2009年9月30日水曜日

2009.09.11 間奏7:自分の中の批評家や審査員を野放しにしてはいけない


● ちょっと前に茂木健一郎『カラヤン』を読んだ。昔から最も有名な指揮者といえばカラヤンで,しかも知名度は圧倒的だ。
 ゆえに,同じ楽曲をカラヤン指揮のものとそうじゃないものとを聴き比べて,やっぱりカラヤンは滑らかだよねぇなんて言う手合いが昔からいたはずだ。CDを買うときも,カラヤン指揮のものがあればそれを選ぶっていう人も多いでしょうね(と思ったら,今どきはカラヤンを否定する人が多いんだってね)。

● ヴァイオリンだと諏訪内晶子さん,ピアノなら内田光子さんを偏愛する人もいるね。
 ウチのヨメなんか,同じ飛行機に乗り合わせたことがあるっていうだけの理由で,諏訪内さんのファンになってるから。皇太子妃候補にあがったことがあるっていうのも影響してるね。
 で,諏訪内さんのヴァイオリンは音に深みがあって,ヴァイオリンの音色は好きじゃないんだけど,彼女のヴァイオリンだけは聴けるのよ,なんて言っている。
 どう考えたって,諏訪内さんと他のプロの音を,ヨメが聞き分けられているとは思えないんだけどね。

● 自分の中に住む批評家や審査員を野放しにしてはいけないと思っている。自らの好みに忠実である権利は当然行使するとしても,頭脳が先走った批評や審査はつまらないこと夥しい。そこに行っちゃ終わりだと思っている。
 もっとも,いまのぼくのレベルだと,同じ楽曲について複数の演奏を聴き比べるどころではなく,聴いたことのない曲がメジャーどころに限っても相当あるっていうね,そんなところだからね。

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