2023年4月30日日曜日

2023.04.30 宇都宮中央(女子)高等学校吹奏楽部 第21回定期演奏会

宇都宮市文化会館 大ホール

● この高校の演奏会は,一昨年の第19回を聴いたのが初めて。
 その頃は開催できるかどうかは運次第というところがあった。寄せては返す波のようなコロナの感染状況次第。
 開催できたのはたまたま開催時期がコロナの冬眠期にあたったからだろう。すでにワクチン接種は始まっていたと思うが,開催できたのはやはり運が良かったからだとしか言いようがない。
 わずか2年前のことなのに,しかもあれだけ世界中がパニクった出来事なのに,すでに記憶からリアリティが失われつつある。だからこそ,これまで人類は滅びずに来れたのだとも思うんだけど。

● 昨年の第20回は聴いた記憶がない。開催情報を掴めなかったとは思えないから,他の遊びに呆けていたのだろう。あるいは他の演奏会と被ったのかもしれない。
 開演は午後2時。3部構成で演奏曲目は次のとおり。第1部はクラシックステージ。
 スパーク マーチッシモ
 チャイコフスキー イタリア奇想曲
 牧野圭吾 行進曲「煌めきの朝」
 天野正道 レトロ
 真島敏夫 3つのジャポニズム

 第2部はジャズ。
 スウィングしなけりゃ意味がない
 A列車で行こう
 イン・ザ・ムード
 オール・オブ・ミー
 シング・シング・シング

 第3部は “勝手にやっちゃって” ステージ。
 佐藤俊彦編 メイン・ストリート・エレクトリカル・パレード
 QUEEN(山下康介編) The Show must Goon
 マイケル・ブラウン編 This is me
 ダニー・ジェイコブ アロハ・エ・コモ・マイ
 岩井直溥編 オリーブの首飾り

 OGも加わって,さらに「オペラ座の怪人」と「青春の輝き」。

● 以上3部のいずれも面白かったのだが,どれかひとつあげろと言われれば(言われてないわけだが),チャイコフスキーの「イタリア奇想曲」になる。
 イタリアの風と雑踏,そこに立っているチャイコフスキーの佇まいが見えるような演奏だった。
 とまで言うと,いささか情緒が勝ちすぎた感想になるのだが,こちらは福嶋真理子さんによる説明(この曲が誕生した背景など)を受けたうえで聴いているので,その説明に引きずられた聴き方をしてしまいがちなのだ。

● 管弦楽より吹奏楽で聴いた方が,曲の設計図の線がはっきり見えるといったことがあるいはあるのかもしれない。
 ともあれ。難曲だろう。よくここまで手懐けたなと思った。

● 2部のジャズも熱演。
 ぼくはジャズにはあまり馴染んでいない。クラシックの方がスウィングできると思っているくらいで。
 それこそ,こういう吹奏楽の演奏で聴くくらいなのが実情だ。この機会にジャズも聴いていこうと思うのが毎度のことなのだが,実行できた試しがない。

● ひとつには聴くべきものが多すぎるのだ。クラシックに絞ってみたとて,なかなか広がりをつけることができないでいる。

● 第3部は高校生が懸命のサービス精神を発揮。彼ら彼女らにサービスしているという意識はないかもしれないが。
 気持ちよくそれに乗るのが観客のマナーだし,乗らなければ吹奏楽の醍醐味は味わえない。齢を重ね過ぎて重くなった殻を打ち捨てないといけないんだけど,なかなかできないものだなぁ。

● 宇中女の生徒は3年生だけになったらしい。あの制服ももうすぐ見れなくなりますよ。今のうちにしかと目に焼きつけておかないとね,諸君。女子制服の傑作ですからね。
 その中央女子高校と新生した中央高校の校歌の歌詞がプログラム冊子に掲載されている。こうした歌詞にも時代(の要請)が現れる。当たり前のことではあるのだが。

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