。ちょっとやそっとのことでは動じないんじゃないかと思われる風格も。

● 最後は,バロックを離れて,ホルストの「セントポール組曲」。これも初めて聴く曲。
 ABオケ合同の演奏。軽快で歯ぎれがいいんですな。ここでもコンマスのソロ部分が何度かあり,動じることなく演奏しきった。たいしたもんですなぁ。

● アンコールはバッハに戻って2曲。
 小・中・高校生でここまでやれるんだからねぇ。
 楽しくやれればそれが一番だと思うんだけど,楽しくなるまでが大変でしょ。ある程度のレベルに達して初めて楽しさがわかる。普通,そこに来る前に,やんなっちゃうんだよなぁ。その体験なら,ぼく,何度もしている。

2012年4月29日日曜日

2012.04.29 宇都宮ジュニア合奏団第31回定期演奏会

栃木県総合文化センター メインホール

● 29日は総合文化センターのメインホールで宇都宮ジュニア合奏団の演奏会があった。今年で31回目になるのだが(昨年は東日本大震災のために開催中止になっている),ぼくはこの合奏団の存在をずっと知らないでいた。
 今年も栃響の定期演奏会のチケットを買うために総文センターのプレイガイドに行ったときに,並んでいるチラシを丹念に見てて,たまたま見つけたものだ。

● 入場料は500円。当日券を買った。メインホールの入りは4割程度。おそらく,子供たちの保護者が多いのだろう。当然にして,団員の弟や妹たちを連れてくることになる。中には乳幼児もいる。
 したがって,演奏中に泣き声が聞こえたりもするんだけれども,これは致し方ないものだろう。演奏中にデジカメのフラッシュがたかれることもあったんだけど,これも受忍限度の範囲内ということになるだろう。

● この合奏団は「スズキ・メソードの子供たちによるストリングオーケストラ」と紹介されている。スズキ・メソードなるものがぼくにはよくわからない。Webで調べると,鈴木鎮一氏が創設したもので,小さい子供が母語を覚えるのと同じように,小さい頃からよい演奏を聴かせ,生活の中に音楽が溢れる環境を作ることが大事だということらしい。独特な練習法があるのかと思ったんだけど,そういうものではないようだ。
 つまるところ,よくわからない。ま,わからなくても,鑑賞の妨げにはならないでしょ。

● この合奏団は,中2~高3のAオーケストラと小5~中1のBオーケストラからなる。
 まず,Aオケがヴィヴァルディの「四季」を演奏。指揮者が指揮棒を振りおろした瞬間に,濁りのない弦の響きがホールいっぱいに広がった。オォッと思った。いい時間を過ごせることを確信させるに充分な音色だった。
 「四季」の最初の旋律は中学校の音楽の授業で聞いている。ほとんどの人が知っているはずだ。その馴染みの旋律が心地よく展開する。中学生と高校生が巧みに弓を操る。
 生で「四季」の全部を通して聴ける機会が,これから先もそんなにあるとは思えない。いいものを聴かせてもらった。

● 15分間の休憩後,今度はBオケがモーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」を演奏。これまた誰でも知っている旋律を,小学生が自分の体に合わせた小さなヴァイオリンで演奏している様は可愛らしくもあるけれど,ステージ上の彼らは小なりといえども紳士淑女の佇まいを感じさせた。
 普段はごく普通の小学生に違いない。けれども,演奏会用の制服をまとい,ネクタイを締めてステージに立てば,いうなら結界の中にいるようなものだもんね。
 小さなミスはあったものの,まずは立派な演奏。

● 次はAB合同でバルトークの「ルーマニア民族舞曲」と林光の「弦楽のためのアレグロ」を演奏。子供たちのほかに指導者やエキストラが加わっているから,弦だけなのにフルオーケストラほどの人数になった。なるほど,これでは観客の多寡に関わらず,メインホールでなければならないわけだ。
 これもね,充分に素晴らしいものだった。特に林光「弦楽のためのアレグロ」はCDで聴きなおしてみたいと思った。入手できるのだろうか。

● というわけで,満足して帰途につけた。今までこの合奏団の演奏を聴きのがしていたことが残念でもあり,今回気づいてラッキーでもあった。
 今までもゴールデンウィーク中の演奏だったのだろうから,この時期,ぼくは家族とディズニーランドなんぞへ遊びに行っていたに違いない。でも,この演奏会を聴いてしまった以上は,来年も聴きに来ることになるんでしょうね。