2013年12月15日日曜日

2013.12.15 第6回栃木県楽友協会「第九」演奏会

栃木県総合文化センター メインホール

● 季節の変わり目とか,年中行事とか,そういうものにあまり敏感な方ではない。大晦日であれ,元日であれ,自分が生きなければならない(生きることのできる)2万日か3万日の中の1日だ。それだけのことだ。
 とはいえ,年末のイルミネーションや年度が切り替わる4月の桜など,それぞれの時期の風物や風景は,その時期の象徴になる。それを愛でるのはけっこうなことだし,自分でも嫌いではない。

● ただね。たとえば,クリスマスイブに吉野家とかマックとかにひとりで行く人がいると思うんだけどさ。そんな自分を外れ者だと思っちゃいけないよね。
 バカは群れたがるもんだと思ってればいいんじゃないのかなぁ。バカなんて放っておけばいいんでさ。昔からつける薬はないと決まってるんで。
 で,世の中の大半はバカ,と思ってればいいんだよ。大衆は必ず間違える,常に間違える,ってさ。おまえの方がよっぽどバカだ,と言われても馬耳東風でね。

● ちなみに申しあげれば,ぼくはそういうの,まったく平気。っていうか,ぼく,友だちっていないから,たいていひとりで食べに行くことになる。
 食事はみんなで食べる方が美味しいよね,っていうのも何とかのひとつ覚えだと思ってる。みんなでお喋りしながら食べるとおいしくなる? ホントかね。かえって不味くなることの方が多くない? イヤなヤツが混じってたりしてさ。

● 吉野家の牛丼もマックのハンバーガーも,それなりに旨いでしょ。クリスマスだろうが大晦日だろうが,ひとりで喰っても旨いものは旨い。何人で喰おうと不味いものは不味い。
 ひとりでレストランとかに行くのは気後れするけどね。回転寿司を含めたファストフードになっちゃうんだけど,食べものなんてそれで充分だしさ。

● 栃木でも「第九」は年末の風物詩。「第九」が年末の季語?になった経緯はどうあれ,何度でも聴きたい曲には違いないから,いそいそと出かけていく。

● 大げさにいうと,「第九」を聴くことができるかできないかで,人生のクオリアが違ってくると思っている。遅ればせながらというか,人生の後半もいいところだったけれども,「第九」を聴く機会を得られたのは幸運だった。
 さらにいうと,ベートーヴェンが存在してくれたことが,どれほどの恩恵を人類(の一部だけど)に与えてくれているか。何というのか,筆舌に尽くしがたいほどだ。

● 開演は午後2時。チケットは1,500円。
 昨年は指揮者もソリストも外部から招聘。今回は元に戻って,内部調達。
 管弦楽は,今回は栃木県楽友協会管弦楽団という看板になっていた。実質はこれまでどおりの栃木県交響楽団といっていいんだけれども,県内の他楽団から参加した人もいたようだった。指揮は栃響の荻町修さん。

● 前回の栃響の「第九」には少なからず驚かされたんだけど(もちろん,いい意味で),あれは偶然にもいくつかの要因が重なった結果だろう。
 今回もまた前回と同じ演奏を聴かせてもらえるとは,正直なところ,思っていない。

● 今回の露払いは,フンパーディンクの歌劇「ヘンゼルとグレーテル」の序曲。この歌劇を通して聴いたことはもちろんないけれども,序曲はCDを持っている。YouTubeで聴いてしまうことが多いんですけどね。
 続いて,「第九」。スタートにやや乱れがあったかもしれない。が,すぐに場が整って,あとはそのまま終曲まで。
 「第九」は第1楽章が最も好きだ。緩徐楽章(第3楽章)がいいという人も多いと思うんだけど,ぼくとしては第1楽章に惹かれる。

● ただ,指揮者とオケの間がわずかにギクシャクしていたように思われたんですけどね。指揮者が熱くなっているのに,オケはわりと冷めてるような。
 指揮者がどうしたかったのか,ぼくには最後までわからなかった。テンポからして,これでいいのかと迷いながら振っていたように感じられた。
 結果はオーライっていうか,決して悪い演奏ではなかったわけだけど。

● ソリストは篠崎加奈子(ソプラノ),荻野桃子(メゾ・ソプラノ),岩瀬進(テノール),村山哲也(バリトン)の諸氏。合唱団は栃木県楽友協会合唱団。
 CDで聴くたびに,第4楽章(の少なくとも後半)はなくてもいいんじゃないかと思う。けれども,生で聴くと,第4楽章がないと話にならないと思う。ここは,CDと生の落差が最も甚だしいところですね。

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