豊洲シビックセンター ホール
曲目は次のとおり。
ベートーベン クラリネットとバスーンのための3つのデュエット
フランツ&カール・ドップラー ハンガリーのモチーフによる幻想曲
プロコフィエフ 「10の小品」より『前奏曲』
プーランク オーボエ・バソンとピアノのための三重奏曲
プーランク クラリネットとバスーンのためのソナタ
メンデルスゾーン ピアノ三重奏曲 第1番 より第1,2楽章
ロベルト・フックス クラリネット五重奏曲
モーツァルト 弦楽四重奏曲 第14番「春」
ベートーベン 管楽六重奏曲
グリーグ ヴァイオリンソナタ 第3番
終演は16時をかなり過ぎていたから,4時間に及ぶコンサート。これだけやるんだから,それくらいの時間は要する。
● 主催はアンサンブル・オーケストラ・ノット。その代表者の高橋勝利さんが,クラリネットを担当して4曲に登場。
出番がないときも,客席に設置した録画録音機器を調整したり,ステージの譜面台や椅子を片付けたり,アナウンスをしたりと,八面六臂の活躍ぶりというか,雑用を一手に引き受けているというか,休む間もなく身体を動かしていた。
法人化も彼が音頭を取って実務も担当しているのだろう。現役音大生にそんな余裕はないだろうし。でもって,法人化が終了する前から法人化記念演奏会の日程と会場を決めてしまっている。
いや,このモチベーションはどこから来るんでしょうかなぁ。好きなことだからというだけではないように思えるんだが。
● オーケストラ・ノットの演奏会は今年になってから二度ほど聴いている。アンサンブル・ノットはオーケストラメンバーの分派活動なのだと思うのだけど,ひょっとすると,オーケストラには加わっていないけれども,アンサンブル・ノットでは活動しているという人もいるんだろうか。
オーケストラの方は音大の現役生とOB・OGで構成されているオケだと思いこんでいたのだが,それ以外のメンバーもいるんだろうか。
● 最も力がこもっていたと思えたのは,最後のグリーグのヴァイオリンソナタ。
これだけは特別ゲスト登場というわけで,ヴァイオリンは去川聖奈さん,ピアノは近藤大夢さん(2人とも昭和音大の学生)。いずれはノットのメンバーになるんだろうか。
たとえば,橋本環奈の顔は福岡顔だなと思うんですよ。福岡にはああいう顔の女性が多いような気がしている。あそこまでの美形はそうそういないとしても。
で,去川さんも見ただけで熊本とわかるようなお顔のわけですね。何ていうんだろ,視線が鋭いというか,「チャラチャラしてると張り倒すぞ,てめー」と語ってるような目線というか。
ぼくのイメージする熊本顔って,そういうものなんですよ。熊本=インド・アーリア説っていうのを,唱えておりまして。いや,まったくどうでもいいような話なんですが。
● 聴いていて面白かったのは2つあって,まずドップラー兄弟の「ハンガリーのモチーフによる幻想曲」。軽快で楽しそうに始まるのだが,だんだんうら寂しくなっていく。
これはジプシーの音楽だよね。何かさ,俺は昭和の枯れすすきと歌ってないか,みたいな曲調になる。辛い渡世だなぁ的な。
それだけだと演歌になってしまいそうなのだが,そこはそれ,うら寂しくはあっても湿っぽくはないので,1ミリも演歌にはなっていないのだけど。
● もうひとつは,メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲。華やかだ。これはもう,そういう曲なわけですね。
ピアノはすでに大人(たいじん)の風格がある嘉屋翔太さん。腕もたしか。こちらは曲の華やぎに身をまかせていればいい。
● そんなこんなで,10月最後の今日,今月4回目になる演奏会を聴くことができた。回数だけで言えば,コロナ以前に戻っている。ので,ぼく一個に関してはコロナは収束したと言っていい。
まだまだしんどい思いを余儀なくされている人が多いのに,こんなことを言うと不謹慎の誹りを免れないかもしれないが,ぼくのような不謹慎な人間がどんどん増えてくれば,飲食業や宿泊業で大変な思いをしている人たちの負い荷も少しは減るのではないかとも思っている。