2022年12月31日土曜日

2022.12.27 東京農工大学管弦楽団 第51回定期演奏会

ひの煉瓦ホール(日野市民会館)

● 宿泊中の川崎から南武線を乗り通して立川。中央線にひと駅乗って,日野。日野駅で降りたのは,生まれて初めて。
 線路の北側を西に歩く。大坂上通りという坂道を登って行くと,山の手になるんだろうか。お屋敷街だ。実践女子大(生活科学部)もここにある。

● では,線路の南側は下町なのか。地形を見ると,中央線のレールを敷くために,土地を切り通したようだ。元々は一帯で,北も南もなかったのだろう。
 線路を挟んで北側と南側とでは対照的に違う,ということはないようだ。市役所は南側にあるが,こちらも基本は住宅街だ。商業施設は坂を降ったところに集まっている。日野駅も坂下にある。

● 日野に何しに来たのかというと,東京農工大学管弦楽団の定演を聴くためだ。この楽団の演奏は2013年の6月に “サマーコンサート” を聴いている。今回が二度目。定演を聴くのは初めて。
 入場無料。開演は18時。

● 曲目は次のとおり。交響曲が2つある重量級。
 シベリウス Andante festivo
 シベリウス 交響曲第3番 ハ長調
 チャイコフスキー 交響曲第5番 ホ短調

日野市民会館
● シベリウスの3番を生で聴いたのは初めてかも。生で聴く機会が最も多いのはもちろん2番だけれども,5番,7番,1番は聴いていると思う。が,3番はあったかどうか。
 何を聴いたかなんて1週間も経てば忘れてしまうから,ひょっとしたら聴いてるかもしれないけどね。

● しかし,印象に残ったのは昨夜も聴いたチャイコフスキーの5番。音大ではない一般大学のオケで,これほどのチャイ5を聴いたことがあったろうか。
 この音は指揮者の内藤佳有さんの脳内にあるものを外に出したものなんでしょうね。そう考えるしかない。学生さんがどこまで出せていたかは別として。いや,相当以上に出せていたんでしょう,これはね。

● 内藤さんは丁寧に,かつ入念にコンテを描く。細部の表現もさることながら,4楽章全体の構築物をどう美しく見せるかと考えていたような。細部の合計が全体ではないんだよ,と。
 奏者はそれを線にして色を付けていく。見事な線と色になった(と思う)。

● 裏方の案内や受付も大変だったろう。寒いし,中には変なやつもいたろうし。
 が,アナウンスや声かけも上手いと思った。今どきの若者は,このあたりをそつなくこなす。

● ホールのあるこのあたり,武蔵野の風情を残している。残ったのか再現したのかはわからないけれど,大昔の武蔵野はこうだったんだろうなというイメージと合致する風景になっている。
 新選組のミュージアムもある。なぜ日野にそういうものがあるのかというと,土方歳三や井上源三郎が生まれたところが日野だったらしいのだ。
 新選組はタチの良くないテロ集団でしかなかったとぼくは思っているんだけど,そういうものも含めて,日野って面白いところかもしれない。

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