那須野が原ハーモニーホール 大ホール
● 今年の聴き初め。足利カンマーオーケスターのニューイヤーコンサートで幕開けだ。
● 足利はこと音楽に関しては,相当活発に動いている印象がある。2013年に「足利オペラ・リリカ」が発足した。これがどういうものなのか,イマイチぼくにはわからない。プロ歌手を育成するところなのか,最初からプロを集めてオペラを催行するところなのか。はっきりしているのは,足利市民会館の専属団体だということ。
足利カンマーオーケスターも「足利市民会館の専属プロフェッショナル室内オーケストラとして発足」したらしい。ここまでやっているところは,県内の他市町にはないでしょ。うまくいくとは限らないと言われたろうけれど,もう5年が経過する。
他に,毎年,N響が足利で演奏会を開催している。市からの働きかけがあってのことだろう。
● しかし,問題がひとつある。足利市側の問題ではなく,こちら側の。つまり,19時開演だと最終の黒磯行きに間に合わないのだ。その日のうちに家に帰り着くことができない。
いくら北関東道路ができたとはいえ,ぼく的には車で足利まで行く気にはならない。車で走るのは片道50㎞が限度かなぁと思っている。車を運転してると,時間を捨てているような気がしてね。
というわけだから,なかなか足利まで聴きに行くということにはならない。
● ところが,今回は,向こうから那須に来てくれる。なら,これは行くしかないでしょ,というわけで,出かけてみたわけなんでした。
どんな演奏をするのか興味があったし。どんな人たちなのかも興味があったね。
● 開演は午後2時。チケットは2,000円。当日券を購入。
曲目は次のとおり。指揮は大井剛史さん。
モーツァルト 交響曲第36番「リンツ」
ヴォーン=ウィリアムズ チューバ協奏曲
J.シュトラウス ワルツ「春の声」
J.シュトラウス 喜歌劇「インディゴと40人の盗賊」序曲
J.シュトラウス シャンペン・ポルカ
ヨーゼフ・シュトラウス ワルツ「オーストリアの村つばめ」
J.シュトラウス ポルカ「観光列車」
J.シュトラウス 皇帝円舞曲
ちなみに,ヨーゼフ・シュトラウスとはJ.シュトラウスの弟。こういうふうに書き分ける習わしなんですかね。
● 前半が「リンツ」とチューバ協奏曲。チューバは田村優弥さん。田村さん,作新学院の(英進部というよりは)吹奏楽部を卒業して,藝大に進んだ。2015年のコンセール・マロニエ金管部門で第1位。
その田村さんの軽快な捌きはお見事だと思うんだけど,どうも大井さんの指揮とオケが噛み合っていないように思えたんだが。何とはなしにノリが悪いような。指揮者もオケも。気のせいか。ひょっとして,大井さん,疲れている?
● それが解消されたのは,後半のニューイヤーコンサートに入ってから。こちらは,どの曲も流れるように過ぎていく。演奏する側も気持ちいいに違いない。
Wikipediaによれば,ウィーン・フィルによるニューイヤーコンサートが始まったのは,「ナチス・ドイツのオーストリア併合によるオーストリア人の不満をためないよう」にするためだったらしい。当然,オーストリア人に馴染みがある曲で,コアなクラシック音楽ファンでなくても楽しめるものに仕立てられたわけだろう。
胃もたれのしない,軽快な曲が続く。結果的に,新年早々のコンサートにはピッタリというかね。世界中にテレビ中継されるのも,同じ理由によるだろう。
● 下世話な推測なんだけど,放送料だけでも莫大な金額がウィーン・フィルに転がりこむんだろうな。年間収入の何割かをこれだけで稼ぐんじゃないか。
だからこれはやめられないよね。ずっと続いていくだろうね。
● 昨日は足利で定演だった。ブルッフのヴァイオリン協奏曲があった。これは聴きたかったなと思う。だったら足利まで出て来いや,ってことだよなぁ。
このオケのメンバーの中で一人だけ知っている人がいる。いや,知り合いだという意味ではなくて,演奏を聴いたことがあるという意味ね。コントラバスの廣永瞬さん。2012年のコンセール・マロニエ本選に出ていた。
● アンコールはお約束(?)のラデツキー行進曲。YouTubeでカラヤンが指揮している演奏を見る(聴く)のは,日々の小さな楽しみ。生で聴けるのは大きな楽しみか。
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