2010年12月31日金曜日

2010.12.18 宇都宮大学第70回定期演奏会


宇都宮市文化会館大ホール

● 18日(土)は宇都宮市文化会館で宇大管弦楽団の定期演奏会があった。宇大管弦楽団の定期演奏会は年2回,夏と冬に開催されるが,今年は夏(7月)の演奏会には行けなかったので,1年ぶりに聴かせてもらう演奏会だ。
 学生は礼儀正しく来場者を迎えるのだった。この点では東大音楽部管弦楽団がホテルマンを思わせる接待ぶりを見せてくれるのだが,宇大生もまた同じなのだった。折り目正しいというか,腰が低いというか。

● 文化会館の大ホールの8割が埋まっていた。
 そのお客さんの過半は招待状のハガキで,つまり無料で,入場した人たちだ。「ハガキの方は左側に,チケットの方は右側にお並びください」と楽員がアナウンスしてたんだけど,左側の列の方がずっと長かったからね。
 アンケートに答えると,次回からハガキ(招待状)が届くわけね。ちなみに,ぼくもハガキ組だ。ハガキを使わないでチケットを買うことも考えないではない。だけども,せっかく送ったハガキが使われないのではかえって申しわけないような気もして,対応を決めかねている。
 中でカンパでも募ってくれれば,堂々とハガキで入場して千円なりともカンパすればいいのだが,そういうふうにはなっていないので。

● 曲目はヴェルディ「歌劇ナブッコ序曲」,グリーグ「ピアノ協奏曲イ短調」,チャイコフスキー「交響曲第5番ホ短調」。
 指揮者は北原幸男氏。父親は尺八奏者の北原篁山。細身でイケメン。羨ましいなぁ。桐朋学園を卒業して,ヨーロッパで修行。現在は宮内庁式部職楽部の常任指揮者であり武蔵野音大の教授でもある。

● ソリスト(ピアノ)は阿久澤政行さん。地元出身。宇短大附属高校,宇短大,武蔵野音大,同大学院と辿って,いくつかの賞を取り,現在はハンガリーのリスト音楽院に在籍しているそうだ。
 彼のピアノ,勢いがある。ズンズン響いてくる。こぢんまりとまとまったピアノじゃない。

● チャイコフスキーの5番をライブで聴くのはこれで3度目。好みが分かれるところかもしれないが,6番「悲愴」より5番が好きという人が多いだろう。6番は4楽章の終わり方が独特で,通好みという感じ。ちなみにいえば,ドヴォルザークも9番「新世界より」よりも8番のファンの方が多いでしょうね。

 今年は東大と芸大の学園祭に行って,いくつもの演奏会を楽しませてもらったのだが,わざわざ東京に行かなくても,栃木には宇大がある。

● 学生オケの良さは清新さだと思う。技術だけとればもっと巧いところはいくらでもある。が,この清新さだけは学生オケでなければ出せないものだ。
 清新さは生命力の躍動だ。彼らが緊張のうちに集中して音を紡いでいる様子は,命の蠢動を感じさせる。強さを無言でアピールしているようだ。
 生命力の躍動を見たい,彼らからエネルギーをもらいたい,若さを分けてほしい,っていう渇望がこちら側にあるのかね。年を取ったのかなぁと思いましたね。

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