ともかく,鹿沼にはある。ほとんど奇跡のようなものだと思うのだが,演奏水準もかなりのものだ。著名な交響曲を全楽章通して演奏してみせるだけでも尋常じゃないと思うじゃないか。その中には,ブルックナーやマーラーも含まれるのだ。
● 14時開演。今回の曲目は次のとおり。
ベートーヴェン エグモント序曲
ベルリオーズ ラコッツィ行進曲
ジョン・ウィリアムズ ジュラシックパーク より ハイライト
チャイコフスキー 交響曲第5番
アンコールはチャイコフスキー「くるみ割り人形」から “トレパック”。
● この中で最も印象に残ったのはエグモント。第一音が見事だった。
あやまたず聴衆のハートを撃ち抜く音があるもので,弦とファゴットが発する第一音でガっと客席を掴んだ感じ。掴みって大切だもんね。
● チャイコフスキーの5番も立派にチャイコフスキーになっていて,そりゃ苦戦しているパートもあったけれども,苦戦はしていても傷にはならず。
できあがった形は基礎も外壁もしっかりしていて,飾り窓も尖塔もすべて揃った,チャイコフスキーの交響曲第5番のそれだった(と思った)。なぜそれができてしまうのか,ということの方が不思議。
● 会場までの道すがら,今回の演奏会のポスターを貼ってある商店をひとつだけ見かけた。こうした旧来型の告知は鹿沼市内に留まっているようだ。地元完結型。
鹿沼市民じゃないぼくがこの演奏を知ったのは,楽団のインスタによる。𝕏 もあるのだが,こちらは長らく更新されていない。何でもいいのだが,ネットに情報を上げてもらえれば,ほとんどの場合,用は足りる。
● 鹿沼ジュニアは児童・生徒の保護者(≒母親)が運営及び設営の主体になっているようだ。彼女たちが手弁当で雑務を引き受けている。
それゆえ,良くも悪くも地元密着を志向しているように見える。が,可能であれば,一度は鹿沼から出てみたらどうか。定演を宇都宮で開催してみるといったことだ。
● 費用をはじめ,煩瑣な問題が起ちあがるから,対応するのは大変だと思うけれども,この小さな紳士淑女たちを,未就学児入場禁止の通常の演奏環境の中に座らせてやりたいと思った。
1千万円ほどポンと寄付して,これでやってくれと言えればいいのだが,残念ながら1千万円ポッチのはした金がない。
府中橋から黒川を見下ろすと,鮎釣りをしている人たちが数人。男性の分類基準に “釣りをするかしないか” があるかも。
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