2014年6月16日月曜日

2014.06.15 日本交響楽団第3回定期演奏会

小山市立文化センター 大ホール

● 第2回に続いて,2回目の拝聴。開演は午後2時。チケットは1,500円(S席)。

● まず,シベリウスの「フィンランディア」。抑え気味のテンポでていねいに演奏していた(と思えた)。このていねいさは,指揮者の高山健児さんのスピリットなんだろうか。
 もちろん,客席にはひじょうに好ましいものとして映る。自分を客席代表に見立ててしまっているわけだけど。

● 次は,スメタナの「わが祖国より」第3曲(シャールカ)と第4曲(ボヘミアの森と草原)。この2曲,曲調はまるで違いますね。
 「シャールカ」はとにかくオーボエ。「ボヘミアの森と草原」はお立ち台に立たせる楽器はこれといってない。オールキャストの総力戦になる。
 それぞれの戦い方で,試合終了。勝ったのか負けたのかはわからない。奏者それぞれに思いはあるんだろうけど。
 ただ,客席は満足してましたよ。これは間違いない。ぼくもその一人だから。客席の反応はたぶんステージにも届くものだと思うんだけど,客席にいれば隣の人,その隣の人,そして客席全体,の満足度はヴィヴィッドに伝わってくる。
 
● 休憩後は,メインのメンデルスゾーンの交響曲第4番「イタリア」。これが聴きたくて出かけたようなものだ。
 高校時代,友人と一度だけクラシック音楽の話をしたことがある。彼(ちなみに,芸術科目は美術を選択していた)はメンデルスゾーンが好きだと言った。今思えば,おそらくヴァイオリン協奏曲の第1楽章に代表される叙情性のようなものに惹かれていたのじゃないかと思う。
 ともあれ。そうか,メンデルスゾーンなのか,とぼくは思った。その彼とも音信不通になって久しいけれども,ぼく自身,メンデルスゾーンはよく聴く作曲家のひとりになった。

● 安定感のある演奏だったと思いますね。第3楽章以降は安定感に勢いが加わった。個々の奏者のベクトルの向きが揃ったように思われた。ベクトルの長さは,個々の技量によって異なるとしても。
 こうなると強いね。吸引力が増す。

● この演奏会において唯一残念だったのは,開演前に市長のあいさつがあったことだ。定例的な言葉を用いた起伏のないあいさつ。開演前の緊張に水をさす。演奏会には演奏以外のものはない方がいい。
 この日を迎えられたのはひとえに市民の皆様のおかげと言われたって,オレ,小山市民じゃねーし。小山市の小山市による小山市のための楽団であり演奏会なのか。ケツの穴が小さくてすまんが。
 この種のあいさつを蛇蝎のごとく嫌う自分に,われながら驚いたというか。

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