2010年6月30日水曜日

2010.06.10 チャリティーコンサート2010in栃木

栃木県総合文化センター メインホール

● 10日は総合文化センターで「チャリティーコンサート2010in栃木」というのがあった。県とAflacの共催(実質負担はAflacだろう)。コンサートを無料で開催して,会場内で募金を募る。あるいは出演者のサイン入りCDを販売し,その一部を小児ガン患者のために寄付する。
 併せて,がん検診についての啓発を図る。趣旨はそいういうこと。事前に知らされていたので,ぼくも募金に応じた。千円以上募金すると,アフラックダックがもらえる。テレビCMでアフラックと発するアヒルが登場するが,その人形で,頭を叩いてやると同じようにアフラックと言う。

● 出演者はまず宇都宮北高校の吹奏楽部。「星条旗よ永遠なれ」「ウェストサイドストーリー」「聖者の行進」の3曲を披露した。5月に定期演奏会があった。チケットも買っていたのだけれど,結局行けなかった。そのことがあらためて残念に思われた。
 つまり,聴くに耐える演奏,あるいは見るに耐える演奏を披露してくれた。かなりのできばえだった。
 「ウェストサイドストーリー」はダンスも付いた。ミュージカル仕立てというわけだ。さすがにダンスは素人の域を出ていなかったけれども,意気込みは伝わってくる。惜しむらくは,男女比のアンバランスが極端だったこと。男役と女役で5人ずつ登場したのだけれど,男子生徒は一人しかいなかった。悪役警官も女子生徒で,これはちょっと厳しい。部員は81名を数えるが(在校生の1割は吹奏楽部の部員ってことだ),女子が71名だそうだ。

● 指導者は菊川祐一さんで,昨年12月の宇高・宇女高合同の第九でテノールのソリストを務めた人だ。熱心な指導者がいると,若い高校生はグングン伸びていくのだろうが,普通科の県立の高校でもここまで行けるのか。たぶん,吹奏楽をやりたいから宇北に入学したっていう生徒もいるんだろうな。
 平日は毎日3時間,休日は終日,練習しているそうだ。高校の部活だとこれくらいはあたりまえなのかもしれないが,演奏が好きで,負けず嫌いじゃないと,なかなか続かないだろう。となると,女子生徒が多いのもむべなるかなってことですかね。

● 次は「より子」さん。宇都宮で生まれたそうだが,宇都宮には1年しかいなかった。2歳から6歳まで小児ガンを患った経験がある。卵巣腫瘍だったらしい。22歳で再び卵巣に腫瘍が見つかったが,これは良性だったという。子供の頃はディズニーの歌を聴きながら育ったそうだ。
 シンガソングライターで,ピアノの弾き語りが彼女のスタイル。声や曲はともかく,問題は詩。シンガソングライターに共通の難点。ZARDの坂井泉水なんかもそうだったのだけど,詩が良くないと繰り返して聴く気にはならないものだ。
 たんに気持ちを浮かんだ言葉に置き換えるんじゃなくて,そこからどこまで磨くかってのが問題。この辺が課題なんでしょうね。
 さだまさしや尾崎豊のような例外はいるんだけれどもね。って,おまえに言う資格があるのかってことだよね。

● でも,彼女が上に書いたような自分の生い立ちを自分の言葉で語るところは,説得力がありましたよ。
 母親がどんな気持ちだったかと今にして思うとか,今日できることは全部今日のうちにやってしまいたい,できれば明日のことも今日やっておきたいと思っていた,生き急いできた,けれども22歳で二度目の腫瘍が見つかったときに,自分が多くの人に支えられていたことに気づいて気持ちが楽になったとか,病気は時に悪さもするけれど,自分の一部で愛しい存在だ,いろんなことを私に教えてくれた,病気を自分の敵だと思ったことはない,とか。

● 15分の休憩の後,第2部。この時点で8時になっていた。第2部は早見優とタイムファイブの歌。
 早見優は言うまでもない売れ子歌手・タレントだった人。今でも芸能界のフロントに生き残っているのはたいしたものだ。しかも,結婚して二児の母になっている。帰国子女のバイリンガル。芸能界には珍しい普通の家庭の出っていう印象。
 テレビで見る彼女の歌は音程が不安定だったり,声量が足りなかったり,あまり上手とはいえないなと思わせるものだが,舞台の彼女はプロだったんだと思わせる歌いぶりだった。
 ぼくは左袖に近いところに座っていたのだが,彼女がこちらに近づいてくるとドキドキした。芸能人オーラが出ていて。先日,東大で矢沢永吉を見たときにも感じたことだけれど,多くのファンが芸能歌手のライブで恍惚となっている理由がわかったように思った。
 ありがたいことに,ちょっと出て消えるのではなく,衣装を替えてずっとステージにいてくれた。往年のヒット曲もメドレーで歌ってくれた。ぼくのアイドルは一にも二にも山口百恵で,早見優が売れていたときは,ぼくの青春時代は終わっていたのだけれども。

● タイムファイブは5人組のジャズボーカル。今のメンバーで42年も活動しているという。CMソングでいくつもヒット曲を持っている。それらを披露してくれた。

● 彼らのステージ上にはMacBookProがあった。東大の五月祭でも野外ステージの隣に設えられた本部テントにMacBookProが置かれていたのを思いだした。こういうところではリンゴ印のパソコンが活躍してますね。

● クラシック以外の要素が入った音楽のステージはこれが3度目になる。
 クラシックでは基本的にステージは無言だ。曲の紹介はプログラムに語らせる。指揮者も奏者も何も語らない。しかし,クラシック以外のステージは賑やかだ。客席に手拍子を要求したり,レッツ・ジョイン・アスを何度も仕掛けてくる。この仕掛けには乗るのが吉ですね。
 が,ひとりで行っていると乗りにくい。クラシックのコンサートはひとりで行くに限ると思っているけれど,こういうのは隣に誰かいてくれた方が乗りやすいなぁと思った。聴きにいくスタイルはコンサートのジャンルによって変えるべし。

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