2016年2月16日火曜日

2016.02.11 1st Resonanz Barock Consort

宇都宮大学 峰ヶ丘講堂

● 開演は午後4時。チケットは当日券だと2,000円(前売券は1,500円)。当日券で入場した。
 が,当日券で入場できたのは僥倖だったかもしれない。ほぼ満席の状態だった。

● Resonanz Barock Consort(レゾナンツ バロック コンソート)は「宇都宮を中心に活動する小編成オーケストラ」。
 メンバーは次の方々だ。
 大川晴加(ソプラノ)
 関根哲郎(トランペット)
 熊谷モニカ(ヴァイオリン)
 稲垣早苗(ヴァイオリン)
 二本木真宏(ヴィオラ)
 西海朱音(チェロ)
 藤井美雪(チェンバロ)

● メンバーの出身地や背景(?)はそれぞれバラバラのようだ。稲垣早苗さんと二本木真宏さんは,宇都宮大学(管弦楽団)の出身。
 その関係で,1回目の会場が宇大の峰が丘講堂になったのかもしれない。

● ともあれ,それぞれバラバラの人たちが,どういう経緯でか知り合い,ひとつのバンド(ではないけれども)を組んで活動する。音楽に限らず,何らかのパフォーマンスを続けてきた人たちの特権だな。
 それだけで,選ばれた人生なんじゃないかと思ってしまう。

● 峰ヶ丘講堂は宇大の施設の中では最も古いものですか。中に入ると風格に満ちた空間で,これは保存しなければいけないだろうと思われた。
 保存するためには修理しながら使い続けなければいけない。静態保存になってはダメだ。SLじゃないんだから。
 バロックと峰ヶ丘講堂の組合せにはまったく違和感はなかった。音響をいうのであれば,市文化会館とか県総合文化センターのほうに一日の長があるにしても,ここもそんなに悪くはないように思えた。

● 曲目は次のとおり。
 ヘンデル 輝かしきセラフィムに
 ヘンデル わが心は目を開き耳を傾ける
 テレマン 聖なる歓喜に満ち,至福なまなこ
 ヴィヴァルディ 調和の霊感第9番 ニ長調

 ヴィヴァルディ 神なる主,天の王
 パッヘルベル カノン,ジーグ
 バッハ カンタータ51番 全地よ,神にむかいて歓呼せよ

● Wikipediaはバロックについて「影響は彫刻,絵画,文学,建築,音楽などあらゆる芸術領域に及び,誇張された動き,凝った装飾の多用,強烈な光の対比のような劇的な効果,緊張,時として仰々しいまでの豊饒さや壮大さなどによって特徴づけられる」と解説しているけれども,建築や美術,音楽をバロックという概念で串刺しにすることに,あまり意味があるとも思えない。
 バロック様式の建築とバロック音楽の間に,共通項を見いだせる人はいるんだろうか。
 建築様式の変化が音楽に影響を与えたことは,以前から指摘されているとおりだと思うんだけど。

● ベートーヴェンは気楽に聴けるけれども,バロックに向かうときには背筋を伸ばして気合いをいれないといけない。そういう人が多いのか少ないのか知らないけれども,ぼく一個はそうだ。
 バロックといえばまずはバッハであって,マタイ受難曲やヨハネ受難曲がそう簡単に聴ける曲だとは思いにくい。結果,バロックを聴くことは少なくなる。

● それを強制的に自分に聴かせるには,こういう団体の演奏会に出向くのが一番いい。「こういう団体」が宇都宮にもできてくれたっていうこと。
 もちろん,マタイやヨハネのような大曲を手がけるのは難しい。比較的小さな曲を演奏していくことになる(のだろうと思う)。

● それをこちらがきちんと拾っていければ,そしてそれを続けていければ,けっこうな蓄積ができるだろう。それ以上を自分に望んではいけない気がする。
 この小さな団体の活動についていけるかどうか。まず,そこが問題だ。
 そこそこついていければ,この曲をCDで聴いてみようかってことにもなって,自ずと世界が広がっていくかもしれない。

● トランペットとチェロが印象に残った。っていうか,トランペットは唯一の管楽器で,美味しいところを全部持っていった感がある。
 キチッとした真面目な演奏だ。バロックだものな。曲が真面目を要求する。そうそう遊ばせてはくれないんだろう。
 でも,遊びはあるはずだよね。奏者がそこで遊んでいいかどうか,それはまた別の問題になるけれども。

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