宇都宮市文化会館 大ホール
● 宇都宮北といえば吹奏楽,吹奏楽といえば宇都宮北。栃木県ではね。吹奏楽をやりたいから北高に入学したという生徒も多くいると聞いたことがある。
では,その実力のほどは。というわけで,4日は宇都宮北高校吹奏楽部の定期演奏会を聴きに行った。OB・OG会の主催で,チケットは自由席が800円(当日券は1,000円)。
● 音楽大学のいくつかがプログラムの広告に出稿している。東京音大,洗足学園大,昭和音大。北高からこれらの音大に進んだOB・OGがいるんでしょうかね。
ともあれ,高校吹奏楽部の演奏会プログラムに音大が広告を出すって,すごくないですか。
● 演奏は3部構成になっていて,第1部は普通に吹奏楽の演奏。「さくらさくら」に始まって,外山雄三「吹奏楽のためのラプソディ」,歌劇「蝶々夫人」より抜粋。
ところが,ぼくがミステイクを犯した。どういうわけか,13:30開場の14:00開演と思いこんでいたんですね。実際は12:30開場,13:30開演だった。
13:30をちょっと回った頃に入ったんだけど,会場の中に入れてもらえなかった。13:30開場と言っているのに入れないってのは,どういう理由かわからないけれど,ちょっとまずいんじゃないの,と思ってたんだからねぇ。どうにもなりませんな。
というわけで,ぼくが聴いたのは「蝶々夫人」から。
● 上が白,下が黒のユニホームをまとっている。女子も含めて全員が蝶ネクタイを結んでいる。プロっぽい。
で,外見だけじゃなかった。巧い。楽器に触れてきた時間の長さを感じさせる。悪戦苦闘していない。楽しそうに吹いている。実際はいっぱいいっぱいなのかもしれないけれど,傍目にはそうは思わせない。余裕がある。どうだい,俺たちの演奏は,って感じ。
自分たちがやってきたことに自信を持っているっていうか。打楽器奏者の立ち姿も美しかった。
自分のミスで失った最初の30分がとても大きなものに思えてきた。
● 第2部はソリストに井上康一氏(トロンボーン)を迎えて,アッペルモントの「カラーズ」を演奏した。ここでも安心して聴いていられる演奏。演奏前の音合わせもプロっぽかった。
大ホールの座席が8割方埋まっていたが,それもわかる。高校の吹奏楽部の演奏会って,無料のところが多いんだと思うけど,これなら有料チケット制にしても,一切苦情は出ないだろうね。
● 唐突ながら,「ステーキハウス クローバー」を思いだした。那須烏山市にあるレストランなんですけどね。ぼくも時々食べに行く。安いランチしか食べたことがないんだけど,最初にサラダが出て,次にメインのステーキとご飯(orパン),味噌汁が出る。食後はコーヒーかアイスクリームを選べる。わが家はたいていアイスクリームにする。と,その後に中国茶のおまけが付く。
その中国茶に至るまで手抜きがないんですよ。これはすごいと,行くたびに唸らされる。値段以上のものを返してもらっていると思わないわけにはいかない。
北高吹奏楽部のこの定期演奏会も,演奏はもちろん,プログラムの仕上がり具合から場内アナウンス,スタッフの観客誘導などを含めて,演奏会としての完成度の高さは相当なものだ。高校生がここまでのイベント運営ができるのかと思いましたね。
ぼくのように,1年365日,朝から晩まで手抜きで生きているような者は,粛然として襟を正さしめられる思いがする。
● 第3部はチャイコフスキーの「くるみ割り人形」(もちろん,そのすべてを演奏したわけではない)。しかも,ダンス付き。奏者とダンサーを兼ねる部員もいるわけだ。ダンスも専門の先生の指導を受けている。さすがに,演奏ほどの水準には達していないけれども。
が,訓練の跡はちゃんと見えるし,エンタテインメントとしてきちんと成立している。
抜きんでて巧い女性ダンサーがいたけれど,まさか生徒じゃないんでしょうね。
● すべての演奏が終わって,出口に向かうぼくらを,ステージ衣装の部員たちがドヤドヤと追い抜いていった。お客さんを見送るためだ。整列して,ありがとうございましたと声をかけながらお客を見送る。最後までプロっぽいのだった。
参りましたというしかない。お客に媚びているだけでは,ここまでできない。自分たちの演奏に自負するところがあるからできる。
他校の演奏を一切聴かないままでこういうことを言うのはフライングになるかもしれないのだが,彼らは吹奏楽のエリートたちに違いない。
このときは、もう指導者は菊川先生から、変わっていましたか?もう宇女高に移られたいたでしょうかね。菊川先生の指導は熱心で、生徒をやる気にさせる上手な指導、と承っています。
返信削除はい,変わられていましたね。
削除ただ,練習は菊川先生のもとで行われてきたので,大半の指揮は菊川先生が務められたと記憶しています。