2013年3月31日日曜日

2013.03.30 第2回音楽大学フェスティバル・オーケストラ演奏会

東京芸術劇場 コンサートホール

● 国立音楽大学,昭和音楽大学,洗足学園音楽大学,東京音楽大学,東京藝術大学,東邦音楽大学,桐朋学園大学,武蔵野音楽大学。首都圏の8つの音大がひとつのオーケストラを組んでの演奏会。
 今回はその2回目。開演は午後3時。チケットはS席が2,000円(座席はS席とA席の2種。料金差は500円)。

● 他大学の学生と一緒に同じオケで演奏するというのは,学生たちにとってどんな感じのものなんだろうか。ステージに登場するときの彼ら彼女らの様子は,しごくリラックスしてたようだけど。笑顔で談笑しつつの入場。
 ちょうど,プロ野球のオールスターゲームの選手たちと似た感じ。当の学生たちにとってもフェスティバルっていいますかね。ま,そんな印象でしたね。

● 曲目は次の3曲。
 R.シュトラウス 祝典前奏曲
 レスピーギ 交響詩「ローマの松」
 マーラー 交響曲第5番 嬰ハ短調

● 最初からオルガンとラッパの別働隊(バンダ)が出てくる。ステージのオーケストラも大編隊を組んでいる。
 指揮は秋山和慶さん。コンサートマスターは1曲ごとに交代する。オールスターゲームでもひとりのピッチャーが投げられるのは3回までだからね。
 そのコンサートマスター,いずれも女子。

● ぼくの席は前から4列目の右側。いくら何でも前すぎるんだけど,ネットでチケットを申しこんだ時点で,このあたりしか空いてなかったんですよね。
 で,目の前に2ndヴァイオリンの奏者たちがいるんだけど,背中しか見えないわけですよ。管の奏者はぜんぜん見えない。終曲後に指揮者がパートごとに立たせて客席にお披露目するわけだけど,立ってもらっても見えない。

● その代わり,指揮者はよく見えた。それと1stは正面から見えるわけで,特にコンミスの所作はすんげぇよく見てとれた。
 だもので,ぼくの視線はずっと3人のコンミスに釘付けになってた。なぁに,あのオヤジ,ずっと私ばかり見てて,キモォォイ,とか思われたかもしれないんだけど,そういう状況だったので,事情ご賢察いただければ,幸甚,幸甚。

● でね,それぞれに流儀というか癖のようなものがあるんですね。人間が弾いているんだから当然なんだけどさ。
 それと性格もでるかもね。勝ち気そうとか,協調性第一の人とか。ほらほら,アタイにつきてきな,ついてこれるのかい,あんたたち,っていう姉御肌の感じ,とかね。

● 演奏が始まるとリラックスモードは雲散霧消。緩から急への一瞬の変化が心地よかった。あとは重量級の連続に一瞬たりとも集中を切らすことなく,踏み込みがよく,抑制の効いた演奏を客席に提供し続けた。
 腕前ははっきりプロ級で,素人の小賢しい批判など,はじき飛ばしてしまうだろう。

● マーラーの5番をライヴで聴くのは初めてのこと。長い曲だからCDで聴いてても,途中でこちらの集中がもたなくなる。聴き手として落第。
 けれども,生で聴くと,オオーッという驚きの連続で,気がついたら終わってた,ってことになる。マーラーってさぁ,奏者にいろんなことをさせるんだねぇ,と感心?しているうちに終曲っていう感じだね。
 ともあれ,マーラーはライヴに限る,と。問題は,田舎に住んでいるとマーラーの演奏に接する機会があまりないことなんだけどね。

● 指揮者が秋山さんで,チケットが2,000円。これほどお得感の大きい演奏会は初めてかも。
 これほどのものを2回目からキャッチできたのはラッキーだった。1年後にまたやるから,それまでは生きていないとな。
 
● 若者はいつの時代だって年配者から悪く言われるものだ。今どきの若いやつらは,って。ぼくからすると,年寄りたちが若かった頃と比べると,今の若者は相当すごいぞと言いたいんだけどね。今回のような演奏を聴くと,ほんと,そう思う。
 いつだって,「昔は良かった」んだよな。担任の先生が替わると,親は前の担任は良かったって言うし,人事異動があって新しい課長がくると,前の課長は良かったってなるんだよ(そうはならないこともあるんだけど,その場合は,よっぽどひどい課長だったんだな)。

● 今の若者が気の毒なのは,上が詰まっていることだね。あるいは,前が閊(つか)えていることだ。今回のオケのメンバーの腕前がすでにプロ級だとしても,すんなりプロになれるかどうかはわからない。上が詰まっているから,なかなか空きがでないもん。

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