北とぴあ さくらホール
● 王子に来るのはこれが2度目。飛鳥山公園や王子神社が駅の近くにあって,退屈しないで数時間は過ごせるところ。今回も3時間前に到着して,それらの名所を経巡った。
それに王子といえば,かの中村天風さんが生まれたところ。当時は豊島郡王子村で,今の殷賑はなかったに決まっているけれども,天風さんは王子神社の境内を遊び場にしていたかもしれない。
● 開演は午後2時。チケットは1,500円。当日券で入場。
この楽団の演奏を聴くのは,今回が初めて。曲目は次のとおり。指揮は福田光太郎さん。
ブラームス ハンガリー舞曲第19番
ドボルザーク チェロ協奏曲
ブラームス 交響曲第3番
● ハンガリー舞曲はオペラでいえば序曲のようなもので,さぁこれからが本番ですよというわけだろう。
で,ドボルザークのチェロ協奏曲。ソリストは印田陽介さん。新進気鋭の若手による演奏といっていいだろうか。ソリストのみならずオケもそうで,真面目かつ誠実に取り組んでいるという印象。
● いや,真面目じゃなく誠実でもないというアマチュアオーケストラにはまだ出会ったことがないから,それだけならば One of Them にすぎないわけだ。真面目かつ誠実が形になっていなければならない。つまり,演奏に出ていなければ。
東京にはセミプロかと言いたくなるアマオケが十指を超えるだろうから,その中にあって存在感を出していくのは容易じゃない。そんなことのために楽器を続けているわけじゃないと言われるかもしれないけど。
● 実際,アマチュアでここまで演奏を聴けるんだったら,プロのオーケストラなんて要らないんじゃないの,と思うことがしばしばある。
このオーケストラにも音大卒業者がかなりの数いるだろう。そうとわかる演奏をやっている。
● ブラームスの3番をひと言でいえば,熱いブラームスだった。熱いブラームスっていうのは,それだけだったらもう何度も耳にしているはずなのだが,その熱さ加減にオケの個性というのか,あるいは指揮者のベクトルかもしれないが,ならではものが出る。
たぶん,解釈とかそういう人為を超えたものがあって,それが自ずと個性になる。
● と,どうも一般論しか言えないのは,じつはほとんど聴いていなかったからだ。いったい自分は波野をしにここに来て,この席に座っているのか。
こちらのコンディションが最悪だった。ある特定の人物に対する喜怒哀楽の怒がマグマのように次から次へと脳内に噴出して,制御しかねた。
せっかくの演奏にまるで入っていけなかった。こういうこともあるんだな。
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