日経ホール
● 昨年に続いて2回目の拝聴。4団体が演奏。4時間半の長丁場。開演は午後2時半。入場無料。
● トップバッターは明治大学OB交響楽団。フルメンバーではない。
ゴフ・リチャーズ ア・ラ・カルト
ドヴォルザーク 管楽セレナーデ ニ短調
● 「ア・ラ・カルト」は金管に打楽器が加わっての演奏。“テンピース型”というらしい。「ア・ラ・カルト」というタイトルは聴いてみればわかる。曲目解説によると「世界各国の絶品料理をイメージして各楽章が作られている」らしいのだが,この旋律,どこかで聴いた,というのが出てくる。そちらの方でア・ラ・カルトなのかと思った。
ドヴォルザークの「管楽セレナーデ」は,有名なわりに生で聴く機会はそんなに多くないって感じ。なので,こういう機会は貴重かもね。
管楽といいながらフルートが入っていない。ホルンのほかにチェロとコントラバスが加わる。
● 次は千代田フィルハーモニー管弦楽団。指揮は水村怜央さん。
ウェーバー 歌劇「魔弾の射手」序曲
ドヴォルザーク 交響曲第8番
あれ,さっき弾いてた人がいるよ。って,両方で活動しているんでしょうね。
● ドヴォルザークの8番は花々が匂い立つような曲だと思っている。第3楽章の冒頭のメロディーがそのイメージを作っているかもしれない。
のだが,こうして聴いてみると,ずっしりとした重さを持つ曲でもあることがわかる。
● 化学オーケストラ。指揮は宮野谷義傑さん。
シベリウス 交響詩「フィンランディア」
ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」
● この楽団はとても面白い。何が面白いかというと,おそらくだけれども楽団運営の規範がないように思われる。作為を加えないで,なるようになるだろう的な,老荘思想を是としているのではないかと思える。
もちろん,実際がどうなのかは知るところではないし,実際なんてどうでもよろしい。そう思えるというところがとてもよい。
● そして奏でられた「フィンランディア」が素晴らしかった。いや,素晴らしいと言ってしまうのはどうなのかとも思う。聴き手の好き好きがあるからだ。ぼくはたぶん,「フィンランディア」が好きなのだ。
しかし,堂々たるというか遠慮のないというか,管弦の共振がホールを揺るがすような感じでね。ドボルザークの9番も同じような印象なんだけども,惜しむらくはホールの音響だ。残響がない。ホールが音をひとつにまとめることがない。
● 最後はMusica Promenade。指揮は瓦田尚さん。
團伊玖磨 祝典行進曲
ドヴォルザーク 交響曲第8番
ドヴォルザーク スラヴ舞曲集第2集より第7番
● 最初から最後まで客席にいるお客さんは案外少ない。お目当てがあるらしい。化学オーケストラの演奏が終わるとかなりの人が退出した。
けっこうな長丁場だから,聴く側も後半に入ると疲れてくる。後から登場するのは損か。まぁ,損とか得とかの問題じゃないんだろうけどね。
● 今回はどの楽団もドヴォルザークを取りあげていた。8番はかぶってしまった。自由選択だからこういうこともある。
團伊玖磨「祝典行進曲」は初めて聴くもの。ここまではルンルンだったんだけどね。ドヴォルザークになると,さすがに同じ日にフルサイズで8番を2回聴くのは腹に堪えるなぁ。嫌いな曲ではまったくないんだけど。
というわけで,実質,2回分のコンサートを聴いた。
● 今はこうして栃木の在から花のお江戸にやってきて,暢気にクラシック音楽の演奏を聴いていられるが,それができるのは来年の3月までだ。
4月から仕事を完全引退して隠居生活に入るのだ。収入が激減する。東京までの電車賃がけっこうきつい額に感じるようになるだろう。
● お金がない状況はまぁ平気だ。対応できる。インターネットというお金無用の暇つぶしの手段もあるんだしね。お金の効用は,インターネット以前に比べると明らかに低下している。
ぼくらの世代は,田舎ではほぼ全員がそうだったと思うのだが,子供の頃はおしなべて貧しかった。ぼくらが子供の頃にやっていた暮らしを今やったら,間違いなく生活保護に該当するだろう。いうなら貧しさがプレインストールされている。
● 来年4月からは,地元だけになると思う。したがって,聴く頻度も減るだろう。
それでいいのだと思っている。お金云々とは別に,もっと早くそうすべきだったとも考えている。
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