宇都宮市文化会館 大ホール
● 12月になった。今月はかねて楽しみにしていた演奏会がたくさんある。まずは宇大管弦楽団の第68回定期演奏会。6日の午後2時から。場所は宇都宮市文化会館の大ホール。
前回,アンケートに回答したものだから,楽団から招待状が届いた。この招待状で5名様までと書いてあるが,ぼくに一緒に行ってくれる相手はいない。
● 演しものはベルリオーズ「ハンガリー行進曲」(劇的物語「ファウストの劫罰」より),ドビュッシー「小組曲」,ブラームス「交響曲第1番」。
指揮は海老原光氏。鹿児島ラサール中・高校を出ている人だから,頭も良かったんだろうな。東大ではなく芸大に進み,音楽の道を歩んできた。30代。まだまだ若い。
● オーケストラのライブは久しぶりだ。ライブで聴くのはオーケストラが一番だとあらためて思った。ライブとCDとの落差が一番大きいのがオーケストラだからね。生ならではの迫力を味わうにはオーケストラがいいですな。
そこに来て若い学生たちの演奏だ。若者の演奏はイキがいい。生命の躍動感っていうか,これから成長していく者しか持たないオーラがステージを覆っている。それだけでこちらとしては何がしかのギフトをもらった気分になる。
招待状で来ているからお金は払っていない。カンパ箱でもあればとキョロキョロしてみたのだが,そういうものは見あたらなかった。
● 一曲目に行進曲を持ってくるのはいいですね。最低限,客席は盛りあがる。
ドビュッシーの「小組曲」は,もともとピアノ曲だったのをアンリ・ビュッセルが管弦楽曲に編曲したんですね。管弦楽曲の「小組曲」を聴くのは初めてだし,CDでも聴いたことがない(ピアノ曲の方は聴いてる)。
吉行淳之介が好きだったという理由で,ドビュッシーにはこだわりを持っているつもりなのだけど,ぼくには難解です。いまだにピンと来ない。
● ブラームスの1番。第4楽章でウワァーッと盛りあがって終わる。交響曲の王道を行ってるっていうか。
この曲は8月にも東京で聴いているし,2番と4番もライブで聴いている。超メジャーな曲のうえに,今年はブラームスが流行った1年だったのですかね。
● というわけで,今回も充分に満足して帰途につくことができた。帰宅してから,ブラームスを聴いてみた。カラヤンが指揮するベルリン・フィルの演奏なのだが,それよりも宇大管弦楽団のライブの方がずっと迫力がある。
● あえて注文をつけるとすれば,演奏が終わったあともしばらくは緊張を解かないで欲しい。
オーケストラは演奏のみならず見た目のビジュアルも美しくあってほしい。顔かたちの問題ではない。緊張感が醸しだす凛とした感じが即ち美しさだから。
● 大学に入って初めて楽器に触れた団員もいるらしい。ぼくは大学では硬式庭球部に入ったが,硬式テニスなどそれまでやったことがなかった。音楽の部活でも同じ学生がいても不思議ではない。
中学と大学で吹奏楽部にいた同僚のA君によれば,演奏会は2年生以上と1年生の経験者が出場することになるんだけれども,初心者でもメキメキと上達する人がいるんだそうだ。
若い学生たちだから,3年や6年の経験の差は逆転可能な範囲なのだろう。可塑性が高いっていうか,しなやかさを保持しているっていうか。
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