2019年1月15日火曜日

2019.01.13 港北区民交響楽団 第63回定期演奏会

横浜みなとみらいホール 大ホール

● この楽団の演奏を聴くのは,今回が初めて。開演は14時。入場無料。
 ただし,演奏会のチラシ(コピーでも可。スマホにダウンロードしたものでもよい)を見せることが条件とある。何故あってと思わぬでもない。
 ぼくはスマホにチラシ画像をダウンロードしておいたが,会場でチラシを配っていた。それをもらって受付で見せた。

● 曲目は次のとおり。指揮は冨平恭平さん。
 シューベルト 「ロザムンデ」序曲
 ブルックナー 交響曲第7番 ホ長調(ハース版)

● ブルックナーの「版」問題については,ぼくはもう追うのを諦めている。曲によっては原典版が複数あったりするのじゃないか。
 そんなこと(自作の書き直し)をしなければ,ブルックナーはもっと多くの交響曲を作曲できていたのではないかという意見がある。そうなのだろうと思う。そうなっていれば,今のぼくらが享受できる楽曲がもっと増えていたことになる。
 が,そういうことを言いだしてしまうと,バッハやシューベルトが作った曲の中に,失われてしまったものがどれほどあるかを嘆く方が先ではないかってことになる。

● 登場した楽員を見ての第一印象は,平均年齢が高いということ。年齢のバラツキが大きいと言った方がいいのか。
 仕事をしながら,あるいは家庭を持ちながら,楽器も続けて,年に1回か2回,ステージに立って交響曲や協奏曲を演奏して,聴衆に披露する。ということを,しかし,50歳になっても60歳になっても続ける人はそんなに多くはないようだ。
 この楽団にはその多くはない人たちがけっこうな数,いる。続けやすい雰囲気があるんだろうか。

● で,その演奏を聴きながら思った。音を奏でるのが好きな人たちがこんなにいるのかということ。何か奇妙な感慨のようなものが湧いてきた。
 首都圏に限った話ではあるのだけれど,いくつあるのか数える気にもならないほどに多くのアマチュアオーケストラが存在する。それほどに音を奏でるのが好きな人たちが多いのだという,奇妙な感慨。
 そのおかげで,生の演奏に接することができるのだ。それが原点だった。その演奏に対して偉そうに何かを語るのは,ぼくの役柄ではなかった。

● 有料にすると客足が落ちると考えているのだろうか。1,000円とか1,500円とか取ってもいいような気がしたが。手間が増えるほどの見返りはないんだろうか。
 オケ専のような告知サイトを見て,入場無料となっていると,技術はイマイチなのかと勘ぐってしまう向きもあると思うのだが。

● でね,第3楽章におけるティンパニは特に見応えがあったぞ。場所的に目立つのでね。思いっきり演技(?)のしがいがある位置だよなぁ。
 だったら,はじけないとウソだ。見せつけないとね。

● ブルックナーの演奏前に冨平さんの解説があった。嫌われる作曲家のアンケートを採ると,トップに君臨するのがブルックナーで,なぜ嫌われるのかといえば,理由は3つあるという話。
 第1に長い。第2に目立つメロディーがない。第3に物語性がない。第3に関しては,ブルックナーが亡くなったときに本は1冊もなかったらしく,曲に物語を与えることなどハナから考えていなかったというのだが,このエピソードは本当なんだろうか。

● 一方で,ブルックナー・フリークもいる。非常に数は少ないだろうけれども,ベートーヴェンが嫌いだという人もいるだろう(モーツァルトが嫌いな人は,たぶん,いないだろうけど)。
 長いからイヤだといっても,マーラーはOKな人もいるはずだ。なかなかに厄介だ。ロマン派以降の作曲家はとかく好き嫌いが大きくなる。
 おまえはどうなのだと言われると,嫌いな作曲家はいないというのが答え。モーツァルトとベートーヴェンとブラームスがいれば他はいなくてもいいかな,と思うことは時々あるけど。

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