2020年1月14日火曜日

2020.01.05 北関東楽友会フィルハーモニー NEW YEAR CONCERT 2020

野木町エニスホール 大ホール

● 野木駅から歩いてエニスホール。ちょっと遠い。
 北関東楽友会の創立披露演奏会。当然にして初めて聴くことになる。そも北関東楽友会フィルハーモニーとは何者?
 プログラムに主宰者のあいさつがあって,それによると「参加者の方々がプロ奏者からなる講師陣と共に小編成から大編成の多彩な楽曲に向き合い,学習/合奏し演奏経験を更に深めていく場とすることを目的と」するもので,「このような形で無料コンサートを設けることでより多くの音楽を愛する方々へ生演奏で聴くオーケストラの響きの素晴らしさをお伝えすることも可能になります」とある。
 大学オケのような市民オケを作りたいということだろうか。これだけ聞くと,さして新味は感じないのだが,そこはそれ,文章にはできにくいソレやコレがあるのかもしれない。

エニスホール
● 実際のところはどうなのか。クラシック音楽はすでに大衆化が行き着くところまで行っていて,もはや未開拓の市場は残っていないようにも思われる。
 これ以上,無理に聴衆を増やすと,もともといた愛好者が去って行くような事態を招きやしないかと思ったりもする。よろず,資源は有限だとしたものだ。
 しかし,以上は部外者の戯れ言の域を出ていないだろう。こういうものは走りだした者に正義がある。必ずそうだ。常にそうだ。そうして,こういう形でともかく結実したのだ。

● 開演は午後3時。入場無料。曲目は次のとおり。指揮は主宰者でもある葛西孝之さん。
 J.シュトラウス 「こうもり」序曲
 モーツァルト 交響曲第39番 変ホ長調
 ブルックナー 交響曲第7番 ホ長調

● トレーナーもこぞって出演して引っぱったせいもあるのかないのか,レベル高い。まず,アンサンブルがいたって精緻。精緻という言葉がピッタリだと思う。乱れがない。ん?と思わせるところはあったかもしれないが,その場合でも復元が素速い。ん?と思わせる前に復元している。
 ブルックナーの7番。第3楽章の始まりを告げるトランペットがピシャっと決まって,これが気持ちよかった。っていうか,それは具体例をあげなければならないと思って言ったことであって,そもそもがこの水準のブルックナーを聴ければ,とにもかくにも幸せになれるだろう。

● アンコールはラデツキー行進曲。新年だからね。
 今はありがたい時代で,たとえばカラヤンが指揮した1987年のウィーン・フィルの NEW YEAR CONCERT をYouTubeで見る(聴く)ことができる。ここでもアンコールはラデツキー行進曲であるのがお約束。
 ここでのカラヤンはショーマンとしても一級品。すごいものだよねぇ。聴衆とのやりとりを見ているだけで惚れ惚れする。聴衆もノリがいい。
 なかなかこういうふうには行かないけれども,客席も協力しないといけないね。斜に構えていないで,のめりこむように楽しみましょうってことね。

● これって,1回こっきりじゃないんだよね。続いていくんでしょうね。
 今回に関しては客席が少し寂しかった。野木だからか。年が明けたばかりだからか。初めてのこととて,PRが届かなかったのか(が,ぼくが知っていたくらいだから,PR不足はなかったかも)。
 他にもいくつか気になるところがあった。前途はなお平坦ではないように思われた。だが,しかし。出発したところで,前途が平坦っていうのはあまり聞いたことがない。つまり,これが普通のことなのだろう。

● 終演後,エニスホールを出たところの光景。少ぉし日が延びて来たよね。

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