● 宇都宮から小山に向かっている。この時間帯だと久喜あたりまではガラガラなのが常なのだが,GW中はそうではない。宇都宮から乗る人がけっこういる。
お一人様の男性が多い。どこ行くの?
● 着いた先は小山市立文化センター。栃木県でも県北の純朴な民には,小山はスレっ枯らしの都市民が跋扈する別世界という気がしててね。
あまり行ってみたいところではないと言うかさ。通過するところであって,わざわざ降りてみるところじゃない,という何とはなしのイメージね。実際には何度も来てるんですけどね。
今日は宇都宮の総合文化センターでも,藝大同声会栃木県支部の演奏会があった。さてどちらにするかと3秒ほど悩んだけれども,こちらにした。
当日券で入場。開演は14時。生演奏を聴くのは1ヶ月ぶり。
● 曲目は次のとおり。
モーツァルト アイネ・クライネ・ナハトムジーク
ルクレール 2つのヴァイオリンのためのソナタ
ハルヴォルセン ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏「パッサカリア」
グリエール ヴァイオリンとチェロのための8の小品 より “ガヴォット” “スケルツォ”
メンデルスゾーン 弦楽八重奏曲
出演者の8人は,栃木県に住んでいるとしばしば目にする人たちだ。全員が全員,栃木県ゆかりの人かどうかは知らないけれど。
● 今日はメンデルスゾーン「八重奏曲」は圧巻の熱量。これだけの演奏を地元で聴けるわけだ。
最初にモーツァルトを聴かされていたので,いっそう熱を感じることになったのかもしれない。対比の妙というのはどうしたってある。
そうして,自分はやっぱりモーツァルトが好きなんだな,と思ったんでした。たぶん,多くの人がそうだと思うんだけどね。
● いや,楽しい演奏会でしたよ。最後はバッハ「アリア」でクールダウンしてもらって,爽やかに帰宅しましたとさ。
こういう演奏会は客席でかしこまって聴くよりも,ワイングラス片手にリラックスして聴くべきものかもしれない,とも思った。しかし,それをすると,食器や銀器の音がひっきりなしに聞こえてくることになる。許されませんな。
● どうしてもそれをしたければ,自宅でCDかストリーミング配信を聴きながら,となりますね。
デジタル化によって,再生するための機材が少なくてすむようになった。再生コストが大きく下がった。
音響メーカーにとっては死活問題だが,ユーザーにしてみればこんなありがたいことはない。こうしてクラシック音楽の視聴も大衆化して行く。大衆化を推し進めるのは市民革命やイデオロギーではなくて,技術革新だということね。
● オトメ問題については,主催者側も散々言われているのかも。広辞苑の “おとめ” の定義を大きく書き換えなければならないぞ,的なことをね。
自虐も含むシャレということで,ひとつよろしく。